ビジネススキルUPに。小林弘茂が伝授する、資料や話し方より大切なたった1つのプレゼンテクニック

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ビジネスの世界でプレゼンは必要なスキルの1つと言われています。

しかし・・・

・せっかく時間をかけて資料を作成したのに分かりにくいと言われる
・一生懸命噛み砕いて話しているのに、もっと分かりやすい話し方をするように言われる
・万全の準備をしてプレゼンに挑んでも成果につなげられない

など、プレゼンのスキルのなさに多くの人が悩んでいます。
あなたはいかがでしょうか?

さらに、
「研究して分かりやすい資料を作成できるようになった」
「セミナーなどに参加して分かりやすい話し方を身につけた」

それなのに・・・やはりプレゼンの成果が出ない!

分かりやすい資料と話し方をして成果が出せないなら、一体どうやってプレゼンのスキルを上達させたらよいか分からないですよね。
このままいくとあなたの評価が低くなってしまいかねません。
せっかくビジネスの世界で頑張っているのに、プレゼンのスキルが弱いというだけでこの先低い評価しか得られないなんて嫌ですよね?

その「相手を理解・納得・共感させる」スキルとはどういったものでしょうか?人間は社会で生きていくうえで、法則的・統一的などの「理論」で生きています。
それと同時に、欲求・本音などの「感情」にも基づいても生きています。
つまり、人間は「理論」と「感情」の両方に基づいて、思考や行動を行っているというわけです。

ではあなたは、その「理論」と「感情」はどこで発生すると思いますか?

答えは・・・脳です。

それでは、その脳はどこから情報を得て、理論を考えたり感情を沸かせたりするのでしょうか?

答えは・・・見た・聞いた・味・におい・触れたなど感覚の情報からです。

言い換えると、視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚、すなわち「5感」から情報を得て、脳に「理論」と「感情」が発生し、思考や行動を行っているのです。
これは、ビジネスの世界でも全く同じです。

したがってプレゼンにおいても、相手は「5感」からの情報に基づいて「理論」と「感情」の両面で評価や判断をしているというわけです。

すなわち「相手を理解・納得・共感させる」スキルとは「相手の『5感』を揺さぶるプレゼン」といえます。
この「相手の『5感』を揺さぶるプレゼン」を多くのビジネスマンに伝えたいと、ユニークな解説方法で1冊にまとめているのが、経営コンサルタントの小林弘茂氏です。

小林氏も最初は、どうしたらプレゼンが上達するのか分からず悩みました。まずは上手なプレゼンをする人を真似てみましたがうまくいきません。

「俺にはプレゼンのセンスがない」と意気消失したとき、同時によぎったのが「プレゼンをセンスではなく『テクニック』としてスキルを磨けばできるかも!」という発想でした。

そこから「相手の『5感』を揺さぶるプレゼン」のテクニックを編み出したのです。これをスキルとして身につけた小林氏は、1億円の契約を成功させるなどプレゼンを次々に行い結果を出してきました。
そのような経験をもとに小林氏が今回あなたに伝えるスキルは、なんと全てのテクニックを実践事例で紹介しています。

さらに! 相手の「5感」別、視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚別に、資料作成や話し方も含めて分かりやすい形式で説明しているのです。

あなたも、

・努力はしているけれどもプレゼンで成果を出せない
・プレゼンが下手だと分かっているけど上達方法が分からない

などで悩んではいませんか?

これを読めば「相手の『5感』を揺さぶるプレゼン」のスキルが身に付きます。そのスキルを利用すれば、成果の出るプレゼンをすることができて、ビジネス界であなたの評価が上がることでしょう。

そのような素晴らしい5感別のスキルとは一体どういうものなのか。
さあ! あなたがビジネス界で活き活きと過ごせるようになるためにも、さっそく読み進めていきましょう!

はじめに

序章 あなたのプレゼンが伝わらない理由
恐怖! 下手なプレゼンへの本音話
私のプレゼン実績の紹介
5感を刺激するプレゼンとは?
5感プレゼンの進め方(本書の読み方)

第1章 《視覚》を揺さぶる プレゼンテクニック
「《視覚》を揺さぶる」で学ぶスキル
わかる資料の作り方
「文字の色・サイズ」で常識を見抜かれる
「五つのタイトル」がリズムを作る
右脳に焼き付かせる「写真・動画」のポイント
「補足説明」が後から読んでもわかるコツ
五体の使い方
「相手との正対度」で適度な親密性を確保する
「手」はなんのために活用する?
「視線の流し方」がよい雰囲気を作る
【事例】「視線を全体に流す」ことで自分を取り戻した商談プレゼン
「なくて七癖・・・・・・」の悪癖を改善する

 

はじめに

もう、あなたは、このページをめくった時点で、
「では、どうしろというのか?」と怒りすら覚えていることでしょう。

最初に結論から申し上げます。
その答えは、相手の「5感」を揺さぶるプレゼンをすればよいのです!

5感とは、

視覚
味覚
聴覚
嗅覚
触覚
 
です。

「視覚や聴覚や触覚ならともかく、味覚や嗅覚がプレゼンとどう関係するのか?」 

そういった疑問を持ちながら、この本を読み進めることが、あなたのプレゼンを上達させる第一歩となります。

①「自分はプレゼンが上手だ」と自信がある人へ
確かに、あなたは、立て板に水を流すがごとく、スマートな話術や資料を駆使したプレゼンを行っていることでしょう。しかし、それは、「単にあなたの自己満足に過ぎない」ことを自覚できていますか?

じつは、プレゼン相手である経営者や幹部職は〝上司〟として、商談相手は〝仕事上の付き合い〟として、あなたのプレゼンを我慢して聞いてくれているのです!

