ビジネスコンサルタント&営業コンサルタントに学んでもダメだった起業家必読! 神田昌典氏が伝授する「マーケティングで会社の収益を確実に上げる」方法

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ビジネスにおいて、経営者は常に「売上をだす」ことを意識しています。
しかし、意識して努力すれば売上が上がるかと言えば、なかなかそうもいきません。

あなたはいかがでしょうか?

例えば、


・ビジネスコンサルタントや営業コンサルタントから学んできたが、結果が出ない

・マーケティング理論に基づいて会社の収益向上を図っても、売り上げにつながらない

・商品に自信があるのに、お客様が分かってくれない

・キャンペーンをしても集客できない

・チラシを使ってもネットを使っても、電話やメールがこない

など、いろいろ試してみても結果に結びつかず、行き詰まってはいないでしょうか?
このまま売上不振が続けば、「経営状態が悪化の一途」なんてことになりかねません。

その先はもう想像したくないですよね。

では、どのようにしたらあなたの会社の売上が上がり、充分な収益を得られるようになるのでしょうか?

この切実すぎる問いに明確な答えを授けてくれるのが、多数の高収益企業を育成してきた「伝説の経営コンサルタント」、神田昌典氏です。

神田氏は「独立して約90日で廃業寸前に追い込まれたものの、その80日後には大きな収益を叩き出し、経営をV回復させ会社を存続させた」という経験の持ち主です。

まさに、売れる企業、売れない企業を、実体験をもって知り尽くした人物です。
現在は、クライアント企業においても自社同様の高収益を実現すべく、育成に力を入れています。

「いや、ビジネスコンサルタントや営業コンサルタント、経営コンサルタントと名の付く人にはさんざん学ばせてもらったけど、結果が出なかったんだよ」という経営者もいることでしょう。

しかし、氏のコンサルティングは現場で役に立たない机上の理論ではなく、実践したクライアントたちからの感謝の声が絶えない、確実に「数字を上げる」方法なのです。

その方法の多くは、世間に浸透し、常識化しているものとは、一線を画する内容となっています。

例えばマーケティング。

一般的な「マーケティングで会社の収益を上げる」方法では、企業側がお客様を探して売り込む形が基本となっています。

それに対して、氏が掲げるマーケティング法は、お客様側があなたをみつけて「あなたの商品を私に売って!」と集まってくる形を、意図的につくりだすものになっているのです。

「え? そんな方法があるの?」と驚いたことと思いますが、氏曰く、このマーケティングの仕組みをつくるためには、重要な「カギ」があるといいます。

そのカギの名前は、「エモーション」。「感情」です。

お客様の「感情」を刺激し、反応を誘発させる。そして、お客様の側があなたを見つけ、注文の声をかける。このようなマーケティングで会社を高収益企業に変える。

これが氏の掲げるマーケティング手法、「エモーショナル・マーケティング」なのです。

あなたの会社の売上が飛躍的に上げ、充分な収益を得られるようにするためには、お客様にこの「エモーショナル・マーケティング」を仕掛けることが不可欠です。

本書は、このお客様の感情をゆさぶるマーケティングの手順を、徹底的に伝授していきます。

あなたは、一生懸命に営業やマーケティングについて学び、実践しているのにも関わらず、収益が得られなくて困っていませんか?

神田氏を世に「伝説の経営コンサルタント」と知らしめた「エモーショナル・マーケティング」を実践すれば、お客様があなたを見つけ、自ら商品を欲しいと申し出てくる仕組みを生みだせるようになります。

さあ! あなたも高収益企業の仲間入りを果たすために早速読み進めていきましょう!

なぜ、あなたは、この本を手に取りましたか?
エモーショナル・マーケティングって何?

第1章 なぜ悪徳業者が儲かり、正直者は失敗するのか?
悪徳業者が栄える時代なのか?
「真面目」と「儲かる」の相関関係はない
「忙しい、でも儲からない」から、「暇だけど、儲かる」へ
正直者が失敗する理由その①
「一生懸命頑張れば、売れる。売れないのは、頑張りが足りないからだ」
「いつかはきっと…」は泥沼への第一歩
正直者が失敗する理由その②
「これだけ価格が安いのだから、絶対に売れるはずだ!」
石器時代の数字で儲ける業者たち
安売りは、バカにやらせておけ
お客が感じる価値を高める方法
正直者が失敗する理由その③
「お客のニーズをつかめば、売れる」
販売に関する根本的な誤解
できる営業マンは、しゃべらない
正直者が失敗する理由その④
「お客さんに気に入られれば、そのうち買ってもらえる」
弱者は、不平等条約を結ばされる
正直者が失敗する理由その⑤
「チラシを配っても反応が悪い。きっとうちの会社は、有名じゃないからだ」
売り手の感情と、買い手の感情 その許しがたいズレ
お客の感情はメカニカルに動く
正直者は、こうすれば、ダントツになる

 

 

なぜ、あなたは、この本を手に取りましたか?

タイトルが気になったから?
ピンクの表紙が目立ったから?

なんとなく無意識のうちに?

実は、この本には、あなたが手に取るような仕掛けがしてあったのです。

ということは、あなたは、もうすでに、エモーショナル・マーケティングの魔法にかかっているのです。

この本は、その魔法を公開します。
非常にパワフルな方法です。

実践してもらえば、ズバリ、あなたの会社を、九〇日以内に高収益企業に変えます。

しかし、パワフルな方法だからこそ、読まないほうがいい人がいます。

儲けることを、後ろめたく感じる方。

いままでと、異なる考え方を受け入れられない方。

こんな人は、この本を読むと気分が悪くなります。なぜなら、あまりにも金儲けが簡単に思えるようになるから。「苦労しなけりゃ、儲からない」という常識が、ガラガラと崩れてしまうからです。

それから、品質の悪い商品を、高値で売って、売り逃げをしようと考える方。絶対に読まないでください。

パワフルな方法ですから、無価値な壺を一〇〇万円で売ろうとすれば、売ることができます。しかし、それは詐欺です。やってはいけません。

今まで挙げたタイプに、あなたが当てはまるなら、ここで読むのをやめてください。私とは縁がなかったわけですから、この本のことは、忘れていただいて結構です。

まだ読んでます?
とすると、あなたは、かなり有能なビジネスマンですね。

分かりました。私も覚悟いたします。
腹をくくって、秘密をお教えいたしましょう。

「九〇日で、高収益企業に変われる? 本当なの?」
いいえ。嘘です。

実は、九〇日もかかりません。

九〇日というのは、ああだこうだと考える、その時間も含めて九〇日ということです。実際には、やりはじめて三〇日後には、あなたの会社の預金残高は増えることでしょう。

この奇跡の方法が、エモーショナル・マーケティングなのです。

 

エモーショナル・マーケティングって何?

