幸せなお金を引き寄せる!日本一の個人投資家、竹田和平さんの教え

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「お金持ちになれば幸せになれる!」

そう思って、お金を稼ぐ方法ばかりを探していませんか?
お金を稼ぐ方法を見つけて一時的にお金を稼ぐことができたとしても、それが続かなくては、かえって不幸せな状態を引き寄せてしまうことにもなりかねません。

みなさんがお金持ちになりたいのは、単にお金が欲しいわけではなく、豊かな生活を送りたい、幸せになりたい、という素直な気持ちからではないでしょうか。
そんな本当の意味での幸せになるには、実は秘訣があるのです。

それは、すでに幸せなお金持ちになっている人の教えを学ぶこと。ただそれだけです。

幸せにお金を引き寄せるためにはお金持ちの習慣や考え方を学んで、その通り行動すれば、幸せなお金がどんどん引き寄せられて、いつも笑顔でいられる生き方ができるのです。

「でも、幸せなお金持ちに出会うと言われても、そんな縁もきっかけもないし……」

そう思われた方もいらっしゃるかと思います。
本書では、著者である本田晃一氏が日本一の個人投資家である幸せなお金持ち、竹田和平さんと出会い、師匠としてさまざまなことを自ら体験し成功していくお話が綴られています。

竹田和平さんは個人投資家として投資されながら幸せなお金を引き寄せています。竹田和平さんのような幸せなお金持ちの習慣、生き方、考え方、名言など実際にその教えを体験していくことで、人として大切なことが心の中に浸透していき、本当の意味での成功である幸せへと繋がっていくのです。

幸せなお金を引き寄せる方法を読み解いていくうちに、あなたも本当の幸せにたどり着けるはず!
さあ、早速読み進めて、本当の幸せの道を歩み始めましょう!

 

はじめに 

序章…出会い…理想の師匠に最短でアクセスする方法
この人が日本一の投資家かっ! 
日本一の投資家とマブダチになりたい! 
放浪の旅で人生観が変わってしまった 
成功者を師匠にして助言を仰ぐ 

お役に立てることを考えてみる 
どうしたらマブダチになれるか 
純金のメダルが届いた! 
三〇倍返しのお礼 
和平さんからの手紙 
「人生の地図」を手に入れるために 
理想の師匠に出会う五つのステップ 
自分を好きになることから始める 
成功者から話を聞き出す「ズバリの質問」 
「社長だったら、どうします?」 
短期的な成功で終わってしまう人の特徴
 
第1章…お金…和平さん、どうしたら「幸せなお金持ち」になれますか?
日本一の個人レッスンが始まった 
「いかに稼ぐか」と「いかに与えるか」 
日本一の投資家の驚くべき投資ツール 
どうやら「与えるマインド」が大切らしい 
和平さんの動機の源 
リーマンショックをピタリと言い当てた 
和平さんにとってお金とは何ですか? 
お金と幸せの悩ましい関係 
「お金は無尽蔵に増えよるよ」だって? 
お金は自然と集まるもの 
「お金は愛の光」ってどういうこと? 
日本中の赤ちゃんに「純金メダル」をプレゼント 
我のない人にみんな吸い寄せられる 
「お金は愛の光」(はっ??) 

 

はじめに

僕は「幸せマニア」だ。
幸せに生きたいという想いが強すぎて、自分より幸せに生きている人を見ると、節操なくすぐに教えを請い、その教えを宝物としてコレクションしてしまう。
 
どんなにあがいても泥沼から出られないとき、その困難を乗り越えてきた人からの教えに素直に従うと、そこからあっさり抜け出せることがあった。それだけでなく、自分では叶えられないような夢も、すでに実現している人に秘訣を聞くとあっさり叶うことが数多くあって、むちゃくちゃありがたかったのだ。
 
いろんな困難が面白いように解消され、大きな夢がいくつも実現していくと、だんだんと余裕が出てきて、今度は自分が教えてもらったことを周囲の友人や知人に伝えるようになり始めた。

