気づかいは電話のメモからでもできる。美崎栄一郎が語る職場における6つのコミュニケーション術

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ある会社に同期入社のサラリーマン2人がいました。
入社時は能力もほとんど同じでした。
成果としてもほとんど変わりませんでした。

しかし、数年後、この2人に決定的な差が現れました。

ひとり(Aさんとします)は出世が決まりました。
ですがもうひとり(Bさんとします)には出世の話はありませんでした。

この差は一体なぜ生じたのでしょうか?

 

Aさんは同僚にも好かれ、上司からの評価も高かったのですが、Bさんはいわゆる「普通」。
上司からの評価は可もなく不可もない、印象にあまり残らない状態でした。

その差は、職場でのコミュニケーションにあったのです。
職場でのコミュニケーションは必須のスキルであり、パソコンなど専門の技術と同じくらい重要なスキルです。
この差があなたの職場における立場の明暗を分けることにつながるのです。

では職場でのコミュニケーションを上手にするための「重要な鍵」はなんでしょうか?

 

そのキーワードは「気づかい」です。

たとえば、デスクでの作業中に会社の電話が鳴った場面。
あなたはもしかしたら、電話を取ることを面倒に思うかもしれません。
でも、そこであなたが電話を取り、メモを確実に取ることを実践していけば…。
電話のメモひとつで職場でのコミュニケーションがグッと変わるのです。
それもひとつの「気づかい」だからなのです。

職場も人の集まり。
人が集まる社会だからこそ、「気づかい」が何より大事になってくるのです!
しかも、実はその「気づかい」にスキルがあるのをご存知でしたか?

これからその「気づかい」のスキルについて語るのは、かつてスーパーサラリーマンとして働いていた美崎栄一郎氏。
彼は大手日用品メーカーにて実際に職場でのコミュニケーションやケガで入院した時に体験したことを元に述べております。
特に電話におけるメモやおみやげなど「使える」シーンが満載です。

あなたと同じような体験をしたからこそ、お悩みを解決できるヒントがここにあります。

ぜひ、読んでみましょう!

はじめに 

Chapter1 社内の同僚への気づかい 
おみやげは「手渡し」する
苦手な人は「ホーム」へ行く 
相手の時間を奪わない 
電話のメモに手を抜かない 
年賀状は1行だけ書き添える 
「慶事」と「弔事」を引き受ける 

あなたは「スキル」さえあれば、仕事がもっとうまくいくのに……と思っていませんか

 

はじめに

この本は、ビジネスの現場である、会社や職場で使える「気づかい」の本を目指しました。
 
私の場合、「ビジネスの場で本当に大事なスキルは『気づかい』だ」ということに気が付くまで、恥ずかしながら、かなり時間がかかりました。
 
そして、大事な「気づかい」をしているつもりだし、相手に伝わっているつもりではいたけれど、実は伝わっていないんだということに、驚きました。

やっているつもりになってはいるけど、なかなか、相手に伝わっていないことが多い。
それが、「気づかい」なのです。
 
上司や同僚のほとんども、あなたが気づかいをしてくれていると思っていない方が多く、それでいて「ノウハウ」としては、誰も教えてくれないのが、「気づかい」の方法です。

この本を書くにあたって、頭を整理していて分かったことは「気づかい」は、されていないときに初めて気付くのだということです。

「『気づかい』が足らないなぁ、この人は……」というように。

しかし、コツさえ分かってしまえば、相手が気付かないように、「気づかい」することができるようになります。

世の中には、サービス業の接客における良い「気づかい」の事例の本は、よくあります。

ディズニーランドや有名百貨店、高級ホテルにおける素晴らしい気づかいの例が紹介されています。こういう会社では、気づかいが会社の競争力であり、また、同業他社ではできていないことなので、差が分かりやすいのです。

これらサービス業のノウハウをうまく発想転換できれば、自分の仕事にも活かせるのかもしれませんが、ちょっと考えることが必要になります。

そこで、もっとストレートに、あなたの会社や仕事における「気づかい」、つまり上司や同僚、取引先などへの「気づかい」のコツをお伝えしようというのが、この本です。

実際の仕事で使えるように、仕事のシーンごとに「気づかい」のコツを紹介しています。
 

第1章では、まずは自分の周りということで、社内の同僚への気づかいのコツについてご紹介しています。

電話番をするとき、出張後におみやげを買うとき、苦手な人に仕事を頼むとき……どのようにしたらうまくいくんだろうという疑問に対して、私が自ら編み出したり、うまくやっている人の技を盗んだりして、実際に効果のあった方法をご紹介します。