一言でいえば、「あなたの商品を売ってくれ」と、お客さんが集まってくるマーケティング方法です。

いままでの営業というのは、お客さんを見つけ、売り込んでいく。

これは現代に、原始人が斧を振り回しているのと同じです。要するに、石器時代の遺物。高度成長期には使えても、成熟期では使えないのです。

成熟期には、営業効率が問われます。すると、いままでと全く逆のプロセスが必要になるのです。

つまり、あなたがお客さんを探すのではない。
お客さんがあなたを見つけるのです。

「お客さんが、私を見つけるだって? 本当に、そんなことができるのか?」

本当です。できるのです。
ただし、それには、一つのカギが必要です。

そのカギを知らないために、九九%の会社が、現在、ムダな努力をしているのです。

キャンペーンをやっても、集客できない。チラシを配っても、電話がかかってこない。

しかし、こうした苦労は、本書で説明する方法を知るだけで、全く過去のものになります。電話がジャンジャンかかってくるようになるのです。

信じられない? それじゃ、証拠を見せましょう。

これは、私が独立した当時の、預金通帳のコピーです。独立後、残高は減る一方。三カ月後には、三〇万円。生活費も考えると、「このままでは、来月で廃業だな」と考えていました。それが、八〇日後には二四三〇万円。会社としては、大した金額じゃない。

でも、私はほんの少し前まで、サラリーマンだったんだから。こりゃ、天にも上る気持ちですね。

当時、なにが楽しかったと思います?
毎日、銀行へ記帳に行く。

ジージーと数字が書き込まれる。
この記帳される音。

その音を聞きながら、私は思った。

「会社に勤めているときゃ分からんかったけど、なんだかんだいっても、この数字を上げられなけりゃ、経営者なんかクズだよなぁ」

「偉そうなことをいってたって、コンサルタントなんか、お客さんの、この数字を上げられなけりゃ、社会の害虫だよなぁ」

ということで、これからあなたにお教えすることは、単に理論を振りかざすコンサルタントの方法じゃありません。

私自身が泥まみれになって実証した方法です。
だから、能書きはありません。

ズバリ、合法的に現金を印刷する方法。ピストルなしに短期間に現金を得る方法です。少し前に話しましたが、この方法には、一つの重大なカギがあります。

そのカギとは?
それは、エモーション。感情です。

ほとんどの会社は、人間の感情を考えていないで、ビジネスをしている。だから本来得られるべき売り上げや効率が得られないのです。

感情を刺激して、相手の反応を誘発させる。そうすれば、お客さんからあなたに声がかかる。お客さんが、あなたを見つけることができるようになる。すると飛躍的に営業効率がアップします。

これが、エモーショナル・マーケティングです。

エモーショナル・マーケティングは、別に新しい方法ではありません。アメリカでは、一〇〇年も前から行われている、実証された方法です。日本でも、私の指導のもと、多くの経営者が実践しています。

実践している業界のほんの一例を挙げると、住宅・不動産、リフォーム会社、耐久消費材メーカー、通信販売、自動車ディーラー、生産材メーカー、広告代理店、印刷会社、保険代理店、コンサルタント、税理士、レストラン等々です。幅広い業界に応用できます。

典型的にどういうことが起きるかというと、売り上げが上がるだけではなく、営業経費が低くなります。その結果、九〇日以内にウハウハ状態、つまり高収益企業に変身することができます。

「そんなバカな。もし九〇日以内に預金残高が増えなかったら、どうするんだ? 保証するのか?」

残念ながら、保証はできません。そりゃ、まともな人間のすることじゃありません。

もし保証ができたら、よほどビジネスの現場を知らないか、ペテン師かのどちらかです。あなたは、ペテン師の書いた本なんて、読みたくもないでしょう。

保証はできないけれども、実践された方より、「倒産から救われた」「集客が倍になった」「こんなにうまくいっていいのか、怖いぐらいだ」という手紙をよくいただくのです。実績は嘘をつけません。これが、何よりもの証拠です。

最後に、エモーショナル・マーケティングについて、誤解してほしくないことがあります。

この方法は、単なる金儲けが目的なのではありません。もちろん儲かんなけりゃ、意味ないんですけど。それだけが目的じゃありません。

実は、もっと重要なことがあるんです。
それは、お客さんの喜ぶ顔です。

お客さんは、あなたから買ったことを喜びます。あなたも、その喜ぶ顔を見て、「もっと頑張ろう」って思うはず。

こうしてお客さんとあなたとの、心と心の交流ができるようになるのです。

お客さんに喜んでもらえなくっちゃ、いくら儲かったって、商売なんか面白くない。そうでしょ?

商品には自信がある。そしてお客さんの笑顔が何よりも嬉しい。あなたがそういう人なら、合格です。この本を購入することを許可しますので、立ち読みは終わりにして、いますぐレジに並んでください。

買いました?
それでは、なぜ、あなたはこの本を手に取ってしまったのか。

その魔法を解き明かしていきましょう。

経営コンサルタント 神田昌典

 

第1章
なぜ悪徳業者が儲かり、
正直者は失敗するのか?

悪徳業者が栄える時代なのか?

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「最近は、チラシを撒いても、ほとんど電話がないんですわ」

先日、大阪の不動産会社の社長と話していたときのことである。

ご存じのとおり、不動産のチラシというのは、九割方どこも同じだ。物件と、価格と、簡単な情報が載っているだけ。まぁ、ほとんど工夫はない。

不動産が売れているときゃ、工夫しなくても良かった。でも売れなくなってからは大変。チラシを五万枚配って、全く電話が鳴らないことさえある。

五万枚のチラシを配るには、まぁ、少なくとも三〇万〜四〇万円はかかる。すると、まさに一万円札を数十枚つかんで、ドブに捨てるようなもんだ。すると、どうすればチラシで多くのお客から電話がかかってくるかが、死活問題になる。

そこで不動産会社の社長と、付近で配られるライバル会社のチラシを研究していたのだ。その地区は激戦区で、「これでもか、これでもか」という感じで、山ほどチラシが折り込まれていた。そのなかに、結構いい感じのチラシがあった。カラーで、デザインもしっかりしている。またコピーも「テレビCMでおなじみの」「地元で三五年」と安心できる。あなたが不動産を探していれば、電話したくなるようなチラシだ。

明らかに、頭一つ抜き出ているチラシだったので、社長に聞いてみた。

私「このチラシ、一番いいですよ。この会社儲かってんじゃないですか?」

社長「あぁ、この会社は、一番悪いやつなんですよ」

私「どう悪いんですか?」

社長「これが、おとり物件なんですわ。そんで、お客が来ると、しょうもない土地を、強引なやり方で、高く売っているんですわ」

私「でも、これじゃ、素人はダマされる。テレビCMでおなじみのって、書いてありますけど、本当にやってんですか?」

社長「確か一〇年前ぐらいにやっていたけど、最近はやってないよな」

こんな悪徳業者にかぎって儲けている。
不動産ばかりじゃない。例えば、エステサロン。

かつて、エステサロン経営の社長から、こんなことを聞いた。

社長「エステサロンの、お客一人当たりの平均クレジット額は、いくらだと思います?一四〇万円ですよ」

私「ど、どういうことですか?」

社長「要するに、一人のお客さんに、平均一四〇万円使わせるってことですよ」

しかし、どうやって一四〇万円もの契約をするんだ?

「ダイエットしたい人いらっしゃ〜い、一四〇万円ですよ〜」と、正直に客を集めるエステというのは、聞いたことがない。もちろん、初めは一〇〇〇円のフェイシャルお試しキャンペーン。「たった一〇〇〇円ですよぉ〜」と客を集める。すると、どうなるか。

実は、これからがエステシャンの腕の見せどころ。フェイシャルをやっている間に、

「あなた、このシミ、簡単に取れるのよ」とか、「○○ちゃん、ここの贅肉、気にならない?」なんていいながら、お客さんにアンケートを記入してもらう(ちなみに、○○ちゃん、となれなれしくするところが、ポイントである)。そして、「ちょっと待っていてね」なんていって、カーテンの裏に回る。

何をするかというと、電話で信用照会をする。つまり、このお客は、いくらまでクレジットを切れるか調べる。それでクレジットを、最大限まで使わせる。

さすがに、エステでのクレジット破産は社会問題になったので、いまではこんなことは(大っぴらには)行われなくなったみたいだけど、つい最近までは、酷かったらしい。

 

「真面目」と「儲かる」の相関関係はない

まぁ、裏を知ってしまうと、「えっ」疑問を感じる商売は、世の中にあふれている。

あなたの業界でも、思い当たるふしがないだろうか?