すると本業以外に、コンサルタントとしての仕事がたくさんくるようになった。
そう、この〝宝物〟は自分のためだけでなく、周囲の友人や知人にも使えるのだ。
 
この〝宝物〟が素晴らしいのは、使っても減らないどころか、使えば使うほど磨きがかかり、さらによいものになっていくところだ。
 
そして、周囲の人に喜んで使ってもらうほど、さらによい教えがやってくるという、不思議な好循環がある。
 
僕はラッキーなことに二〇代の頃から、成功者と呼ばれる人々や、幸せに生きている人たちに出会うチャンスに恵まれ、たくさんのことを教えてもらえた。
 
すると、僕の人生は信じられないほど激しく変化していった。
自分で言うのもおこがましいけれど、かなり幸せな人生を送ることができるようになったと感じている。

「幸せな成功者」と呼ばれる人との多くの出会いには、感謝してもしきれないほどなのだが、そのなかでも教えがひときわ輝いていたのが竹田和平さんだった。
 
竹田和平さんは、『会社四季報』を開くと、さまざまな会社の大株主として一番多く名前が掲載されている人だ。
 
愛知県に本社を置く、タマゴボーロや麦ふぁ〜などのお菓子で有名な竹田製菓の会長であり、経済や金融の世界では「日本のウォーレン・バフェット」「一〇〇を超える会社の大株主」「日本一の個人投資家」などと呼ばれているので、ご存知の方もいるだろう。僕はめちゃめちゃ幸運なことに、そんな竹田和平さんと五〇〇回以上寝食をともにし、マンツーマンで和平哲学や帝王学を学ぶチャンスに恵まれた。
 
和平さんから教わったことを自分の人生に落とし込むのは、簡単なことではなかったけれど、さらに幸せを感じながら生きられるようになったし、周囲の友人や、コンサルティング先のクライアントに伝えると、やっぱり彼らもさらに幸せを感じられるようになり、どんどん成長していった。
 
そう、なんとも言えない豊かさを身にまとうことができたんだ。

今でこそ、和平さんは愛情に溢れ、ほれぼれする生き方をしている方だと理解しているけれど、最初の頃はとてもミステリアスに感じ、なかなか理解できなかった。
 
初めて和平さんのオフィスをたずね、初めて和平さんのマンションに泊まったとき、とても驚いたことがある。
 
投資に関する資料が全然ないのだ。
オフィスには、『会社四季報』が数冊とノートが数冊。マンションには、『会社四季報』一冊とノート一冊。しかも、その『会社四季報』は携帯版のミニサイズ。
 
投資先を調べて研究するパソコンもなければ、証券会社からひっきりなしにFAXが届くこともない。
 
これでどうやって日本一の投資家になったのか、むちゃくちゃ疑問に思った。
しかし、その答えのヒントは、和平さんと初めて出会ったときにいただいた名刺にあった。
 
和平さんの名刺には「花咲爺・竹田和平」と書かれていた。
その名刺を見て、頭の中に「?」が一〇〇個くらい浮かんでしまった。

「はなさかじい……? 日本一の投資家という肩書じゃないんですか」
思わず、僕は尋ねた。

「わしのことを日本一の投資家と呼ぶのは人様であって、わしは自分のことを花咲爺と名乗っとるがね?」

和平さんは、めちゃくちゃ親しみやすい名古屋弁を使い、満面の笑みで言ったんだ。
花咲爺と名乗る理由をたずねると、またまた笑顔で嬉しそうに聞き返してくる。

「花咲爺さんも意地悪爺さんも同じことをしたけど、結果がまったく違ったよねぇ。これは何でだと思う?」
 
この質問に、幸せに豊かに生きる秘訣が集約されていたことはあとで知ることになるが、このときは意味がさっぱりわからなかった。
 
結論から言うと、幸せで豊かな人生を送るためには、「在り方」が大切なのだ。
 
和平さんからテクニックを学ぼうとしても、和平さんのもとにはあまり開いた形跡のない『会社四季報』数冊とノート数冊しかない。これはテクニックを学んでも意味がないということだと理解するのに時間はかからなかった。
 
それよりも、和平さんと生活をともにするうちに、その生き方がものすごくユニークでかつ愛に溢れていることに気づかされた。
 
花咲爺は「在り方」がまったく違ったのだ。
この生き方や在り方は、投資の世界だけでなく、経済的にも精神的にも豊かに生きようとする人たちへのたくさんのヒントとなるに違いない。
 
本を読んでいるあなただけでなく、あなたの周囲の人たちの生き方も豊かにしてしまうヒントだ。
 
現に、和平さんの生き方を僕の友人、コンサルティング先のクライアントたちに伝えてみたところ、みんな幸せを感じながら豊かに成長し、大きな花を咲かせ始めたのだ。
 
あなたには、どんな花が咲くかって?

それではお待たせしました。
あなたらしい花を咲かせる、日本一の個人投資家、いや日本一の花咲爺・竹田和平さんの個人レッスンを、これから僕と一緒に受けてみよう。
 
2014年6月 本田晃一

 

序章…出会い…
理想の師匠に最短でアクセスする方法

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この人が日本一の投資家かっ!