そこで、本書は、いかに〝上手に行うか〟ではなく、いかに〝相手が受け入れるか〟を重視した内容となっています。

そう、あなたのような、伝えることに自信がある人がステップアップするために必要な要素である「相手の5感を刺激すること」をお伝えしていきます。

②「自分には関係ない」と思っている人へ
プレゼンとは、「特別な会場で多数の聴衆を前にして行うイベント」と思っていませんか?

それは大いなる誤解です。

会社での会議、上司への提案や連絡、報告資料の作成……など、じつは、あなたは普段の仕事においてプレゼンを行っているのです。そして、毎日、あなたは上司からプレゼンを評価されているのです!

そして、これらをプレゼンとは考えずに改善していないことが、現在の業績評価の一因となっています。

でも、あなたがこの本を手に取ったということは、少しはプレゼンに関心があるはずですね―それで十分です!

本書では、あなたの評価が向上するための解決策をお伝えしていきます。

③上達したいが、「どうすればよいか」わからない人へ
最後に、多くのビジネスパーソンがこの悩みを持っています。

じつは、私もそうでした。そして、最初に取り組んだのが、「上手な人の真似をする」ことでした。

真似をした一人目は、話題が豊富で話も面白いセミナー講師でした。

真似をした結果は―「単なる漫談セミナー」になってしまいました。それもまったく笑いの取れない漫談でした。

二人目は、実績のあるまじめなコンサルタントでした。

その真似をした結果は―「出席者から露骨にアクビをされてしまいました」。

「やっぱり、俺はセンスがないからプレゼンは無理なのかな……」と意気消沈しましたが、同時に頭をよぎったのが「じゃあ、センスがないのであれば、逆転の発想だ。プレゼンを『テクニック』としてとらえてスキルを磨けば、できるかも知れない」と。

その結果―できるようになったのです! 成果が得られたのです!

それも自分だけではなく、私が支援した他のビジネスパーソンまでも。
 
やはり、

『プレゼンはセンスではなく、テクニックだったのです!』

私も含めて、センスのない普通の人が実践できて成果が得られる―その「テクニック」を、これからお伝えしていきます。

もう、あなたは道に迷うことはありません。
本書のテクニックをトレーニングするだけです!

それではスタートします。
まず序章では、「テクニックを理解するための要点」をお伝えします。

 

序章
あなたのプレゼンが伝わらない理由

恐怖! 下手なプレゼンへの本音話

考えるビジネスマン

会社の経営者や上司、または商談相手が、あなたのプレゼンに対して「本当に思っていること」を知りたくありませんか?

これから、私が、多くの経営者から聞いた実話をそのまま書きます。

本音のため、かなり〝キツイ内容〟となっていますので、打たれ弱い人は本節を飛ばしてください。

「幹部の立場にもかかわらず、言いたいことがわからない。仕方がないので質問するのだけれども、その質問に対してもマトモに回答できない……。その上、報告資料は誤字も多い……、自分でチェックをしていないのか? 言いたいことは山ほどあるが、言うと萎縮してしまうから我慢して聞いている。ホント〜に、ストレスがたまるよ」

(しばらくしてから、HPで公開されている異動通知に、子会社へ転籍出向することになったその幹部の名前がありました)

「彼は、まじめで仕事も熱心に取り組む人材なのだけれども、人前での話が下手なんだよな〜。そろそろ、管理職に昇格させたいのだけれども、そうなるとそれなりの役職者として社外との折衝が求められることになる。じつは、その点で迷っているのだが、どうにかならないものか……」

「この前に来た○○社の営業は、まったく話にならない。キレイなカラー資料を持ってきて、スラスラと耳通りのいい話をしていたけれど、一向に響かなかった。どう言えばいいか難しいけれど、起承転結がないというか……。だから、どんな話だったかも覚えていない

「先日の社内発表会で、社員の発表が下手であることにショックを受けた。昨年より、管理職の昇格要件にTOEIC を入れたが、それよりも発表のやり方から教育して相手に伝える能力を付けないといけない。恥をさらすようだが、それが我が社の実力だから仕方がない」

まだまだありますが、これ以上はやめておきます。もう十分でしょう。
これが、あなたの会社の経営者や上司、そして商談相手の本音なのです。

そう、あなたのプレゼンは「相手に我慢して聞いてもらっている」のです。
身に覚えはありませんか?

 

私のプレゼン実績の紹介

あなたの心の声が聞こえています。
「じゃあ、偉そうに言うお前はどうなんだ!?」と。

私は、プロの経営コンサルタントとして、ソコソコのプレゼンはできます。
そのプレゼン成果の一端を紹介します。

・年商数千億円企業の経営者に対する提案プレゼン :1億円の契約獲得
・一部上場企業の全経営幹部への提案プレゼン :2千万円の契約獲得
・セミナーに出席した中小企業経営者との即決成約 :4百万円の契約獲得

私は、ここで、自慢をするつもりはありません。
ただ、ソコソコのプレゼンはできていることを申し上げたいだけです。

私以上に成果を出しているビジネスパーソンは大勢います。

また、私は、相手を魅了する天才プレゼンターのセンスもなく、大手コンピューター企業の創業者のようなカリスマ性もありません。

至って普通のプレゼンターであり、99%のビジネスパーソンの一人です。

しかし、プロの経営コンサルタントとして、ソコソコのプレゼンができて成果を得ているのは、「センス」はないが、「テクニック」があるからです。

そして、私に一つだけ自慢できることがあるとすれば、自分が体得したプレゼンテクニックを「だれでもできるように理論化・体系化したこと」です。

話は変りますが、野球でもサッカーでもゴルフでも、プロスポーツの世界で、名コーチと言われる人を思い浮かべてください。

現役時代に超一流のスター選手だった人に、名コーチはいますか?