ちょうど本の表紙に、おみやげを渡すシーンが出ていますが、おみやげを渡すときに私が間違えていたことは、人のいないときに机の上にポンポンと置いておくことでした。

おみやげはコミュニケーションの一つですから、表紙の写真のように選んでもらえば雑談ができますし、出張時のことを同僚に語るきっかけができるわけです。

ですが、置かれたままのお菓子は、何も語りません。義務的に買ってきた「モノ」にすぎないわけです。
 
第2章では、上司への気づかい。報告するとき、指示を仰ぐとき、ポイントだけ押さえれば、人間関係がかなりうまくいきます。

第3章では、打ち合わせのときの気づかいです。座る場所だったり、名前の呼び方だったり、知っていれば役に立つ、気づかいのアイデアをお伝えしています。

第4章、第5章では、得意先やプロジェクトチームにおける気づかいです。外部の人と仕事をするうえで、気づかいがうまくできるとそれが潤滑油になって、信頼が築けますから、ぜひ、意識してみてください。

また、最近は仕事でデジタルツールもよく使われますが、これもコミュニケーションの一つです。気づかいができていると相手は心地良いのですが、逆に言うと、もし実践できていなければ、相手はストレスを感じているはずなのです。このあたりのお話を第6章でお伝えしました。

最後に、業務なのか、非業務なのかが微妙な、飲み会の幹事における気づかいについてご紹介しています。

この本に書かれていることをヒントにして、周囲を見渡してみると、できる先輩や同僚は自然と実践していると思います。

そうです。「気づかい」は、知らないと気が付かないほど、される側にとっては「自然」で「快適」だからです。
 
ぜひ、気づかいの極意を自らのモノにするために、本書をご活用ください。

 

Chapter1 社内の同僚への気づかい

1 おみやげは「手渡し」する

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仕事で出張に行くと買って帰るべきか迷うのが、おみやげです。職場に慣れていない時期は、周りの人と溶け込むための「ネタ」として買っておくのがよいでしょう。そのときのコツは、机の上に置くのではなく、手渡しするのがベストです。

周りの人に「大阪の取引先の井寄商店に行ってきたので、おみやげにたこ焼き煎餅を買ってきました」のように言いながら渡すと、他の大阪の取引先の話や大阪全般の話、もちろん井寄商店との過去の取引の事例などを聞けるかもしれません。

まだ周りと馴染んでいないときの職場の同僚への「気づかい」は、コミュニケーションのきっかけを提供することです。

おみやげがあると、会話が発展しなくても平気ですし、普段は話すことがなかった同僚や上司にも声をかけるきっかけを作れるのです。

おみやげを渡すのは、コミュニケーションが目的ですから、机の上に置いておくようなことはしてはいけません。だから、個包装されているモノでなくても大丈夫です。

会話がしづらい相手がいる場合は、おみやげを2種類以上用意しておくと良いのです。たとえば、沖縄に行って「ちんすこう」をおみやげで買って帰るとしたら、「宮古島の塩」「石垣の塩」「パイナップル味」のように数種類を用意しておくと、「どれにしようかな」などと話のきっかけを作ることができます。

わざと小さめのおみやげを複数買って職場の人数に合わせるのです。
 
足りない場合があるとまずいので、3個くらい多めにあるのがベストですが、その際は個包装できるモノを自分用に買っておくことを、私はやっていました。数を調整するための「予備」にしていたのです。「自分で自分をほめたい」は、有名なオリンピック選手のセリフですが、「調整用のために自分で自分におみやげあげたい」なのです。

自分用には、失敗するかもという冒険的なおみやげも買うことができます。大手のメーカーが作っているようなご当地ポテトチップスやキャンディーなどは、ハズレがないですが、ダジャレ系のお菓子は外す可能性もありますよね。

変わったおみやげはコミュニケーションを弾ませますが、あまりに美味しくないと顰蹙です。「相手が喜ぶ、美味しいモノを渡す」という「気づかい」の原則から、外れてしまわないように自分でテストするのです。

もちろん、食にうるさくない、「ネタモノ」を好むような人もいると思いますから、その人には、予備分から配給してみてもよいでしょう。

おみやげもプレゼントの一種だと考えると、同僚に全部同じでなくても変化をつけてもよいはずですよね。

 