『日本一の投資家とマブダチになりたい!』

三四歳のとき、友人の山本時嗣君から聞かれた。
「晃ちゃん、竹田和平さんって知ってる? 今度名古屋で講演会やるんだけど、興味あるかな?」

「あー、日本一の個人投資家と呼ばれてる人でしょ。日本のウォーレン・バフェットとか言われる人だよね。もちろん興味あるけど、どんな講演会なの?」

「二〇人くらいの少人数で和平さんを囲んで、お話ししてもらうんだけど……」
「え? それ、超贅沢な企画じゃない? アツイね?! 行く行く! いつ? 俺を二〇人の枠に入れて声かけてくれたんだね。超ありがとう!」

まだ二〇代の気分を捨てきれないでいた僕は、こんなノリで和平さんの講演会への誘いに二つ返事で応じたのだ。
 
正直、このとき竹田和平さんについては「日本一の個人投資家」と呼ばれてることくらいしか知らなかった。
 
今までたくさんの成功者と呼ばれる人に会ってきたけど、竹田和平さんのようなすごい人の話を聞いても、自分の人生に活かせるかどうか、正直自信がなかった。
 
あまりにも住む世界が違うと思ったからだ。
それでも、ちょっと値上がりしそうな銘柄を教えてもらえたらラッキーだよなぁと、なんともスケベな心をもちながら、一カ月後名古屋へ向かう新幹線に乗り込んだ。
 
講演会場でドキドキしながら待っていると、作務衣を着て恵比寿様のような笑顔で和平さんが出迎えてくれた。
 
おおおー、この人が、日本一の投資家と呼ばれてる人かっ。
 
超頭脳明晰な鋭い目をした人を想像していたのだが、(こんなこと言ったら大変失礼だけど)頭脳明晰というより、ニコニコしている、ほんわかした雰囲気の人だった。
 
親しみのある笑顔と名古屋弁で「よ〜来たね。いらっしゃ〜い」と、それは拍子抜けするというか、僕のような普通の人までも、昔からの友人のように出迎えてくれたんだ。
 
講演会では、徳の大切さを話された。

聞けば聞くほど、そりゃ徳って概念、大切だよね。でも、全然考えたことなかったなーと感心しつつも、投資方法の話とかいつするんだろう? なんて勝手に期待しながら呑気に聞いていた。
 
しかし、講演会の最後に和平さんがビジョンを語り始めるやいなや、「これは、和平さんとマブダチにならないとっ!」とカミナリに打たれたような衝撃を受けたのだ。

「今から徳が大切になる時代がくるでねぇ。
で、わしは徳を学び合う学校をつくろうと思っとるのねぇ。
 
学校といっても、生徒をしばりつけるようなものではなくてね。自然の豊かな場所で、芝生の上でバーベキューでもしながら、徳について語り合うがねぇ。みんなで仲良くそこに泊まってさぁ。

そうしたらみんな、楽しく学べるよね。楽しいともっと学べるよね。
そのために、わしの私財一〇〇億円使うて、徳を学び合う学校つくろうと思うねぇ。
 
天はなぁ、わしによう儲けたなぁと言っとるよね。今度はどんな使い方をするのかと見とるよね。わはははは」
 
これを聞いた瞬間、鼻血が出そうになった。
なぁにぃぃぃぃ! 僕の夢に近いじゃないか! しかも予算一〇〇億円?
 
しかも、スーパー億万長者の成功者が師として登場する。
こ、こ、こ、これは!!!
 
マ、 マ ブ ダ チ に な ら な い と ……
 
なぜ、僕はマブダチになりたいとまで衝撃を受けたのか?
当時、僕にどんな夢があったのか?
僕は、キャンプ場とペンションを備えた施設をもちたいと考えていたのだ。

 

『放浪の旅で人生観が変わってしまった』

ここで、少しだけ自己紹介。
僕は一〇代の後半でドロップアウトしてしまった。
 
推薦枠の作文で入った短大に将来をみいだせず、在学しながら予備校に通い、もっといい大学を目指した。
 
しかし、予備校の授業は面白くなく(そもそも受験勉強に面白さを求めるのもどうかと思うが)、なぜか五〇㏄の原チャリを改造することに夢中になって、一二〇キロのスピードが出るスクーターをつくったりして遊び呆けていたのだ。
 
当然大学に受かるはずもなく、通っていた短大すら除籍になった。そもそも英語の偏差値が三八から一向に上がらなかった。
 
結局フリーターになり、バイトで金を貯めて、自転車に乗ってオーストラリアを横断したり、東南アジアをバックパッカースタイルで旅をしたりしていた。
 
そんな旅のなかで、安宿やキャンプ場で人生を謳歌しているさまざまな人と出会い、日本で知ることができなかったいろんな幸せを知った。お金がなくても人生の時間をとことん遊び尽くす達人たちに毎日出会った。これは、精神的な豊かさを学ぶいいチャンスになった。
 