TVのバラエティー番組で紹介されるエピソードとして、プロ野球の長嶋茂雄元監督に「どうすればホームランが打てるか?」や、プロゴルファーの青木功選手に「どうすれば、飛距離が出てまっすぐに飛ばせるか?」と質問すると、一言、「ボールをパーンと打てばイイのです」と教えてくれるそうです。

そのときは、だれ一人として文句は言いませんね?
それどころか、超一流に教わった感激から「なるほど!」と満足しますよね?
でも、果たして、その後、この教えで格段に上達した人が何人いたのでしょうか?

そうなのです。超一流や天才は、センスと才能でできてしまう人なのです。

自分自身はセンスと才能で簡単にできてしまうため、「どうすれば、他人ができるようになるか?」を十分に説明することができないのです。

逆に、プロの世界で名コーチとなっている人は、「自分ができる能力」と「人ができるようにする能力」のうち、後者の能力が高い人です。

プレゼンも同じです。天才プレゼンターやカリスマ成功者の教えでは、普通の人は上達できません!(ただし、「あの人のようになりたい!」といったモチベーションの向上には、大いに役立ちます。やる気も、スキルアップには大切な要素です)

でも、繰り返しますが、その教えだけでは99%の人のプレゼンスキルは格段には上達しません!

私は、まだまだ成長過程の人間ではありますが、

・自分はソコソコにプレゼンできる能力がある
・他人のプレゼンを格段に上達させる能力もある

人間です。

だから、プロの経営コンサルタントとして、「プレゼンで仕事を成約している」そして「クライアントが成果を出している」ので、食えています。

本書では、そのテクニックを公開することにしました。
なぜならば、経営者のストレスを一つ減らすために。
そして、99%のビジネスパーソンのスキルを向上させるために。

 

5感を刺激するプレゼンとは?

相手の5感を刺激するプレゼン、略して〝5感プレゼン〟は、「視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚」に訴えかけるプレゼンテクニックです。

これまでにいろいろなところで解説されているプレゼンのテクニックと比べて、次の五つの点が特徴となっています。
 
①視点が180度異なる
②切り口が斬新
③解説方法がユニーク
④テクニックのすべてが実践事例
⑤診断によるレベル評価

それぞれについて、説明していきましょう。

①視点が180度異なる
「自分のプレゼンスキルを上達させる」視点ではなく、「相手を理解・納得・共感させる」視点でのテクニックです。

したがって、自分の5感を使うプレゼンではなく、相手の5感に訴えるプレゼンのためのテクニックを示しています。

②切り口が斬新
「相手が情報を受容する5感(視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚)別のテクニック」となっています。一つの感覚で8項目、計40項を示しています。

③解説方法がユニーク
この点は、本書を活用するにあたっての重要事項なので、詳しく説明します。

本書のテクニックは、「理論」と「感情」の両面での解説を行っています。
なぜ、「理論」と「感情」の両面が必要だと思いますか?

我々は、日々、規範や成果の下で社会生活を営んでいます。つまり、〝理論や数字の世界〟で生きています。

一方で、人間には欲求や本音があり、これらにも従って日々の生活を送っています。つまり、〝感情や感性〟に基づいた行動もしています。

すなわち、我々は、必ず「理論」と「感情」の両方に基づいて、思考や行動を行っています。これはビジネスの世界でもまったく同じです。

したがって、プレゼンでも「理論」と「感情」の両面で相手に働きかける必要があるのです。

では、その「理論」と「感情」は、どこで発生するものでしょうか?
そうです、頭脳ですね。

では、頭脳は、「どこから」の情報に基づいて理論を考えたり、感情を感じたりするのでしょうか?
もう、おわかりですね!

「5感」、すなわち「視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚」からの情報です。

プレゼン相手は、

「5感」からの情報に基づいて、
「理論」と「感情」の両面で評価・判断している。

したがって、5感を通じて「理論」と「感情」の両面で相手に働きかける本書のテクニックによって、「5感を揺さぶり相手を口説くプレゼン」となるのです。

④テクニックのすべてが実践事例
この点も重要です!

本書のテクニックは、プロの経営コンサルタントである私の成功ノウハウをベースにして、初心者でも実践できるように体系化したものです。

そして、全項目が「私のクライアントが実践できたテクニック」なのです。

その実践事例には、

・商社・IT企業・メーカー・サービス業の商談
・技術者やシステムエンジニアの新商品PR
・管理職の戦略研修会
・現場改善の成果発表会
・人事担当者の社内教育
・経営者の企業PR
・税理士のセミナー講師

などがあります。

このように、本書テクニックは、商談や社内発表などの日常のビジネス活動でも活用できるものです。

⑤診断によるレベル評価
プレゼン本は、読んで理解するものではなく、実行するための書籍です。

このため、本書の最後(付録)に40項目のテクニックに関する「5感プレゼンの診断表」を付けています。

この診断表によって、あなたのプレゼンスキルについて、次の診断を行うことができます。

・5感スキルのうち、どの感覚が相対的に強いのか? 弱いのか?
・あなたの総合スキルは、どのくらいのレベルなのか?