大抵の営業マンは、こんなことをいっているのである。

「あの会社の商品は最低なのに、なんであんなに売れるんだろう? 買ったお客は、知らぬが仏だよな」

このように悪徳業者が儲かっているのが、現実である。

その一方、真面目に取り組んでいるにもかかわらず、残念ながら苦労している会社が多い。自転車操業で、フーフーいいながら仕事している。「真面目にやっていれば、もうじき楽になるだろう」と思いながら。

真実をいおう。

「真面目に働く」というのと、「儲かる」ことは、相関関係はない。残念なことではあるが、真面目にやっても潰れることがある。社長が真剣に、社会に貢献しようと頑張っていても、社員が夜中まで血のにじむような努力をしても、容赦ない。最高にいいやつでもガンになってしまうのと同じように、真面目で、誠実な会社でも潰れる。これが現実なのである。

それじゃ、「儲かる」っていうのは、何と相関関係があるんだろうか?

これは、悪徳業者が儲かる理由を考えるとよく分かる。

悪徳業者は、品質の悪い商品を売っている。そもそも売れない商品を抱えているのである。エスキモーに冷蔵庫を売っているようなもんである。だから、黙っていたら、いつになってもお客は来ない。

お客が来ないから、「どうすれば、売れるのか」について真剣に考える。どういう広告を出せば、お客をおびき寄せることができるのか? どういう誘い方をすれば、相手が話に乗ってくるのか? どういう仕組みにすれば、自分は楽することができるのか?徹底的に売り方を工夫しているのである。

ところが正直者は、なまじっか商品が良いもんだから、売り方を真剣に勉強しない。商品が良ければ、自動的に売れると思っている。いま売れなくても、いい商品だから、いつかは売れる。そんな奇跡が起こると信じている。つまり、商品に甘えているわけである。

さらに根が真面目だから、楽しようと思わない。つい自分の時間を仕事に投入する。気づいたときには、雑用ばかりやっている。雑用は収益を生まない。だから、儲からないのに忙しくてしょうがない。

 

「忙しい、でも儲からない」から、「暇だけど、儲かる」へ

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このような悪循環に、あなたはハマっていないだろうか?

ハマっていたとしても、あなたの責任ではない。

なぜなら、あなたの人生を振り返ってみてほしい。そもそも、売り方を体系的に教えられることが、あっただろうか。学校で一時間でも、モノを販売する授業があっただろうか? 経済学や法律は学んだかもしれない。だが、お客の集め方を学んだことはあるんだろうか?

黙っていてもモノが売れる時代は、これでも良かった。しかし、これからは誰もが、自分の商品やサービスを売る能力を磨かなければならない。

お客を集める努力をしなければならない。医者、弁護士、税理士、そして公認会計士に社会保険労務士。例外は一切ない。いままで先生といわれ、営業する必要もなかった職業でさえ、お客が来なけりゃ、廃業だ。

しかし、安心してほしい。「大変な時代だ」と嘆く必要はない。

なぜなら集客というのは、それほど難しくないからだ。難しそうに見えるのは、誰も、それを体系的に教えられたことがないからである。

理論的に教えられないから、いままでは精神論がまかり通ってきた。ところが、あなたも気づいているとおり、現実には、汗と根性では、客は来ない。祈っても、瞑想しても、お客は来ないのである。

私の考えでは、集客というのは科学である。
実に、予測可能なものである。

柔軟にコントロールできるメカニズムである。
私はあなたに、このメカニズムを伝えたいと思う。

しかし、これから話すことには、いままで聞いたことがない、新しい発想が多いはずだ。新しい発想というのは、吸収しにくい。いままでこびりついた古い考えが、その定着の邪魔をする。人によっては、それを排撃する。変化を拒否するほうが楽だからである。

それでは、新しい発想を根付かせるにはどうすればいいか?

まず、字でいっぱいになった黒板を想像してほしい。

この黒板に字を書いても、何が何だかさっぱり分からんだろう。新しい字を書くためには、黒板消しで、いままでの字を消すことから始めなければならない。

そこで、これから黒板消しで、チョークで真っ白になった黒板を綺麗にしてほしい。綺麗にすれば、新たに書き込める場所が広がる。

綺麗にしてもらいたい黒板は、あなたの頭のなかにある。

その黒板には、五つの教えが書かれている。どれも一見、まともな教えである。先生や上司が、説教のときにいう言葉でもある。このような考えを表明しているかぎり、誰も敵には回さない。しかし、その一つひとつが、あなたの成功の障害になっている。

なぜ障害になっているのか? それを、いまから明らかにしよう。

 

正直者が失敗する理由 その❶

「一生懸命頑張れば、売れる。売れないのは、頑張りが足りないからだ」

先日、ある会社の社長さんから、電話があった。

社長「いや〜。この掃除機を、何とか売りたいんですがね。何とかなりませんか?」

私「どんな状況なんですか?」

社長「テレアポを取ってから、訪問して、売るんですけど、テレアポが取れないんですよ。何とか、アポを取る方法ありませんか?」

私「何件電話すると、何件のアポが取れるんですか?」

社長「いままで、一六〇〇件電話したんですけど、二件のアポが取れました」

私「とすると、八〇〇件の電話で、一件アポが取れるんですよね。これじゃ、全然ペイしないでしょう。しかもテレアポのトーク内容は、かなり練ったわけだし、これ以上やると、かなりやばいトークになっちゃいますよ。なんで他の商品やらないですか? 同じテレアポでも、二〇〇件電話かければ、三件アポが取れる商品がありますよ」

この会社は、メーカーではない。掃除機を仕入れて販売しているのだ。だから、何も売れない掃除機を、売る必要はないんである。しかし、わざわざ、いばらの道を進もうとしている。あたかも、売れないのは自分の努力不足であるかのように。

いいですか。売れないのは、あなたのせいじゃない。一生懸命やっても、売れないことはある。売れないのだから、その商品にしがみついているかぎり、いつになっても生活は楽にならない。自分の生活だけでなく、社員の生活だって楽にならない。

売れない理由は、商品が悪すぎるからだ。

何も品質が悪いといっているんじゃないよ。だって品質っていうのは、お客は使ってからじゃないと分からないからね。お客は、「品質がいいんじゃないか」というイメージをもとに商品選択をしているだけ。つまりイメージが重要なのであって、実際の品質は、買った後でないと認知できない。だから商品品質と、お客が買うかどうかは関係がない。

とすると、何で売れないんだ?

一言でいうと、成熟商品だからである。

どんな商品にもライフサイクルがある。つまりどの商品も、導入期、成長期、そして成熟期を必ず経るわけである。

ライフサイクル上、すでに成熟している商品は、その販売促進策に対する反応率が低くなる。例えば、以前は、二〇〇件電話をすれば、一件は引っかかってきても、いまは八〇〇件電話をして一件しか反応がなくなってしまうのである。

こうなると、儲かる仕組みを築くのが困難だ。
具体的に計算してみよう。

電話をかけるには、人件費を含めて、一件二五〇円かかるとしよう。以前は、二〇〇件電話したら、一件のアポが取れた。つまり五万円かけると、一件のアポが取れたわけである。アポが取れた三軒を訪問した結果、一台販売できたと仮定しよう。すると、一台販売するのに、一五万円の営業コストがかかったわけである。まぁ、訪問販売の場合、一台三〇万円の掃除機であれば、粗利は一八万円ぐらいある。すると、一五万円の営業コストがかかっても、儲けが出るわけである。

しかし成熟段階に入ったら、どうだろうか? 反応率は、八〇〇件に一件の割合に減っている。営業コストは、四倍に跳ね上がる。天文学的な数字である。これじゃ、悪徳業者さえ音を上げる。

このように商品のライフサイクルによって、反応率というのは、大きく変化するのである。そして、いったん落ち込みはじめると、反応率は急速に低くなる。その結果、とてもこの商品だけに頼って、新規の顧客を集めることはできなくなってしまう。

携帯電話も同じようなパターンをたどった。つい最近まで、携帯電話の広告は、そこらじゅうに出ていた。「携帯電話、無料モニター一〇〇〇名募集!」とやるだけで、わんさか応募があったわけである。しかし、成長力が鈍ると同時に、広告に対する反応が激減する。「広告への反応が、以前の一〇分の一になっちゃったよ」ということになる。すると、広告宣伝するために必要な粗利が確保できなくなる。だから最近、携帯電話の無料モニター広告は、ぐっと減っている。