相手が喜ぶツボをリサーチする 

こうやって手渡ししていくと、嗜好性が分かります。甘いモノが苦手な人もいるし、チョコレートが大好物の人もいるはずです。コミュニケーションをとった後に、簡単にメモをしておくと記憶のフックになります。やり方は、席次を書いて、渡した人をチェックするときに、追記でコメントを入れておくだけです。「チョコ好き」「新しいモノ好き」のように。

このメモを活用した「気づかい」として、次のおみやげに活かせばよりコミュニケーションがもっと円滑になります。チョコ好きの人が多そうならば、チョコ系のおみやげを買ってきて、「チョコレート好きって言ってましたよね?」とおみやげを渡すときに声をかけると、盛り上がることは確実です。

このように一度おみやげを配って、その反応から次のおみやげを選ぶ基準にしていましたが、別の方法もあります。 

同僚がおみやげを買ってきたときに、どんなモノを買ってきたのかチェックしておくのです。人は自分の好きなものでないモノを、おみやげに選ぶことはほとんどないでしょう。

先日、アキレス腱を断裂しちゃいまして、入院する羽目になりましたが、皆様が持ってきてくれたおみやげが実にそれぞれの人の価値観を表していました。

アートディレクターのウジトモコさんは、自由が丘の「黒船」というお店の美味しいどら焼きを買ってきてくれました。名古屋のベストセラー作家、理央周さんは、名古屋から来たことが分かる「ご当地プリッツ」などの名古屋の面白いお菓子を買ってきてくださいました。ウジトモコさんは、味やブランドとして信頼のあるものを選んでいますが、理央周さんはネタとしての面白さを選んでいるわけです。おみやげには価値観が出るのです。

話を職場に戻すと、周りの人が買ってきてくれるおみやげを見ていると、なんとなく傾向が分かるわけです。そういう意識で注意して周りを見ていれば喜ばれるおみやげを買うヒントが隠れているのです。

どうせ買って渡すおみやげならば、相手に喜ばれるように「気づかい」したいものですよね。

 

2 苦手な人は「ホーム」へ行く

同僚に仕事を頼むときは、会社の仕事とはいえ、仕事を命令する立場でない身としては、けっこう気をつかいますよね。

相手も仕事だから仕方がないとはいえ、頼まれて、素直に「OK」と言いたくないときもあるでしょう。

結局のところ、会社のためにお互いに協力しなければいけないわけですが、どうせやってもらうならば、気持ちよくやってもらいたいですよね。

さて、そんなときの工夫です。

仕事を頼むということは、相手が頼む分野に関するエキスパートであることが多いわけです。つまり、私ではその仕事をするのに不十分で、エキスパートがやった方が効率もクオリティもよくなるのです。

たとえば、サラリーマン時代に仕事をお願いする際に、気を付けていたことは、相手のホームグラウンドで仕事を頼むようにするということでした。

もちろん、メールでお願いもできるわけですが、直接会って口頭で、相手の顔色をうかがいつつ、仕事のお願いをするのです。そうして、細かな内容などは後で、メールで送るようにしていたのです。

今の時代、メールのみで頼むことが当たり前になりつつありますが、そうすると実際には相手の反応を見て仕事をお願いすることができません。
 
相手のホームグラウンドでお願いするということは、取引先に伺うことにも繋がります。私が本を書いたり、雑誌の取材の受けるような立場になっても、それは仕事をいただいたり、相手にも原稿のチェックを含めた仕事をお願いしたりすることになるわけですから、できる限り相手の「ホーム」である会社まで伺うようにしています。

苦手な人に仕事を頼むときでも、同じです。

メールより、顔を見て頼んだ方が実際には相手も引き受けやすいのですが、自分としては面倒ですよね。わざわざ、移動しなければならないわけですから。しかしながら、相手は私がする「移動」以上に面倒な仕事をすることになるかもしれないわけです。そう考えると、足も軽くなりませんか。

派遣社員の方に仕事をお願いする場合も、同じように「ホーム」に行くようにしていました。昼休みに派遣社員の方同士で集まって食事や談笑をしているスペースに行って、用件だけ10秒くらいで伝えておくと、休憩が終わった後の仕事に対する準備ができます。しかもそこは、女性ばかりが集まっている「ホーム」ですから、自然と私の方が恐縮した感じになります。