 

5感プレゼンの進め方(本書の読み方)

○とにかく、少しでも上達したい人
自分の弱点はわからないが、「とにかく、少しでもプレゼンを上達したい!」という人は、本書を読みながら「共感を覚えた」項目をマーキングしてください。

読み終えた後は、マーキングした項目のうち「〝強く〟共感を覚えた7項目」を選択してください(もちろん、7項目以下でも構いません)。

ここで、7項目に限定した理由は、「普通の人間は、一度に最大で七つのことまでしか理解して実行できない」と言われており、これは私の経験則とも合致しているためです。

したがって、まずは「強く共感を覚えた、すなわち、いまのあなたが最も必要としている」かつ、「一度に実行できる限度」である7項目について、理解・実行してください。

これら7項目のテクニックを習得するだけでも、あなたのプレゼンへの評価は確実に高まります。

○ビジネスで成果を獲得したい人
この場合は、「3回読み」が必要となります。
その理由を説明します。

本書では、40項目のプレゼンテクニックを「視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚」の区分で紹介しています。一方で、実際のプレゼンでは「企画→資料作成→心構え→実演」の流れとなります。

このため、本書の5感テクニックを実際のプレゼンの流れに沿って理解する必要があります。

したがって、本書のテクニックを実際のプレゼンに活用するために、次に示す「3回読み」を行ってください。

〈1回目〉各テクニックを個別に理解しながら通読する
【読み方】ページ順に、視覚→聴覚→味覚→嗅覚→触覚

〈2回目〉実際のプレゼンの流れに沿って、実演をイメージしながら熟読する
【読み方】プレゼンの流れの順に、次の①→②→③→④
   
①企画
味覚
嗅覚/〝匂い〟を使った誘い方
触覚/相手の心の動かし方
   
②資料作成
視覚/わかる資料の作り方
 
③心構え
嗅覚/悪い〝臭い〟の消し方

④実演
聴覚
視覚/五体の使い方
触覚/相手の体の動かし方

〈3回目〉診断後、自分に必要なテクニックを精読する
【読み方】「長所の増強」と「短所の改善」に必要な項目に集中する

お待たせしました。
それでは、次章から〝5感プレゼンのテクニック〟をお伝えします。

 

第1章
《視覚》を揺さぶるプレゼンテクニック

―わかる資料の作り方―
「文字の色・サイズ」で常識を見抜かれる

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ここに注意!
なぜ、相手によっては、プレゼン資料を途中で閉じてしまう人がいるのでしょうか?

じつは、資料の内容以前の問題として、相手の読む気を喪失させる非常識があります。

・相手の年齢層に合った文字サイズにしていないこと
・強調したい文字の色を「赤色」にしてしまっていること

この2点について、相手は注意や指摘をしてくれません。そして、心の中で「ああ、この人は常識がないな〜」というレッテルが貼られてしまいます。

●理論
ビジネスで作成する資料は、「上司に説明や報告して決裁を求める」または、「商談相手に提案して相手の経営幹部に決裁を求める」ことが目的となります。

この場面では、2点の常識があります。

1点目は、相手の年齢層に応じて文字サイズを変えることです。

ハッキリ言うと、上司や経営者は年配者―そう、老眼なのです。このため、資料の文字サイズが小さいと読めない、もしくは読むのに苦労する。でも、年齢に対するプライド(抵抗感?)があるので、じつは「頑張って読んでくれている」のです。

したがって、年配者の視覚をリラックスさせるために「文字サイズを大きくする」必要があります。

一方、文字を大きくすると、資料の枚数が増えてしまうという逆効果もあります。
では、どのくらいのサイズがよいのでしょうか?

・パワーポイント資料であれば18ポイント
・ワード文章であれば標準以上の12ポイント

これが、「相手(とくに、年配者)に読ませたい」部分に適切な文字サイズです。
2点目の常識は、赤色文字を使わないことです。

じつは、これに理屈はなく、相手の感情の問題だけです(左記の「●感情」参照)。

文字のカラー化は、相手に読ませるためには必要なことなので、赤色以外(青やオレンジなど)で文字を色装飾します。

●感情
経営者は、つねに利益を気にしています。というか、いつも利益のことが頭から離れず、夜も眠れない日もあります。それは、利益を出すことが、経営者としての責任であるからです。だから、経営者は赤字が大嫌い! なのです。

その相手に対して、いくら目立つからの理由であっても、赤色文字を使うと「あ〜!?この人は、私の気持ちをわかってくれていない」の〝落胆〟と〝怒り〟の感情を持たれてしまいます。使わなければ何も思われなく、使えば常識を疑われる―これが、赤色文字が相手の感情に及ぼす影響なのです。

ポイント
□理論:文字サイズを大きくして、年配者に読ませる
□感情:ビジネス資料で「赤字」を使うと、経営者の感情を害する

 

―わかる資料の作り方―
「五つのタイトル」がリズムを作る

ここに注意!
なぜ、読むことが苦痛に感じるプレゼン資料があるのでしょうか?

1ページ内の書式が定まっていない資料ほど読みにくい資料はありません。

たとえば、「タイトルと図表だけ」の資料は「一体、何を示したいのか?」がわからず、「文章だけ」の資料は「一体、どこを注目すればよいのか?」がわからず、プレゼンターの説明を聞かないといけない……。このような「不規則な資料」によって、あなたは相手に〝ストレス〟を感じさせていませんか?

●理論
相手の視覚にストレスを感じさせないテクニックとは、「書式でリズムを作る」ことです。ポイントは「五つのタイトルを付ける」ことです。

◇ページタイトル
ページの最上段に、ページタイトルを付けることです。これは常識ですね。
ページタイトルの文字サイズは、そのページで最大とするのが基本です。

◇サブタイトル(概要説明)
これが最も忘れやすいタイトルです。「このページで説明する概要」をタイトルの下に、1行で記載します。ページタイトルだけでは内容がわからないので、サブタイトルの補足説明によって、相手は「いまから、何を言おうとしているのか」が理解できます。

◇項目タイトル
そのページで言いたいことが3項目なら、3項目の項目タイトルを付けます。
この項目タイトルは、ページ内をスッキリと整理整頓する効果があります。

◇図表タイトル
図表や写真を使用する場合に、図表タイトルを付けていない資料が見受けられます。図表や写真は資料にインパクトを与えることができる好材料なので、「何を意味しているのか」を表示する図表タイトルをお忘れなく。