 

「いつかはきっと…」は泥沼への第一歩

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このように商品のライフサイクルに応じて、その商品を販売するコストは大きく変化する。コストが変化するばかりではない。営業マンの苦労も大きく変わる。ガンガンに市場が成長している商品であれば、黙っていても売れていく。しかし商品が旬を過ぎると、汗をびっしょりかいて、走り回らないと、なかなか売れない。

当たり前のことなのだが、日常的に商売をやっていると、こんなことまでが見えなくなる。そして、一度売れた商品にしがみつく。その結果、ずるずると泥沼に入り込んでいく。「もうちょっと頑張れば売れる」「一度使ってみてくれれば、この商品の良さをきっと分かってくれる」そういうふうに、「いつかは」と祈っているうちに、傷を広げることになるのである。長銀も、日債銀も「いつかはきっと」と思っているうちに、ああなっちゃったのである。

ただし「この商品は、ダメだな」と思っていても、状況が変わる場合がある。

例を二つ挙げよう。

一つ目は、商品の革新があった場合。これは新たなライフサイクルが始まるので、再び成長軌道に入ることができる。例えば、アップルのiMac 。インターネットが簡単にできるパソコンという切り口で、新たな成長曲線を作り出した。ご存じのとおり、そっくり真似したようなe ‒ One というPCも登場した。これはiMac が生み出した成長曲線にそのまま便乗している。問題にはなったが、賢いやり方だ。

二つ目は、みのもんたが「買いなさい」といった場合である。つまり、大衆に影響力をもったカリスマが、積極的に商品を推奨したときに起こる。いままで、ほとんど売れなかった商品が、一日で品切れになる。

最近の例では、梅肉エキスがあるが、これもテレビで放映されたとたんに、売れ行きが数倍に跳ね上がった。これはいままで意識しなかった商品メリットが、カリスマの発言によって認知され、新たな商品のライフサイクルが始まったわけである。ところが、これだけの認知度を、みのもんたなしに作ろうと思ったら、それは広告宣伝への数十億円の資金の投入が必要となる。

こんなふうに奇跡が起こらないとはかぎらない。しかし、奇跡を信じて、祈り続けている間に、潰れてしまったら元も子もない。

もちろん頭に汗をかく努力をしないで、すぐ諦めるのは問題外である。後で詳しく話すように、商品を販売するときの切り口や、販売するターゲットを変えるというような、マーケティング上の工夫をすると、反応が一〇倍以上に飛び跳ねることがある。この工夫を全くしないで諦めるのは論外だ。が、その工夫を出し尽くした後にも、反応がどうしても上がらないとすれば、それはもう潮時である。

商品に対する消費者の反応は、そのライフサイクルによって、ある程度決まっている。その数値は、空気の酸素混合率が変わらないと同様、極めて物理的な数値である。汗や祈りでは補いきれない。

だから、ある程度の工夫をし尽くしたにもかかわらず、反応率が上昇しなければ、未練がましくしがみついているより、他の商品に移行したほうが手っ取り早い。なぜなら、同じような努力で、何倍もの新規客が向こうから「売ってくれ」といってくる商品があるからである。

石の上にも三年。これは石器時代の話である。三カ月、懸命にやってダメな場合は、三年ダラダラやっても同じことだ。

 

正直者が失敗する理由 その❷

「これだけ価格が安いのだから、絶対に売れるはずだ!」

悪徳業者は、できるだけ高く売ろうとする。
正直者は、できるだけ安く売ろうとする。

もちろんお客にとっては、安ければ安いほどいいに決まっている。しかし、ここで間違うのは、正直者は、「安ければ売れる」と思ってしまうことである。「これだけ安くしたんだから、売れるだろう」と思ってチラシを配る。それで電話が鳴らないと、「どうして、こんなに安いのに、売れないんだ」と泣き叫ぶ。それが現実だ。

それじゃ、高く売ればいいのか、それとも安く売ればいいのか?

私の意見では、正直者も、できるだけ高く売ることを考えたほうがいい。

なぜかといえば、正直者は、全く利益が取れないレベルまで安くしてしまう傾向が強いからである。

もちろん、本人は、「このぐらいだったら、十分利益が取れるはずだ」と綿密な利益計算の結果、価格を決定している。しかし、その利益計算がとてつもなく甘いのである。

例を挙げよう。
正直者は、こう考える。

「この商品は、ライバル商品よりもかなり安い。しかも品質もいい。絶対売れるような気がする。それじゃ、まずダイレクトメールを出してみよう。雑誌で「通信販売ででっかく儲ける」という特集記事を見たら、ダイレクトメールの反応率は一〜三%だって書いてあった。まずは一〇〇〇通ぐらいからダイレクトメールを出してみよう。最悪を想定して、一%のお客が買ってくれたとしよう。すると最低でも一〇人は買ってくれる…。え〜と、一オーダー当たり、これだけの粗利があるから、一〇人だとすると…。おぉ、十分利益が取れるじゃないか! こりゃ、蔵が建てられるぞ!」

こうして一〇〇〇通のダイレクトメールを出してみるのである。

その一週間後。

「なんか、おかしいな、ちゃんと郵便局は届けたのかなぁ? まあ、もうちょっと待ってみよう」

さらに、その一週間後。

「こんなはずはない! 一件しか注文がないじゃないか。どうしてなんだ!」

と、顔が、真っ青になっているのである。

あなたも聞き覚えがないだろうか、こんな話。

かくいう私自身も、こういう失敗を山ほどしてきた。

そもそも、ダイレクトメールの反応率が一〜三%というのは、誰が決めたことか分からない。しかし多分、石器時代の数字である。この現代では、全く知らない赤の他人にダイレクトメールを送って、一〜三%の客が買ってくれたならば、それは宝くじに当たったようなもん。半年後には、都心に家を建てることができるだろう。

それじゃ、現実の反応率がどんなもんかといえば、売る商品の価格帯によって異なるが、その一〇分の一ぐらいと思ったらいい。

 

石器時代の数字で儲ける業者たち

こういう石器時代の数字に、ダマされる正直者が多い。

どうしてこんな数字が亡霊のごとく徘徊しているかというと、その数字のマジックで儲ける会社が多いからだ。

例えば、「チラシを配るだけで、月収一〇〇万円が!」と書いた広告を見たことはないだろうか? 販売代理店の募集広告である。大抵ベンツの前に、ガッツポーズで、ダブルのスーツを着た男の写真が載っている。もちろん、ベンツは借り物である。

内容をよく読むと、「時間の空いたときに、カタログを配るだけで、毎日が給料日」なんて書いてある。その際の損益シミュレーションが載っていて、それが三%の反応率を想定しているのである。

そりゃ、石器時代の数字をベースに考えたら、儲かるよ。しかし現代では、三%という数字は、絶対にありえない。まぁあのカタログの商品であれば、その一〇分の一、一〇〇分の一であろう。こんなの考えてみれば分かるんだけど、「チラシを配るだけで、高収入」が本当だったら、当然、自社で直販する。なぜなら、チラシを配る業者なんて山ほどあるからである。自分でやっても儲からないことが分かっているから、販売代理店を募集するわけ。

この会社の利益は、当初の入会金、カタログを代理店に売ることにより得られる利益、そして月々の事務管理費。つまり商品なんか売れなくても、販売代理店が自分の間違いに気づくまで、ガンガンに儲かる仕組みになってんの。

こういう半分詐欺的な会社じゃなくても、広告宣伝の効果を現実以上に見せる業者は、星の数ほどある。

考えてみれば、現実の数字が公然となってしまったら、ほとんどのチラシやダイレクトメール、広告っていうのは、赤字垂れ流し状態であることが、ばれてしまう。だから、できるだけ秘密にしているのである。ばれちゃったら、商売にならない。

正直者は、石器時代の数字をそのまま信じてしまう。すると、大赤字になる。これをやって、私はもう何回も失敗した。あなたは、もう私の真似をする必要はない。これが、私がクライアントに「価格は高めに設定してください」と頼んでいる理由の一つだ。

 

安売りは、バカにやらせておけ

価格を安く設定しないほうがいい理由が、もう一つある。それは、割引以外に売る工夫をしなくなるからである。割引とは、極めて安直な方法である。バカでもできる。バカでもできるから、必ずあなたの価格を下回るバカが出てくる。

また「安い安い」で販売すると、安値競争に突入する。

この競争は、規模で勝負が決まる。量販店を敵に回して競争することになる。これは、竹やりでミグ21を落とすようなもんである。原始人の戦法であるから、あなたはやめたほうがいい。

それでは、賢いあなたは、どうすればいいのか?