出張に行った後のおみやげは、そういうときに持参して派遣社員の仲間で食べてもらうわけです。

昔、学生時代のアルバイト先の先輩が私たちバイト仲間に缶コーヒーをおごってくれたのですが、これをもらえるだけですごく元気いっぱいに働けるなぁと気付いたのが、この気づかいを始めるきっかけです。それ以降、私が先輩の立場になった後も、後輩には缶コーヒーをおごっていました。100円程度なのですが、気持ちの問題なのです。

イラストの入ったクリアファイルを、仕事の書類とともにプレゼントするのも、「缶コーヒーの気づかい」の応用です。

クリアファイルは、ワンピースのものやかわいいイラスト、キレイな風景など一枚100〜200円で売っていますが、書類がそこに入っているだけで、仕事が楽しくなりますよね。どうせ働くならば、少しでも相手のために工夫する方が楽しいのです。

私はポールスミスの服が好きで、よく着てますが、ノーブランドの服でも生地の原料は一緒ですよね。でも、外観が違うだけで、気持ちがのるでしょう。

というわけで、相手の気持ちが少しでものるように意識して、仕事のパーツを見直してみると、ずいぶん、ヒントが落ちていることに気付くと思います。

 

3 相手の時間を奪わない

職場の同僚の中に、ちょっとした気づかいができる人がいると救われます。

この項では、自分自身が体験した、周りから受けた「気づかい」を紹介します。
 
残業をしなければならず、テンパって仕事していることがよくありました。そんなときに限って、夜食を食べに行く暇がなかったり、手持ちの食料もなかったりするのですがこういうときに同僚が1人、2人……と帰っていくわけです。

自分だけ取り残されて、少しうらめしい気持ちもしますが、もちろん同僚に仕事を手伝ってもらうわけにはいきません。

そんなある日、同僚から、帰り際に、お菓子やパンをもらうことがあったのですが、これが感激でした。

「手伝えないけど……まぁ、コレ食べてがんばってよ! じゃあ、お先!」

そうなんです。ちょっとしたことなのですが、普段お菓子をもらうより、必要なときにちょっとした気づかいで、いただき物をした方が、「力」をもらうことができたわけです。

それ以降は、私も少し多めに、差し入れモノを常備しておくことを忘れないようにしたわけですが、実は同僚からの帰り際の差し入れが最初だったのです。

さらに気づかいのできる人であれば、私の好きなもので差し入れしてくれたりします。

先日、私が入院したときに、昔の職場の人がお見舞いに来てくれたのですが、持ってきてくださるおみやげが私の好きなプリンだったり、行列店のパンだったりと好きなモノを覚えていてくれたのには感動しました。

プレッシャーにならないように、
「ほかの用事でその近くに行くので寄りますよ」

との気づかいのご連絡をいただいていましたが、こう言われていると、お見舞いだけのために来ているわけではない感じで、こちらも気楽に対応することができました。実際には、好きなプリンやパンを準備しているわけですから、ちゃんと予定として考えてくれているわけです。

お見舞いですから、相手の負担にならないような気づかいが必要なわけですが、自分が入院してみると、負担にならないようにお見舞いするには、相手の立場に立って考えて行動することが必要なんだなぁと感じました。

ちょっとだけ会話を交わして、長居もせず帰っていく姿はスマートでしたが、よく考えると、残業している私へお菓子をくれた同僚も話している時間は1分にも満たないにもかかわらず、十分に「気づかい」してくれていたわけです。大切なことは時間の長さではなく、大事なポイントでいかに気を利かせられるかだと実感しました。
 
「気づかい」というと、長い時間、気を使い続ける「接待」のようなモノをイメージしがちですが、同僚たちのように「相手の時間を奪わない」ことこそ、本物の気づかいなのです。

たしかに、一言だけ声をかけて帰るだけであれば、必死に残業をしなければならない私の「時間」も奪いません。入院中のお見舞いもそうです。長時間、会話をすると疲れます。入院している人にしてみれば、暇つぶしの相手がほしいわけではなく「入院しても忘れていませんよ」という気持ちだけがほしいわけですから、長時間、居座る必要もないのです。

そう考えると、お見舞いだけを送ってくれた人もいますが、負担感はなく、気づかいが嬉しかったことを入院して実感しました。

私自身まだまだ気づかいが足りませんからね。毎日が修行、修行です。

 

4 電話のメモに手を抜かない

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私は会社では電話番をすることが多かったので、電話番における気づかいについて、話題にしたいと思います。