◇まとめタイトル
プレゼンは、PRするために行うものです。したがって、まとめタイトルは必須です。まとめタイトルとは、相手に「これだけはわかってほしいこと」や「このページでここだけは絶対に読ませること」を1行で書いたものです。

●感情
五つのタイトルが相手の感情面に及ぼす影響は、どのページでも同じ書式として統一されていることによって、見る・読むことに神経を使うことなく、プレゼン内容に集中できることです。この効果により、「相手がリラックスした状態」を作り出すことができます。

ポイント
□理論:五つのタイトルが、「見るだけでわかる資料」となる
□感情:同じ書式のリズムが、相手をリラックスさせる

 

―わかる資料の作り方―
右脳に焼き付かせる「写真・動画」のポイント

ここに注意!
なぜ、強い印象が与えられない写真・動画になってしまうことがあるのでしょうか?

相手の関心を高めるための手段として、写真は有効です。その理由は、理論で相手の左脳に働きかけるだけでなく、感性を司る右脳を刺激することができるためです。しかし、そのメリットを壊しているNG資料があります。それは「写真の説明が多く書かれている資料」です。

また、最近は写真の発展版として、動画を活用したプレゼンも行われています。
ここでも、メリットを壊すNGがあります。それは「しゃべり過ぎ」です。

●理論
◇写真
写真を活用する場合において、「そのイメージが相手の右脳を刺激して強く印象付けられる」メリットを壊さないためのポイントを説明します。それは、「写真に、多くの説明を付けない」ことです。なぜなら、説明を付け過ぎると、左脳を稼動させてしまうからです。

たとえば、ある資料で〝団結〟を訴求したい場合に、家族4名が揃っている写真を使用するとします。もし、その写真に「(この人が)お父さん、(この人が)お母さん……」といった説明が記載してあると、相手の左脳が働いてしまい、「では、二人の子供のどちらが年長かな?」などと〝団結〟とはまったく関係のないことを考えさせてしまいます。

写真には、(タイトルだけで)余計な説明をつけないことが重要です。

◇動画
動画でのポイントは、「しゃべり過ぎない」ことです。具体的には、動画の映写中にしゃべらないことです。

「〝視覚〟からの情報は〝聴覚〟からの情報に勝る」というメラビアンの法則は、ご存知のことでしょう。つまり、動画を映写しているときに、あなたがどんなによい説明をしても相手は聞いていません。それどころか、ハッキリ言って、そのときの話は〝うるさく、邪魔〟です。

必要な説明は動画を映写する前後に行い、映写中はしゃべらないことが、相手の視覚神経を集中させることにつながり、動画プレゼンのインパクトを高めることになります。

●感情
写真・動画は、視覚を通じて相手の右脳を刺激することで、記憶に残りやすくさせる有効なツールです。

ここで、写真による「相手のイメージを高めて、強く印象付ける」効果の発展版があります。それが「イラスト」です。イラストは、イメージ性が高いだけでなく、〝メッセージ〟や〝ユーモア〟も相手に伝えることができます。

ポイント
□理論:「シンプルな写真」や「説明のない動画」がイメージ性を損なわない
□感情:「イメージ」は相手の右脳を刺激して記憶に残りやすくなる 

 

―わかる資料の作り方―
「補足説明」が後から読んでもわかるコツ

ここに注意!
なぜ、プレゼン資料内容が他のキーマンに伝わらないプレゼンになってしまうのでしょうか?

プレゼンでは「見てわかる資料」が重視されがちですが、ビジネスプレゼンでは、同時に「読んでもわかる資料」が重要です。この点は見落とされやすくなっています。

では、「読んでもわかる資料」のコツとは、なんだと思いますか?
それは、「その場にいない人が、後から読んでもわかる」ことです。

●理論
その場にいない人が、後から読んでもわかるためのテクニックは、プレゼン時に口頭で補足説明することを「資料に書く」ことです。

このテクニックの解説では、前項の「動画の解説内容」を事例にして、次に示します。

右脳に焼き付けるテクニック:動画映写中は「しゃべらない」

このような記載では、「えっ、まったくしゃべらないのか?」と誤解を生みます。

しかし、実際のプレゼンでは、その場にいる人に「ただし、動画の概要を解説する必要がある場合、動画映写の前後に説明するようにします」と補足説明するでしょう。

この補足説明を資料に記載すると、次のように改善されます。

右脳に焼き付けるテクニック:動画映写中は「しゃべらない」
(最低限の概要だけは、動画の前後で解説する)

ここで、補足説明の文字サイズは小さくして、メイン部分のインパクトを損なわないようにします。

とくに、商談資料や役員決裁資料では、プレゼンの場にいないキーマンを説得する必要があります。

このように、「後から読んでわかるための資料作成」は、ビジネスプレゼンでは重要なテクニックとなります。

●感情
一方で、補足説明が多いと資料が読みにくくなることも事実です。それでも、ビジネスプレゼンの場合は、「補足説明なしの読んでわからない資料」よりも、「補足説明ありの文字が多い資料」が有利となります。

その理由は、相手が「話を聞くとき」と「資料を読むとき」は心理状態が異なるからです。すなわち、「話を聞くときは〝受動〟状態」となり、「資料を読むときは〝能動〟状態」となるためです。

したがって、同じ補足説明でも、話を聞くときの補足説明にはウンザリしても、資料を読むときの補足説明は、むしろ「さまざまな面から考えている」と相手はよい感情を持ちます(とは言っても、記載する補足説明は2行以内とする必要はあります)。

ポイント
□理論:口頭説明することを付記すると「後から読んでもわかる資料」となる
□感情: 「聞く」よりも「読む」ときは、相手は補足説明を受け入れやすい

 

―五体の使い方―
「相手との正対度」で適度な親密性を確保する

ここに注意!
なぜ、相手に気持ちが伝わらないプレゼンになってしまうのでしょうか?