お客というのは、購入しようとする商品、サービスの価値が、支払う金額よりも高いと感じたときに購買決定する。

すると、モノを売る方法は二つあることが分かる。

①支払う金額を安くする。つまり割引をする。
②商品・サービスの価値を高める。

①の方法は、ちょっと前にいったとおり、原始人の方法。

とすれば、②の方法がいいわけだ。そうだ、簡単なことだったのだぁ。商品・サービスの価値を高めれば、価格を高く設定できるのだぁ〜。

「バッカじゃないの? それじゃ、原価が高くなって、利益が出ないじゃないか?」

と思われただろうか?

さすがに、賢明なあなたのことである。煙に巻かれなかったようだ。

「こんなバカなコンサルタントの本を読むのはもうやめた。時間のムダだ」

まぁ、まぁ。そう怒る前に、もうちょっとガマンして聞いてほしい。

実は、価値には二通りある。

絶対的な価値と、お客が感じる価値である。

絶対的な価値っていうのは、値札に書かれた価格。つまり売り手が決めた価格のこと。例えば、ネクタイだったら、一本三〇〇〇円というような個別の商品の価格。

一方、お客が感じる価値は、「これはお得だぁ」とか「これを買ったら、損するわ」という、価値観のこと。つまり買い手が感じる価値。これは値札とは一致しない。

こう考えると、お客が感じる価値が、絶対的な価値を上回ったときに、購買が起こることが分かる。

「それじゃ、お客が感じる価値を高められるのであれば、原価は同じでも、高い価格が設定できるんでしょ。こんないいことはないじゃない」

そのとおりなんである。

問題は、「どうすれば、お客が感じる価値を高めることができるか」である。

 

お客が感じる価値を高める方法

いろいろな方法があるが、二つ例を挙げよう。

海外旅行に行ったときに免税店に入る。すると「ネクタイ三本買うと、もう一本無料!」というキャンペーンが目立つ。それは、結局、二五%割引と同じこと。しかし

「ネクタイ二五%OFF」とは絶対書かない。

なぜか?

「一本無料!」のほうが「二五%OFF」よりレジに並ぶ率が高いという実証データがあるからだ。これを先ほどの話に置き換えていえば、全く同じ商品でも、「一本無料!」としたほうが、お客が感じる価値が高くなるっていうこと。

さらに、テレビでの通信販売を思い出してほしい。典型的な売り込みのパターンは、こうだ。

女「それでは、気になるお値段ですが?」
男「いまなら、この高給カメラが、なんと一万九八〇〇円」

女「うぁ〜。凄いですね。こんなに安くしていいんですか?」

男「特別ご奉仕のお値段ですね。しかも、いまなら、この望遠レンズと、スタンドを無料でお付けいたします」

まぁ誰もが、「おまけを付けるんであれば、その分、値段を安くしろ」と思う。

しかし、テレビの高いスポットCMを買っている会社は、それほどバカじゃない。当然のことながら、値段を安くした場合と、おまけ商品を無料で付けた場合と、売り上げを比較してきている。すると、おまけ商品を付けたほうが、売り上げが高いわけである。この経験則は、昔からずーっと変わっていない。つまり、おまけは、絶対的な価値以上に、お客の感じる価値を高めるのである。

こんな例から分かってもらえたと思うが、なにも「安く売る」だけが能ではない。安く売ることは簡単である。「二五%OFF」を「四〇%OFF」とするのは、数字を書き換えるだけだから、頭を使わないですむ。

しかし儲からない。そして消耗戦に突入する。

正直者が失敗するのは、お客が感じる価値を高める努力をしないで、安く売ってしまうからである。

「安ければ、売れる」と盲目的に考える。客が集まらないのは、分かっている。しかし、やらないで不安になるよりいいから、やり続ける。それは、思考のストップ、麻薬中毒になったと同じである。

この悪循環から抜け出すためには、脳味噌に汗をかかなければならない。

サービスを付加したり、パッケージを変えてみたり、特典を付加してみたり、お買い得な理由を考えたり、期間限定にしてみたり、こうしてお客が感じる価値を高める知恵を出さなければならない。

人間、頭を使うことには、非常におっくうだ。頭を使うより、身体を動かしているほうが五倍楽だからである。

しかし悪徳業者は、悪知恵を使っている。

正直者だからといって、知恵を使わないですむという特権はないのである。

 

正直者が失敗する理由 その❸

「お客のニーズをつかめば、売れる」

真面目に勉強した人の営業スタイル…。

「このたびは、お忙しいところ、貴重なお時間をありがとうございます。早速ですが、提案書をお持ちいたしました。まずは、弊社のご説明をさせていただきたいと思います」

このように「○月○日 ○○会社御中」と表紙がついた提案書をめくって、説明を開始する。昔は、こんな営業スタイルはなかった。しかしコンピュータが浸透してからは、ちょっと勉強した人はやりたがる。このようにプレゼンテーションを行う営業は、コンサルタントがやったりしていたので、コンサルティング営業とか、提案営業といわれている。

しかし全く役に立たない。
私が失敗してきたから分かる。

この方法は、社内で「できるヤツ」「いかにも仕事をしている」と印象づけるには、それなりに役に立つ。しかし、それで商売が成立するかといえば、そうは簡単にいかない。

いったい、どうして役に立たないのだろうか?
あなたが、売られる立場だったらどうか、考えてほしい。

このかっこいいプレゼンテーションに対して、どんな感情をもつだろう? あなたの心のなかを覗き見すると、こんな感じだ。

あなた「ふーん、この提案書は、表紙はうち向けになっているけど、中身は、どの会社も同じものなんだな。(中略)あぁ、なかなか頑張ってるねぇ。うちのことも、よく調べてきているじゃないか。でもやっぱり現場を知らないな。そこが問題じゃないんだがな」

そこで、プレゼンテーションが終わり、営業マンに聞かれる。

営業「いかがでしょう?」

あなた「今日は、いいプレゼンをありがとうございました。よく勉強していますね。また来てください」

これで、本当に売れるのだろうか?

なんでこんなことになってしまうかといえば、簡単なこと。

営業マンがしゃべると、それだけで売り込みになるのである。人は誰でも、売り込みは嫌いだ。売り込まれると、欲しいものでも、欲しくなくなる。

にもかかわらず、提案営業は、営業マンがしゃべることで成り立っている。「いまプレゼンをしているんだから、まず私の話を終わりまで聞きなさい」というもんである。

提案営業は、冒頭から、ボタンを掛け間違える。

これからの営業を難しくする人間関係を作ってしまうのである。

私、売り込む人。あなた、売り込まれる人。売り込まれる人は、売り込まれないようにする感情が自然に起こる。「こいつをできるだけ早く追い返そう」と思ってしまうのである。

 

販売に関する根本的な誤解

それじゃ、どうして営業マンは、説明したがるのか?