実のところ、気づかいのために電話番をしていたわけではなく、「情報収集」のためにやっていました。

というのも、私は異動が多かったので、新しい職場へ移ると、その職場の仕事の進め方や、内容についての要領がつかめません。そんなときに、電話番をすることで、職場の情報を収集することができるのです。

仕事に集中しているときに、職場にかかってきた電話を取るのは、仕事を中断させられるので、あまり気乗りしないと思いますが、自分のためにもなると思うと、喜んでやることができます。
 

机に座って仕事をしていても、集中力が途切れてくるときがありますよね。そういうときには、「30分だけ」と時間を決めて、中断してもよい作業的な仕事をしながら、誰よりも早く電話を取るという「ゲーム」にトライしていました。こうして、かなり電話番をやってきたので、ノウハウが生まれたわけです。
 
電話番をすると、職場の今行われている仕事の情報を収集することができます。

隣の人の仕事といえども、「何やってるんですか?」と聞き出すことはなかなか難しいわけですが、電話番をすると、どんな取引先とどんな要件の仕事をやっているのか、短時間で知ることができます。

電話の相手は、伝言を残すときに、要点をまとめて話してくれるわけです。電話番は部署の情報収集には効率的なのです。しかも皆に喜ばれて、合法的に、何の極秘文書もあさることなく……ね。

さて、気づかいというより、自分のための職場情報収集のコツになってきていますので、気づかいに焦点を移しますね。
 

電話番で忘れがちだけど大切な二つのこと 

まず、電話番の気づかいとして、メモする項目があります。当然ですが、相手が必要な情報をメモしておくのが、電話番の気づかいです。

忘れがちになる重要な二つの情報があります。一つは伝言メモを書いたあなた自身の名前で、もう一つは電話を受けた時間です。

伝言だけを伝えるだけで用件は足りるはずですが、「雰囲気」まではメモしないですよね、伝言には。

でも、声の雰囲気で急いでいたのか、とりあえずの挨拶程度だったのかなど、伝言を聞いた本人であれば分かることがあります。電話を取ったあなたの名前が書いてあれば、雰囲気的な情報まで知りたいときに、あなたに直接尋ねることができます。意識して書くことを心がけてください。

私の場合は忘れがちだったので、自分のシャチハタ印鑑を押した伝言用の付箋メモを作って、名前の記入を忘れないように工夫していました。

もう一つ、伝言メモに必要な情報は「時間」です。3時間前にかかってきたのか、3分前にかかってきたのかによって、電話の返事は変わりますよね。

「たいへん遅くなりました。会議があったもので失礼しました」
「ちょっと席を外しておりまして、タイミング外してすみません」

なのかは、電話の時間が書いてあれば、言葉を選べるはずです。

電話はリアルタイムなコミュニケーションなので、時間の情報は重要なんですね。でも意識していないと書き漏らすので、こちらも忘れないようにしてください。

金田さんから新製品発表のお知らせ  4月14日 3時ジャスト 美崎 受
 
のように、日時と時間をざっと書いて、名前を書いておくのです。伝言メモを受け取った相手が後から何が必要かを考えて記録しておくのがメモの気づかいです。

電話番のメモは、基本的にポスト・イット(3M社製)に書いていました。相手の席に貼り付けることができますので、席があまりに汚い人への伝言でも、パソコンのディスプレイに貼ることができます。ディスプレイの液晶面は、さすがに空いていますので、ここであれば、スペースが確保されるのです。

最近であれば、SHOT NOTEの付箋タイプ(キングジム社製)もオススメです。これは付箋の内容をスマートフォンで撮影すると、綺麗にメモの中だけを抜き出してくれますし、写真で見えやすいように文字の濃さや写真のコントラストも自由に変えることができます。

そして、撮影したメモ写真はデジタルデータなので、出張中の同僚にも簡単に送信することができます。メモのまま、画像を送ればいいので、伝言内容をもう一度テキスト化して送るという余計な手間をかける必要がないのです。

出張先の人への連絡は、メールでの伝言がいいわけですが、入力する手間を省く意味でも、SHOT NOTEの付箋タイプとの連携は便利ですよ。

 

5 年賀状は1行だけ書き添える

年賀状って、「出す、出さない」の判断に意外と悩むものです。悩むのは、相手のことを気にしているからだと思います。
 
私自身、年賀状を出すか、出さないかについて会社に入ってから悩みましたが、私がかつて勤めていた花王では形式上、廃止でした。というわけで、上司や同僚、同期には最初のうちは出していませんでした。しかし、これは失敗でした。