政治家の演説にしろ、企業経営者の発表にしろ、管理職の報告にしろ、下ばかりを向いて原稿を読んでいる姿は、リーダーシップや威厳を感じることができませんね。

あなたは、

・机に座って説明するときに、どのくらい相手のほうに顔を向けていますか?
・立ってプレゼンしているときに、どのくらい相手のほうに体を向けていますか?

●理論
相手の視覚に訴える所作で最も大切なことは、顔や体の向きです。私は、「相手に顔や体を向けている度合い」を正対度と表現しています。この正対度によって、相手との親密度が変わってきます。

まず、顔や体をほとんど向けていない(=正対度が低い)のは、テクニック以前の問題として、相手に失礼な振る舞いとなります。

一方で、常時、向けていることもよいとは言えません。なぜなら、そのためには、説明内容をほとんど暗記する準備が必要となるためです。これでは、プレゼンの準備に時間を取られて、仕事の生産性を悪くすることになります。

したがって、最適な正対度は「ときどき」です。

では、どのタイミングでの「ときどき」が有効なのかと言いますと、「重要なセンテンスを発言する」ときです。重要なセンテンスとは、少なくとも、最初の「ページタイトル」「サブタイトル」、そして最後の「まとめタイトル」の三つです。

割合としては、ビジネスプレゼンでの適切な正対度は50%程度であり、これによって相手との適度な親密性を確保できます。

正対度を50%とするには、「三つのタイトルを説明するとき」「それ以外の重要センテンスをPRするとき」「資料内容以外のことを発言するとき」に、相手に正対します。それ以外は、原稿やスクリーンを向きながら資料を読みます。こうすれば、重要なセンテンスだけを事前に把握すればよく、プレゼンの準備も効率的に行えます。

●感情
「そっぽを向く」という言葉がある通り、相手の話を聞かないときは体や顔が相手に向いていません。これをプレゼンターが行った場合、相手の感情に及ぼす影響については説明するまでもありませんね。一方で、つねに相手に顔や体を向けることも、相手側に圧迫感を感じさせてしまうことになります。

したがって、相手の感情に及ぼす面からも、50%の正対度が〝程よい〟状態と言えます。

ポイント
□理論:「タイトルと重要センテンス」を話すときに正対する
□感情:50%の正対度が、相手に〝程よい感情〟をもたらす

 

―五体の使い方―
「手」はなんのために活用する?

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ここに注意!
なぜ、上手いプレゼンターは「手」の使い方が巧みなのでしょうか?
手を活用することには二つの意味があります。

一つは、プレゼンにアクセントを付けられることです。もう一つは、手を遊ばしているとプレゼンターの所作が悪くなるため、これを抑制することです。手の所作の悪い例としては、ポケットハンド、演台や机に手を付くなどがあります。

プレゼン中のあなたの手は、どのようになっていますか?

●理論
悪い所作を抑制し、プレゼンにアクセントを付ける〝手の活用法〟は三つあります。それは、数を数えるとき、大きさや速さを表すとき、画面や資料を示すとき、です。

◇数を数えるとき
「ただ一つです」「二つのパターンがあります」「ポイントは三つです」などと発言するときに、「指で数を表示する」ことによって、数を強調できます。

◇大きさや速さを表すとき
 
・大きさ:大きく動かして雄大性、小さく動かして精密性
・速さ:速く動かして迅速性・躍動性、ゆっくりと動かして安定性

これにより、説明内容にアクセントを付けることができます。

◇画面や資料を示すとき
とくに強調したい内容があるとき、「相手が見ているスクリーンの該当箇所を指し示す」、あるいは「相手が読んでいる資料の該当箇所を指し示す」ことにより、相手の注意を集中させることができます。

プレゼン中に相手の集中力が散漫になっているとき、または相手が他の部分に興味を示してしまっているときに、「ここがポイントなのですが」とスクリーンや資料の強調箇所を指すと、相手は指された箇所を見ざるを得ません。多少の強引さは否めませんが、この方法は「停滞した状況をリセットして、相手の関心を取り戻す」ためには有効なテクニックです。

●感情
手の動きによって、プレゼンターに対する相手の印象は変わります。

基本形は、「体の側面に置く」ことです。これにより、プレゼンターが自然体であることを相手に認識させることになります(座っているときは、太ももの上に置く)。

その上で、とくに「大きさ(雄大性⇔精密性)」や「速さ(迅速性⇔安定性)」を強調したい場面では、本テクニックを使うことがプレゼンのアクセントとなり、強調したい部分をより強く印象付けられることになります。

ポイント
□理論:手の三大活用法……数を数える・大きさや速さを表す・画面や資料を示す
□感情:「自然体であること」や「強調したいこと」を相手に印象付けられる

 

―五体の使い方―
「視線の流し方」がよい雰囲気を作る

ここに注意!
なぜ、相手と通じ合う雰囲気にならないプレゼンになってしまうのでしょうか?

プレゼン中に、相手は話すことができません。しかし、「目は口ほどにモノを言う」―そう、相手は何も言わなくても、その目(視覚)は、プレゼンターを〝見〟ているだけでなく、プレゼンターを〝観・診・視〟ているのです。

その相手の目(視覚)に対して、あなたの視線は応えられていますか?