これは販売に関して、根本的な誤解があるからである。

人間は論理的に判断するから、理屈が通れば、購入する。そう営業マンは信じている。だから論理を築き、理屈で説得しようとする。

しかし残念ながら、人間は、理屈では買わない。感情で買う。そして、その後に、理屈で正当化する。

例えば、車を買うためにショールームに行くとする。このときには、すでにこの車が欲しいという感情がある。ショールームに行くのは、欲しい理由を正当化するためである。営業マンに質問して、「やっぱ、この車は最高だわ」と納得するわけである。このように欲しいという感情が先にある。その感情を正当化するための理由が、理屈なのである。

この順番を間違えると、致命的だ。

お客に欲しいという感情が起こる前に、売り込みをかける。すると、お客の側には、とたんに不買心理が起こる。できるだけ、あなたの話を聞かないようにする。

お客にとって、営業マンは害虫である。だから早くその場所から立ち去ろうとする。

ところが、お客の側に欲しいという感情があった場合は、全く逆になる。営業マンは、何でも親切に教えてくれる。営業マンは、幸福をもたらす天使となるのである。

このように売り込むタイミングをほんのちょっと間違えただけで、全く違う人間関係を築いてしまうのである。

提案営業の場合は、このタイミングを間違えることが多い。感情を全く無視して、理屈だけで議論を進める。冒頭から、「うちの会社は素晴らしい」「この商品は素晴らしい」だ。すると一気に不買心理を築いてしまうわけだ。となると、一度築かれた壁を壊すのは、並大抵のことではない。

 

できる営業マンは、しゃべらない

それじゃ、営業マンはどうすりゃいいのか?

実は、できる営業マンを分析していくと、共通する特長がある。ほとんど例外なく、しゃべらないのである。

しゃべらないで、どうやって成約できるのだろう?

実は、これには秘密がある。私もこのテクニックはよく使うが、面白いように成約できる。

まず「お客様はどんな商品が欲しいのですか?」と聞く。そして「こんなので、こんなことで困っていて、そして価格はこのぐらいで」とお客のほうから話をさせる。

このほうが成約率は高くなるのである。なぜならば、しゃべっているうちに、お客は「その商品が欲しい」という感情が生まれてくる。つまり自己説得をしてしまうのである。不思議なことに、自分はしゃべらないで、相手にしゃべらせていると、信用されやすい。「うん、君はなかなか優秀な営業マンだ。見込みがある」なんていわれることがよくある。

正直者は、「一生懸命やれば、説得できる」「いいプレゼンテーションができれば、買ってもらえる」と思ってしまう。そこで徹夜で、提案書を作ったりする。

しかし、お客は、それを望んでいない。提案書は、営業マンが帰ったらゴミ箱へ直行する。良くて、ファイルの山のなかに突っ込まれるだけだ。

それに対して、悪徳業者は、相手に信用してもらうために、一度目は深追いしない。

相手に信用されたところで、次の手を打つ。感情をくすぐり、購買動機を高める。そして相手が自己説得するように誘導する。

どちらが、成約率が高いかは、明らかだろう。

何も悪徳業者になることを勧めているのではない。しかし、正直者にとって、勉強になる多くのヒントがあることは確かである。

 

正直者が失敗する理由 その❹

「お客さんに気に入られれば、そのうち買ってもらえる」

私の営業の秘訣をこっそり教えよう。

独立して三カ月後、仕事がなく、来月かぎりで、蓄えも尽きるという時期。

当時、はじめて、自分の営業広告を新聞に出したのである。「無料レポートを差し上げる」という内容である。もちろん、そのレポートを読んでくれた人のなかから、クライアントが得られるだろうとの考え。

思惑どおり、何人かからレポートの請求があった。レポートを送った。

私の作った仕組みが機能するなら、相手から電話がかかってくるはずだ。

仕事が欲しい。このままでは、妻と二人の幼子が路頭に迷ってしまう。

じりじりと時間が過ぎて行く。
と、そのとき。

待ちに待った電話が鳴った。

「個別に顧問してくださるんですか?」と、ある社長が電話をかけてきた。

私、踊り出したいぐらいだった。
しかし冷静を振る舞って、こういったのである。

「いやぁ、いま、スケジュールが空いていないんです。ビデオがありますから、まずは、これをご覧になってください」

実は、スケジュールは、ガラガラに空きまくっているのだ。

私だって、「そうですか、ありがとうございます。それではご訪問いたしますので、いつがご都合よろしいですか?」といいたいのである。でも口から出そうな言葉を、ぐっとこらえていた。

どうして、こんな奇妙な行動をしたのか?

「ありがとうございます。いつでも伺います」といって、尻尾を振りながら、相手先を訪問すると、大抵、こんな展開になる。

「いゃ〜。いい話を聞きました。それでは、またご縁があるときに」

こんな痛い目に、私は、何回遭ってきただろうか?

ご存じないかもしれないが、弁護士と同様、コンサルタントというのは、時間を切り売りする商売である。だから、「いゃ〜、いい話を聞きました」と喜んでもらっただけでは、食べていけない。きちんと請求書を出せる仕事ができて、なんぼのもんなんである。

そこで私は、「無料で、人に会ってはいけない」「無料で、アドバイスをしてはいけない」という掟を作ったのである。

ところが、この掟を守ると、信じられないことが起こり出した。仕事が殺到し出したのである。仕事を断ると、仕事が舞い込む。

ちょっと常識的に信じがたいことかもしれないが、あなたもやってみると、その効果にすぐに気づくはずだ。

実際に、私のクライアントは、必ず一度は、断られた経験をもっている。別に断ることが目的ではないんだが、責任をもって指導する時間がとれそうもなかったので、お断りしたのである。しかし、その後、「ぜひ」とお願いされることが多いのだ。

クライアントとしては、一度断られると、感情的に、「どうしてもあの先生に相談に乗ってもらいたい」という気持ちが起こるらしい。

これを心理学で、「希少性のルール」という。要するに、手に入りにくいものは、欲しくなるという法則だ。

 

弱者は、不平等条約を結ばされる

「コンサルタントは立場が強いために、断ることができるのだろう」と思われるかもしれない。しかし、そんなことはない。

私は、以前、外資系家電メーカーに勤務していた。アメリカ製の巨大な冷蔵庫や、食器洗い機を販売していたのだ。本国では、松下電器並みにでかい会社である。しかし日本では全く無名の、弱小メーカー。当然、なかなか商談に乗ってもらえない。一つでも、余計に取引先を確保したいところである。

そんなとき、ある取引先から、関西にある有力量販店の常務取締役を紹介された。

その商談は、酷いもんだった。

その常務が、冒頭から、いかに私の売ろうとしている商品が日本では売れないのか、とうとうと話し出したのだ。

私は、聞き役に回った。一時間は過ぎただろうか?

もう十分、売れない理由は聞いた。相手は全く取引に興味がなさそうだ。そこで、商談ノートを閉じ、あからさまに帰る準備をした。

そのとき、相手の態度が急変した。

「俺ばっかり話したけど、あんたの話も聞こうじゃないの? 何しに来たの?」

そこで、私は説明した。

「関西地区の有力量販店のなかから、戦略パートナーを一社に限り、探しています。そこで、何社かと話を進めていますが、ご関心ありますか? なければないで結構ですから、そうおっしゃっていただきたいんですけど」

私は、いかにも、興味なさそうにいった。すると、信じがたい展開になった。

常務「興味ありますねぇ」
私「それは、どうしてですか?」

常務「今度本店が改装オープンするから、それの目玉に使えると思うんだよ」

その後、常務は、自分の会社と取引すると、いかにメリットがあるのか話し出した。そして三〇分後には、「次回来るときには、契約書に判を押す」という約束まで取り付けることができたのである。

明らかに、私がノートを閉じたときを境目にして、大きく商談の流れが変わった。つまり、立場が弱い商談の場合でも、断ることにより、商談の流れを優位にもってくることができるのである。営業マンの仕事は、相手に気に入られることではない。営業マンの仕事は、売ることなんである。それだけだ。

ところが、相手に気に入られることが、営業の鉄則のように思われている。

そこで正直ものは、お客に好かれようとするあまりに、へぇへぇとする。呼ばれたら、はいはいと尻尾を振って出かけていく。

それが、「お客は神様、私は奴隷」という関係を作ってしまうのである。これは逆効果である。なぜなら、そういう関係を作ってしまうと、「何でもやって当たり前」という甘えをお客に許してしまうからである。不平等条約を結ばされてしまうのである。

ビジネスパートナーとして、お互いが利益を取れる関係を作れるのかどうか、これを冷静に見極めることが重要だ。

不平等条約は、一度結んでしまうと、解消はなかなかできないからである。

 

正直者が失敗する理由 その❺

「チラシを配っても反応が悪い。きっとうちの会社は、有名じゃないからだ」

根強い迷信がある。

「うちの会社は有名じゃないから、チラシを配っても反応がない」

この会社は、実際に、チラシを配って何回も失敗したのだろう。

でも、安心してほしい。チラシというのは、大手企業がやっても、反応が悪いのである。チラシの反応をご存じだろうか?