いまは、年賀状が送られてきた人には出すようにしています。出すか出さないかは周りの状況を観察すればよいと思いますが、十数年やってきて感じることは、年賀状は出した方がよいということです。

一度出し始めたら、基本的にずっと出すのが正解です。

来なくなっても出しておけばよいのです。私自身、転勤が多かったので引っ越しを繰り返して相当数は減りましたが、相手から来なくなってもやめない方がよいでしょう。

プリンターやパソコンなどのIT機器を使えば、リストさえ作ってしまえば、後はプリンター任せです。宛名も裏面も印刷したものでかまいません。手書きの必要はないのです。ただし、印刷面は、近況などを入れるようにしなければ、送る意味がありません。

私の場合は、昨年の出来事などの近況を書いた文や写真で簡単に読めるものにしています。

受け取った人のことを考えれば分かると思います。「賀正」「謹賀新年」とか書かれていても、嬉しいでしょうか。お年玉くじでも当たれば別ですが(笑)。

また、こちらが元旦に届くように送ったとしても「賀正」とだけ書かれた年賀状に返事は書きづらいですが、近況が書かれてあれば相手もネタがあるので返事を書きやすいわけです。

年賀状の気づかいは、相手に話題を提供することです。手書きで書くことが気づかいではないのです。

もし、手書きを入れたいのであれば、一行だけ手書き欄を空けておくようにレイアウトすればよいでしょう。一筆箋ならぬ、一行箋です。

これであれば、一行だけ手書きでコメントを入れることができます。
 
「退院後の体の調子はどうですか?」
「そろそろ、お子さんも小学生ですか?」
「新しい職場の仕事は順調ですか?」

のように一行だけパーソナルなことを書き足しておけば、お手紙らしくなります。
 
相手との距離を縮めるためには、「ひらがな」と漢字の割合を変えるとよいです。本を書く仕事をして知ったのですが、このことを「ひらく」と言います。

「分かる」を「わかる」と書くように、漢字ではなくひらがなで表記することを「ひらく」というのですが、ひらがなを間に入れると、親しみが出るんですね。

ちょっと脱線しますと、歴史的にはもともと、女性へのお手紙のときに「ひらがな」を使ったのです。たとえば、秀吉と正室の寧々の喧嘩に対して、信長が仲裁の手紙を寧々宛に送ったときには「ひらがな」で書かれています。署名も「のぶなが」でした。一方、信長から秀吉に宛てた手紙は、漢字です。

歴史的に、親しみを込めるときには、「ひらがな」を使うという文化と歴史が実はあったんです。

というわけで、この本へのファンレターは、本の奥付に書いているフォレスト出版へお送りくださいませ。お手紙でいただいたファンレターには、目を通して必ずお返事しますので、どしどしご応募くださいませ(笑)。

 

6 「慶事」と「弔事」を引き受ける

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会社に入ってから、「私も自立した大人になったんだなぁ」と思ったのは、慶弔を自分でやるようになったことです。

「慶弔」とまとめて一言で言いますが、対応は全く違います。

慶事の場合は出産や結婚のお祝いですから、喜んでもらえるように「気づかい」することがよいですが、弔事の場合は葬儀などのお悔やみごとですから、相手の負担にならないような気づかいが必要なのです。

慶弔のときは、相手を気づかう気持ちが自然と出ると思うのですが、出費も伴うので、相手に伝わるように、うまく行いたいものですよね。とくに会社では細かいことを教えてくれるわけではないので、先輩たちの観察から私が培ったノウハウをご紹介しますね。