●理論
すべての相手に視線を流すことは、プレゼンのテクニックとしては周知のことですが、その理由を理解している人は少ないようです。

ビジネスプレゼンの場合、全体に視線を流す理由は、「肯定感を向上させる」ことです。商談にしろ、報告にしろ、会議にしろ、あなたの意見や報告に対して、全員が肯定的ではありません。一般的には、肯定:20%、中間:60%、懐疑・否定:20%の比率です。この状態で60%の中間派を肯定派に近付けていき、全体の雰囲気をよくしていくことが視線を流す狙いなのです。

そのためのテクニックは、まずプレゼンの序盤で「20%の肯定者」を発見することから始めます。肯定者の発見は簡単で、こちらを注視している人、うなずいている人です。なお、発見する人の数は、三人〜四人が適量です。

そして、発見した肯定者は各所に散在しているため、肯定者を順番に見ながら、彼らにマンツーマンで話かけるようにプレゼンを行います。

次に、肯定者への働きかけだけでは、プレゼンターの視線は全体には行き届かないため、全体での肯定感は強くなっていません。このため、ときどき「両端の人」にも視線を向けることによって囲い込みを行い、全体の肯定感を高めます。ここで、両端の人は、懐疑・否定派であっても構いません。「こっちを向きなよ!」の楽しい気持ちで視線を向けてください。

●感情
ここでは、「視線は肯定者を中心に全体に流す」ことが相手の感情面に及ぼす影響について解説します。

じつは、このテクニックは、相手(肯定者)だけでなく、プレゼンターにも効果があるのです。

相手(肯定者)への影響とは、聞き手にとって、自分が肯定・賛同しているプレゼンターが、自分に話かけてくれていることに対して感じる高揚感です。これにより、肯定者の肯定感や賛同感が増し、全体の雰囲気が向上していきます。

プレゼンターへの効果とは、肯定者とのマンツーマンを意識したプレゼンをすることにより、普段の状況に近い心理状態となることです。これにより、緊張感が薄れ、より自然体に近い状態でプレゼンを行うことができます。

ポイント
□理論:散在する数人の肯定者を順番に見ていくことで全体に視線を流す
□感情:視線を合わせた肯定者が、よりよい雰囲気を全体に発散してくれる

 

事 例
「視線を全体に流す」ことで自分を取り戻した商談プレゼン

IT企業の営業職である木下さんは、システム案件の受注に向けて、商談企業の情報システム部の吉田部長と何度も打ち合わせを重ね、もうすぐ内示が出るところで、突然、状況が変わった。

従来は、情報システム部長の決裁だけで契約していたが、相手先の方針が変わり、役員や関係部門の部長に対するプレゼン説明が必要になったのである。

提案内容は、仕様・納期・価格とも自信がある。そして、情報システム部は木下さんの会社との契約を望んでいる。ただし、プレゼンには、いま一つ自信がない木下さんであった。

木下さんの長所は、1対1や1対2での会話を通じたコミュニケーション力が高いことである。一方、多数の人の前では、社内の会議でさえも緊張してしまうことが弱点であった。

そんな木下さんにとって、面識のない社外の役員や部長を前にしたプレゼンを行うことは、まさに〝想定外〟のことであった。

私と木下さんは緊急にトレーニングを開始したが、本人が自覚しているだけあって、木下さんのプレゼンは本当に下手である。かなりの大手術が必要な状況であったが、時間が限られているため、視覚テクニックについては「自然体」に絞って改善トレーニングを繰り返した。

私から木下さんへのアドバイスは2点。
 
・「情報システム部の吉田部長には、2列目の中央に座ってもらってください」
・「そして、吉田部長だけを見て、1対1のつもりで語りかけてください」

私が、立案した作戦は以下の通り。

「最前列の中央に役員が座り、2列目〜3列目には関係部署の部長が座るはず。であれば、2列目中央の吉田部長に視線を合わせると、自然と役員に視線が向く。同時に、吉田部長の左右の部長もプレゼンターからの視線を感じる」

本番当日、相手企業の会議室には、役員・部課長の十数人がズラリと並んでいたが、役員と関係部門の部長の配置は想定した通りであった。

プレゼン前は、緊張のあまり木下さんの手は震えていたとのこと。

そこで、プレゼンの開始当初から、作戦通りに、唯一の味方(?)である吉田部長に対して、面談のつもりで語りかけた。また、吉田部長も最大限の肯定感と賛同感を発揮してくれた。

おかげで緊張が解け、「普段に近い気持ちでプレゼンができた」とのことである。その結果、無事に契約に至ることになり、ともに喜びを分かち合うことができた。

 

―五体の使い方―
「なくて七癖……」の悪癖を改善する

ここに注意!
なぜ、相手に「見苦しい」と思われるプレゼンになってしまうのでしょうか?

プレゼンという緊張感のある場では、自分では気付かない、または、普段はしないことが出てしまいます。たとえば、

・丁寧な言葉で話しているのに、机の下で足を組んでしまう
・自然と〝もみ手〟になってしまう
・学会発表の場で、友達言葉(……なんですよ〜)で話す

など、これらは、私が実際に見た悪癖の例です。

(私も含め)だれにでも必ず大なり小なりの悪癖があります。
怖いのは、プレゼンターが悪癖に気付いていないことです。

●理論
悪癖を改善するための第一歩としては、経験や見識のある他人に見てもらうこと、またはビデオ撮影した映像で自分で確認することです。

他人に見てもらう場合は、「観察力があり、直言してくれる人」を選ぶ必要があります。この場合、男性よりも女性のほうが悪癖に対して敏感であることが多いので、観察者には向いています。