あくまでも、ざっくりとした数字であるが、リフォームのチラシでいえば、良くて五〇〇〇〜七〇〇〇枚に一件程度の問い合わせ。注意してほしいのは、これは電話がかかってくるだけということである。ご用命いただくのとは別である。住宅の場合は、良くて一万〜一万五〇〇〇枚に一組が現場見学会に来場。学習塾でいえば、一万〜二万枚程度に、生徒一人が入塾という場合もある。

小売店の場合、もっと高い数字が出る。一〇〇枚に一〜五人来店することもある。しかし、この数字をもっと細かく見ると、結局、既存客を呼び戻しているだけである。既存客を来店させるのであれば、何もチラシを使わなくても、ダイレクトメールのほうが効率的。そこで、チラシで新規客がどのくらい集まっているかを突き詰めていくと、冷や汗をかく経営者が続出する。

このように業界によって、チラシの反応率は異なる。もちろん業界以外にも、いろいろな要因か複雑にからみあって変化する。ただ一ついえることは、チラシというのは、極めて効率が悪いということである。

だから有名企業ならば、チラシを撒くと、じゃんじゃん電話がかかってくるということはない。もし有名であることでチラシの反応が高くなるのであれば、有名企業はもっとチラシを活用しているはずである。ところが、有名企業のチラシは、あまり折り込まれていないのが現実である。

 

売り手の感情と、買い手の感情 その許しがたいズレ

「チラシを配っても反応がない」と嘆く会社は、よくこんな勘違いをしている。

①チラシ効率の平均値を知らないために、一〇〇〇枚撒いて、全然反応がないと諦めている。この枚数じゃ、全然電話が鳴らないのも当たり前。

②他社と同じようなチラシを、他社と同じように配っている場合。これじゃ、他社と同じような結果しか得られないのは、当たり前。

③チラシの作り方が、あまりにもお客の感情とズレているので、お客は電話をかけたいとも思わない。

①、②の勘違いは、現実の平均値を知れば、自分のところだけチラシの反応が悪いと考えていたのは、単なる被害妄想であることが分かるだろう。

問題は、③である。この勘違いを、九九%の会社がしている。だから最小限の反応しか得られない。

チラシの勉強会をやっていたときのことである。関東の住宅メーカーのチラシを大阪へ持って行った。そして、そのチラシの感想を、大阪の住宅メーカー数社に聞いてみた。

すると、大阪の会社が怒り出した。
「こういう詐欺的な商売をしちゃいけない」と。

その理由を聞いてみると、

「この仕様の住宅を、この価格でできるはずはない」というわけだ。

実際、関東の住宅メーカーは、別に詐欺でも何でもない。血のにじむような企業努力で、価格を安くしていたのだ。

私が面白いと思ったのは、大阪の住宅メーカーが、他社のチラシを見た観点である。どういう観点かというと、まず商品仕様を見る。そして価格とのバランスを考える。つまり商品品質と価格で、チラシの反応が決まると考えている。

これは大変、大きな勘違い。なぜならば、お客は、そういった観点からチラシを眺めていないから。

それじゃ、どういう観点で眺めているか?

要するに、商品品質以前の問題。お客はチラシをパッと見たコンマ数秒で、じっくり見るか見ないかを決定する。しかも、それを感情で判断している。

お客の頭のなかで、こんな質問をしている。

「私は、この会社に家を建ててもらいたいかどうか」

このように、「○○したいかどうか」という好き嫌いで、判断しているのである。このコンマ数秒の、好き嫌いテストをパスしないと、あなたのチラシは、ゴミ箱行きの束に直行する。

もちろん反論もある。典型的な反論は、こうである。

「チラシを好き嫌いで見ている客というのは、どちらかといえば、レベルの高い客なんですよ。現実問題、多くの客は、安けりゃ飛びつくんですよ」

そのとおりである。確かに、価格が安けりゃ、飛びつくケースもある。

しかし問題は、飛びつくのが確実かどうかである。

価格を安くしたらお客が飛びつくことが確実ならば、問題は簡単。単純に価格を安くすれば、いいこと。この本を読む必要はさらさらない。

ところが最近は、安値に飛びつかないケースが多くなっている。飛びついたとしても、質の悪い客が多い。質の悪い客は浮気をする。リピート客にまで育たない。長い付き合いができないから、収益率が低くなる。つまり忙しいのに、儲からない。

一方、大手からの価格競争は激しくなるばかり。その結果、さらに集客が悪くなる。

そして、「こんなに安くしても、一人もお客は来ないじゃないかぁ〜」と泥沼にはまる。「いつになったら、楽になるのか」と不安の毎日を過ごす。

まぁ、こんな人生は、あなたのライバルに送ってもらえばいい。

この本を手に取った賢明なあなたには、別の人生が待っている。

安値に頼らず、チラシの効率を上げるためには、どうすればいいのか?

ちょっと前に話したとおり、お客は、チラシを好き嫌いで判断している。好き嫌いというのは感情である。とすれば、お客の感情を動かせるかどうかがポイントになる。

 

お客の感情はメカニカルに動く

一見、感情を動かすことは、難しそうに聞こえる。しかしチラシを含めた広告への反応を数値で追っていくと、意外なことに、お客の感情というのは、メカニカルな動きをすることが分かる。メカニカルとはどういう意味かといえば、あるスイッチを押せば、お客は、機械のように予想された行動を取るということである。

それじゃ、そのスイッチとは何か?

一つの例として、人間関係を売るというテクニックがある。どうやるかといえば、商品を売る前に、自分を売る。さらには会社の姿勢やこだわりを売る。スマートさはない。逆に、人間くささを前面に出す。

この工夫だけで、チラシの反応が四〇倍になったケースもある。

ある治療院が、一万五〇〇〇枚のチラシを配った。内容は、「腰痛、肩こりにお悩みの方」との見出しに、ご予約の電話番号と治療院の場所と地図が書いてある。何の変哲もない、商品を前面に出したチラシである。すると集客は、一〜二人。

ところが、そのチラシに、人間くささを出す工夫をする。

院長が自らの顔写真を載せる。笑顔を見せる。スタッフの似顔絵を入れる。さらには、お客様の喜びの声を入れる。再度、一万五〇〇〇枚のチラシを配ったところ、四〇人のお客が集まった。

どうして、ここまで違いが出るのか?