まず、お祝いの方ですが、同期や同僚が結婚するような場合は、個人的にではなく、同期や職場の全員の出資を募ってお祝いの品をあげるのが一般的だと思います。

もし相手を祝う気持ちと時間的な余裕があるならば、お祝い幹事をやるのがオススメです。みんなに感謝されるでしょう。

お祝い幹事をするメリットは、ネットワークの中心になれることが一つ。

もう一つは、それほど自分の小遣いがなくても、みんなのお金を集めますから、ちょっとした労力の提供だけで、良いプレゼントが贈れるということです。

実際にはそんなに面倒なことはありません。

ざっくり、出資してくれそうな頭数をリストにします。職場や同期の名簿の数を数えて、1人500円から1000円くらいを集めれば、20人だと1万〜2万円になりますね。

この予算を告げて相手に必要なものを聞くのです。お互いに大人ですから、サプライズは要らないでしょう。

結婚や出産などはいろいろと物入りですから、必要なものがあると思いますので、この予算内で買えるものを本人たちに考えてもらうのです。

さすがに購入はあなた自身がお店に行くわけですが、「出資者」への報告用に、お店で箱に入れる前の写真を撮っておくと報告が楽です。

もしお祝いする相手と仲良しならば一緒に行って購入するのもありでしょう。その場合だと、本人入りの写真が撮れますよね。

メールで、
「皆様、この写真の炊飯器を新居用にお祝いとしてプレゼントしました!」

と書いて写真を貼付すれば雰囲気は分かります。箱に入れる前に、お店で撮ることを忘れないようにしてくださいね。現物の写真が一番説明が簡単ですからね。

次に弔事ですが、これは相手との関係や地域性にもよりますので、周りに聞いて、自分ができることをやれば大丈夫です。

私も新人のころは、葬儀の道案内のお手伝いをしたこともありますが、葬祭場によって変わるでしょうし、こればかりは指示を仰ぐしかありません。

葬儀などに出席しないで、香典だけをお渡しすることもあると思いますが、私の部署でやっていたのは、部署や仕事で関係していた人に連絡して、みんなの分を合わせて、香典とすることでした。この場合には、「○○部一同」のように記載するわけですが、相手のことを考えると、お金を集めた人のリストだけは、別紙でお渡ししてあげるようにするのが、相手への気づかいです。

必要あるかどうかは、諸説ありますが、香典返しという習慣もあります。そのときに返すリストがあると便利ですよね。念のために準備しておき、相手から求められたらお渡しするのが「気づかい」というものでしょう。

作法的なところは、この本ではなく、適切な情報源を当たってみてくださいね。

ともかく、慶弔のときには相手が必要なものを用意するという基本的な「気づかい」を意識して、対応すれば間違いはないでしょう。

美崎 栄一郎著『がんばる人ほど見落としている「気づかい」の極意』より抜粋

 

【書籍紹介~目次】

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『がんばる人ほど見落としている「気づかい」の極意』

 

はじめに 

Chapter1  社内の同僚への気づかい 
1 おみやげは「手渡し」する 
2 苦手な人は「ホーム」へ行く 
3 相手の時間を奪わない 
4 電話のメモに手を抜かない 
5 年賀状は1行だけ書き添える 
6 「慶事」と「弔事」を引き受ける 

Chapter2 上司に対する気づかい
1 報告書は出すタイミングで内容を変える 
2 上司が席についたときに報告する 
3 「やってみた」を報告する 
4 メモ帳で聴く姿勢を見せる 
5 「過去の栄光」を聴き出す 
6 昔の上司と仲良くする 

Chapter3 打ち合わせの時の気づかい 
1 名刺は机の上に並べない 
2 議事録はすぐ送る 
3 ホワイトボードを駆使する 
4 ネゴは「私」を主語にする 
5 あえて腕時計を見る 
6 始まらない会議の時間を活用する 

Chapter4 得意先への気づかい
1 相手に必要な情報だけ残す 
2 雑談ネタは取引先の近くで探す 
3 取引先の社内での評価を上げる 
4 見積書の押印欄に注目する 
5 プレゼンで「ホーム」の空気を作る 
6 感動のラストシーンのための仕事をする 

Chapter5 チームの中の気づかい
1 自信のない人のチカラを引き出す 
2 会議を活性化させる 
3 膝をついてお願い事をする 
4 2人の打ち合わせでは角に座る 
5 ちょっとしたことで声をかける 
6 「戦略的グリコ」で定時に帰る 

Chapter6 デジタルツールの気づかい
1 アドレスはPCとケータイに分けて登録する 
2 メールは相手のワンアクションを減らす 
3 アポイントは3択で素早く決める 
4 手紙とメールを同期する 
5 最後にプライベートな内容を添える 
6 新しいサービスについて考え抜く 

Chapter7 「幹事」における気づかい
1 「鉄板」の会場を探す 
2 飲み会の価値を上げる 
3 初対面同士でも盛り上げる  
4 「責任者を出せ」作戦に出る
5 二次会への流れを想定しておく 
6 飲み屋で観察力を磨く  

おわりに 

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