これにより、まずは、改善するために最も重要な要素である「悪癖を認識する」ことができます。

次は、その悪癖が、「普段からの癖」か「普段は行わないこと」のどちらであるかを確認することです。

普段からの癖であれば、本人が意識できていることですので、その癖をダイレクトに修正すれば改善します。

普段は行わないことであれば、本人が無意識に行っているので、その悪癖をダイレクトに直すことはできません。この場合、まずは〝緊張感〟を減らす改善を行います。

最も有効に緊張感を減らす改善法は、実際に似た会場で何人かの前で行う「模擬プレゼン」です。悪癖が出る原因は〝非日常性〟なので、実際の状況に慣れることによって緊張感が緩和するため、無意識の悪癖も減少します。

●感情
悪癖は、相手に嫌悪感を抱かせるものです。
しかし、例外があります。その一例が〝なまり〟です。

自然体でプレゼンしていると、途中から無意識になまりが出てくることがよくあります。この場合でも、相手のキーマンがプレゼンターと同郷であるときは、そのなまりは好材料になります。

このように、プレゼンターの人間性をPRするなど、悪癖も上手く活用していければ、相手の感情に悪影響を及ぼさないことがあります。

ポイント
□理論:悪癖を自己認識することが重要であり、認識すれば改善できる
□感情:プレゼンターのキャラクターとして、感情面で利用できる癖もある 目次

小林弘茂著『5感を揺さぶり相手を口説くプレゼンテーション』より抜粋

【書籍紹介~目次】

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『5感を揺さぶり相手を口説くプレゼンテーション』

 

はじめに
本書の使い方

序章 あなたのプレゼンが伝わらない理由
◇恐怖! 下手なプレゼンへの本音話
◇私のプレゼン実績の紹介
◇5感を刺激するプレゼンとは?
◇5感プレゼンの進め方(本書の読み方)

第1章 《視覚》を揺さぶる プレゼンテクニック
▼「《視覚》を揺さぶる」で学ぶスキル
◉わかる資料の作り方
「文字の色・サイズ」で常識を見抜かれる39
「五つのタイトル」がリズムを作る
【事例】「五つのタイトル」がリズムを作る
右脳に焼き付かせる「写真・動画」のポイント
【事例】「イラスト」でメッセージとユーモアを伝える!
「補足説明」が後から読んでもわかるコツ
◉五体の使い方
「相手との正対度」で適度な親密性を確保する
「手」はなんのために活用する?
「視線の流し方」がよい雰囲気を作る
【事例】「視線を全体に流す」ことで自分を取り戻した商談プレゼン
「なくて七癖・・・・・・」の悪癖を改善する

第2章 《聴覚》を揺さぶる プレゼンテクニック
▼「《聴覚》を揺さぶる」で学ぶスキル
◉聴かせる話し方
「話すスピードの緩急」でお経プレゼンを避ける
 「声の強弱・高低」で単調さを解消する
 「語尾の明確さ」で意志を聴かせる
【事例】「語尾の明確さ」が決め手となった!?
 重要センテンスは「重複」すべし
 「え〜」を連呼しないコツ
【事例】「え〜」を自覚したから上達できた
 「ページ接続語」で前後の流れを整える
 「沈黙の間」で耳を休ませる
【事例】「沈黙の間」が目の保養にもなった話
◉音の効果的な使い方
 「異音」で飽きを防ぐ

第3章 《味覚》を揺さぶる プレゼンテクニック
▼「《味覚》を揺さぶる」で学ぶスキル104
◉味覚シナリオの作り方
 「苦味・酸味・うま味・塩味・甘味」で相手の味覚を席巻する
【事例】我々は「味覚シナリオ」で買わされている!
 ①苦味  : 相手の「問題点」を指摘する
 ②酸味  : 問題点の「解決策」を提示する
 ③うま味 : 解決策による「メリット」をPRする
 ④塩味  : メリットの「具体事例」で味付けする
 ⑤甘味  : 相手の興味を高める「一押し」を行う
【事例】「苦味・酸味・うま味・塩味・甘味」の解説にあった3例のまとめ
◉味わいのもたらし方
 最初に「お品書き」で全体像を示す  
【事例】私のセミナーでの「お品書き」 
「実体験」で親近感を高める
 最後に「質問」をさせて双方向を確保する
【事例】改善成果は2位でもプレゼンは1位!

第4章 《嗅覚》を揺さぶる プレゼンテクニック
▼「《嗅覚》を揺さぶる」で学ぶスキル
◉悪い〝臭い〟の消し方
 「売り込み臭」を出さない①「不自然な笑顔」は禁物
 「売り込み臭」を出さない②「させて頂きます」は禁句
 「うさん臭さ」を消す
【事例】「うさん臭さ」を消す
 「鼻につく臭い」を消す
【事例】「鼻につく臭い」を消す/上級編
◉〝匂い〟を使った誘い方
 最初に「香り」を匂わせる
 「キャッチフレーズ」が香りを引き立たせる
 「誘える匂い」を正しく発見する方法
 「誘える匂い」の正しい伝え方
【事例】「誘える匂い」の発見方法&伝達方法

第5章 《触覚》を揺さぶる プレゼンテクニック
▼「《触覚》を揺さぶる」で学ぶスキル
◉相手の体の動かし方
 資料に書かせて「手」の動きを作る
 挙手で「腕」の動きを作る
【事例】人事部の教育研修でもテクニックが役立った例
 さらに「顔」の向きを移動させる
【事例】「顔」の向きを移動させる
 最後に「拍手」をもらう
◉相手の心の動かし方
 「ユーモア」で温感を温める
【事例】プレゼンターの個性に合ったユーモアが大切!
 痛いところを突いて「痛覚」を感じさせる
 「緊張感」を持たせる(温めた温感を一時的に冷やす)
 「心の琴線」に触れる

付録 
5感プレゼンの診断
◇5感プレゼンの[診断方法]
◇5感プレゼンの[診断表]
◇5感プレゼンの[採点基準]
◇5感プレゼンの[結果評価]

おわりに

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