一言でいえば、人間くさいチラシを通して、この治療院では思いやりや安心感が得られることを、お客に伝えることができたからである。

お客は、いろいろな疑問をもつ。「この先生は、腕はいいんだろうか?」「怖くないだろうか?」「痛くないだろうか?」

人間くさいチラシは、こうした疑問に、事前に答える。経験ありそうな先生。親切そうなスタッフ。そして多くの患者さんからの喜びの声。「ここだったら安心」という感情が、お客に湧いてくる。そこで電話という行動にシフトする。

これは業界が変わっても同じ。
商品以前に、安心や親近感を売らなければならない。

ところが、通常のチラシは、商品を売ることばかり考える。内容の九割は、商品メリット、価格の安さだ。

これが最大の間違いである。なぜかといえば、商品説明のタイミングが、お客の感情とマッチしていない。

お客は、欲しいという感情が生まれたときに、はじめて商品説明を求める、その順番を逆にしてはならない。お客は欲しくないときに商品説明をされると、売り込まれないように堅いバリアを張る。

そこで、悪徳業者が儲ける理由が分かる。商品を売る前に、人間関係を売るからである。悪徳業者は、商品の話はできない。なぜなら商品を説明すると、品質が悪いのがバレる。それでは誰も買ってくれない。そこで商品を売る代わりに、まずは自分を信用させることに注力する。「この人から買う商品だったら、大丈夫だ」と、まず自分を信用させるのである。

商品を売る以前に、自分を売る。

この原理原則は、営業マンだけでなく、チラシや広告でも全く同じ。チラシだろうと、営業マンだろうと、販売を目的とするかぎり、購買に向かうまでの、お客の感情は無視できない。お客の感情を無視して、自分よがりになると、営業マンでもチラシでも、反応率が急に低くなる。

うちの会社は有名じゃないから、チラシや広告に反応がないというのは、被害妄想である。反応が得られないのは、お客の感情にマッチした内容になっていないから。お客の思考にマッチしたときに、反応は飛躍的に上がるのである。

 

正直者は、こうすれば、ダントツになる

いままで悪徳業者が儲かり、正直者が失敗する理由について話してきた。

その理由を一言でいうと、悪徳業者は、商品が酷い。その分、売り方でカバーしなければならない。そこで販売方法の研究を徹底的に行ってきた。

それに対して、正直者は、なまじっかいい商品をもっていた。そのため商品力に甘え、販売方法の研究を怠ってきた。それが失敗の原因だったのである。

私は、なぜ悪徳業者に花をもたせ、正直者をこきおろすのか?

それは、正直者が、大変もったいないことをしているからである。

正直者は、いい商品をもっている。そこで販売方法を真剣に研究すれば、文句なしのダントツになれるはずなのである。

正直者がもつ、誠実さや信用力は、時間を経ないと築かれない。

それに対して、販売方法というのは、単なる技術論である。技術論というのは、短期的に学べる。その短期間に学べる技術がないばかりに、正直者は、本来、得るべき利益を得ていないのである。

残念なことに、販売の技術論は、いままでほとんど教えられてこなかった。

いや、教えられてきたのかもしれない。礼儀正しく接客したり、セールストークのロールプレーイングを行ったり。しかし、その教えられてきたことが、残念ながら、この成熟期では使えなくなってしまったのである。

なぜかといえば、お客が購買に向かう過程において、最も重要な概念が見事に欠落していたからである。

その概念とは、エモーションである。

お客の感情的な反応(エモーショナル・レスポンス)を起こすことが、営業活動にとって、極めて重要なのである。

そして、この方法をマスターすることによって、あなたが全く知らない世界が開けてくるのだ。

 

ここが成功へのポイント

◎商品のライフサイクルによって、反応率は大きく左右される。
◎お客が感じる価値が絶対的な価値を上回ったときに、購買が起こる。

◎できる営業マンはしゃべらない。
◎(お客は)手に入りにくいものは欲しくなる。
◎お客の感情的な反応を起こすことが極めて重要。

神田昌典『あなたの会社が90日で儲かる!―感情マーケティングでお客をつかむ』より抜粋 

【書籍紹介~目次】

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『あなたの会社が90日で儲かる!』

 

新書版刊行によせて
なぜ、あなたは、この本を手に取りましたか?
エモーショナル・マーケティングって何?

第1章 なぜ悪徳業者が儲かり、正直者は失敗するのか?
悪徳業者が栄える時代なのか?
「真面目」と「儲かる」の相関関係はない
「忙しい、でも儲からない」から、「暇だけど、儲かる」へ
正直者が失敗する理由その①
「一生懸命頑張れば、売れる。売れないのは、頑張りが足りないからだ」
「いつかはきっと…」は泥沼への第一歩
正直者が失敗する理由その②
「これだけ価格が安いのだから、絶対に売れるはずだ!」
石器時代の数字で儲ける業者たち
安売りは、バカにやらせておけ
お客が感じる価値を高める方法
正直者が失敗する理由その③
「お客のニーズをつかめば、売れる」
販売に関する根本的な誤解
できる営業マンは、しゃべらない
正直者が失敗する理由その④
「お客さんに気に入られれば、そのうち買ってもらえる」
弱者は、不平等条約を結ばされる
正直者が失敗する理由その⑤
「チラシを配っても反応が悪い。きっとうちの会社は、有名じゃないからだ」
売り手の感情と、買い手の感情 その許しがたいズレ
お客の感情はメカニカルに動く
正直者は、こうすれば、ダントツになる

第2章 元エリートの告白 〜エリートは、こうしてあなたを罠にかける〜
エリートが、叩き上げ経営者をダメにする
一流コンサルタントの実力はお粗末
いいコンサルタント、悪いコンサルタント その簡単な見分け方
ビジネススクールは役に立たない MBAの真実と嘘
ビジネスとは、ここまで単純な話だった
能なしの広告代理店 あなたは、このようにカモにされている
なぜ「儲からない広告」があふれるのか?
広告のプロは、商品を売るプロではない
私自身が、失敗の連続だった

第3章 エモーショナル・マーケティングの魔法
奇跡は、こうして起った
広告宣伝の反応を飛躍させるカギとは?
この奇跡は、偶然か、それとも必然の結果なのか?
反応を上げるだけじゃ、意味はない
魔法を起こす三つのポイント
業種、そして時間を超えて応用できるのは、なぜか?
ワン・トゥ・ワン・マーケティングを超える?
インターネットが陥る、落とし穴とは?

第4章 お客が自動的に生み出されるシステム
お客を、あなたに引き寄せる設計図とは?
お客を導くための、設計図の三大ポイント
「そのうち客」が、あなたに与える三つのメリット
一本釣りか、それとも投網をして魚を取るのか?
こうすれば、お客を「いますぐ客」に育てることができる
「いますぐ客」だけを追う会社と、「そのうち客」を育てる会社の三年後は?
こうすれば、「そのうち客」が集まる
どうすれば、お客に信頼されるアドバイザーになれるのか?
お客に手を挙げてもらった後は、どうすればいいのか?
エモーショナル・マーケティングの進め方 戦略立案から実行まで
感情を軸として、戦略を立てる
日常業務をやりながら、営業ができる仕組み作り
お客を自動的に生み出す、究極の営業システム

第5章 あなたの会社を高収益企業に変える九〇日
あなたとの対話〜いますぐできること〜
なぜ、あなたの業界にも、当てはまるのか?
◎事例研究1―法人営業で、新規販売店を開拓する場合
ご用聞き営業から、どうすれば抜け出すことができるのか?
新規開拓の突破口となった、ダイレクトメール
魔法が起きる三つのポイント
営業システムを改善すると、営業マンが活性化する
◎事例研究2―高額商品販売で、新規顧客を開拓する場合
営業マンとの距離を一気に縮めるチラシ
商品戦略の重要性
他社が手を出せないお客を、成約する仕組み
◎事例研究3―低価格商品の販売で、新規顧客を開拓する場合
通信販売が不可能と思われる商材で、通信販売を立ち上げる
サンプル請求は多い。しかし売れない挫折感
商品の売れる切り口を発見するツール ニーズ・ウォンツ分析法
味噌・醤油の売り上げを一〇倍にした、商品の切り口とは?
売れる仕組みを持つ会社と、行き当たりばったりの会社
◎事例研究4―法人向けサービス業が、セミナーや勉強会へ集客する場合
自分で集客できなけりゃ、話にならない
非常識が、非常識な結果を出す
反応を誘発する二つのキーワード
なぜ、あなたは、この本を買ってしまったのか?

あとがき

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