達人たちと出会って、僕の人生観は大きく変わっていった。
 
当時、勝ち組とか負け組とかいう失礼な言葉はなかったけれど、人生は笑った数が多いほうが勝ちだよなぁ、同じ生きるなら、とにかくハッピーに笑って過ごしたい、笑う数を少しでも多くできたらなぁ、そんなふうに思うようになったんだ。
 
二三歳の僕の旅の手帳にはこんなことが記されている。
「俺の生きる目的は、腹の底から笑う時間をたくさんつくることだ」
放浪しながら空を見上げては、いつもそう思っていた。
 
この頃は、自分を成長させようとか向上させようと思うことはほとんどなく、いかに今日を面白おかしく生きるかだけを考えて過ごしていた。
 
しかし、金銭的な豊かさを知っている旅人に出会って、少し自分の考え方が変わった。
オーストラリアの安宿に泊まっていたとき、アメリカからやってきた青年が、こう言い放ったのだ。

「僕は会社を売却して、一生遊んで暮らせるお金があるんだ」
う、うさんくせー。
 
あー出た出た。こういう嘘つき、旅をしていると定期的に現れるんだよなー。
 
でも、せっかくだから、からかってたかってやろうと、仲良くなってあれやこれやご馳走してもらったのだ。僕は自転車で旅をして、いつも腹を空かせていたので、これ幸いと、その青年をそそのかして、たらふくご馳走になった。
 
そんなあるとき、そのアメリカ人青年が見たこともない色のクレジットカードで支払うのを見た。
 
こいつ、本当にお金持ち?

「ごめん、疑ってたけど、君、リアルミリオネアみたいだね。どうしたら、俺もそうなれるんだろう?」

「簡単だよ、金持ちの周りをウロウロするんだよ。するといろんなチャンスが落ちているのさ。彼らを師匠にして教えを請うといいよ」

「えー、どうやってウロウロすんの? いろんなチャンスをくれなんて言うの、図々しいじゃん!というか、そんな簡単に教えてくれるわけないだろ!」
 
僕はこう言ったのだが、彼の考え方を聞けば聞くほど、なるほどと思うことが多かった。詳細は次の章で書くが、僕はこのアメリカ人に、師匠(メンター)にいかに出会い、いかに学ぶかの秘訣を教えてもらった。これが、のちにとても役立つこととなった。

 

『成功者を師匠にして助言を仰ぐ』

そして二五歳が終わろうとする頃、放浪の旅を終えて帰国した。
愕然とした。
 
父の名誉のためにあまり語りたくないのだが、父の経営する会社がバブル崩壊の煽りを受けて大変なことになっていたのだ。
 
僕は奮起して、会社の立て直しに奔走した。しかし、短大除籍のフリーターで、ビジネス経験のない僕が、奮起したところで何をしてよいのかさっぱりわからなかった。
 
ところが、幸いなことがあった。
父の経営する会社のお客さんは富裕層が多かったため、僕は、多くの成功者と呼ばれる人たちに出会うチャンスに恵まれたのだ。
 
安宿で出会ったアメリカの青年のことを思い出し、成功者の周辺をうろつき、勝手に師匠にして助言を仰ぎまくった。どうしたらうまくいくのか、と。
 
僕は成功者に助言を受けながら、二年かけて父の会社のホームページをつくった。そして開設すると、初年度からいきなり一〇億円を超える売上げになった。ホームページを通してどんどん取引が増えていったのだ。
 
今でこそ、ホームページの年商が一〇億円というのはあちこちにあるが、そのときはまだ日本でインターネットが普及したばかりの二〇〇〇年だった。
 
当たり前の話だけど、短大除籍でフリーターの自分の力だけでは、こんなことが実現するはずがない。師匠の存在は大きかった。いかに師匠に出会い、師匠から学ぶか、それが人生を大きく左右するのだと僕は痛感した。
 
こうした経験を踏んで、僕は一つの夢をもつようになった。
それは宿泊施設をつくることだった。
 
若者が師匠と出会う場があったらすごいことになるんじゃないか?
そんなことを漠然と考えていたのだ。

 

お役に立てることを考えてみる

『どうしたらマブダチになれるか』
 
僕の人生、一〇代の頃は半分捨てたようなもんだった。
それでも、二〇代半ばの安宿での出会いが人生を大きく変えた。
 
二〇代最後に信じられないような成果をあげることができた。
だから、三〇代に入ると、「今度は自分の番だ!」と強く思うようになったのだ。
 
若くてお金がなくて自分が何者かわかっていないような、当時の僕みたいな自分探し君と、成功した友人たちを一緒に泊まらせて、芝生の上でバーベキューでもしながら交流したら、若者たちはいい刺激を受ける。
 
僕が受けた恩やチャンスを、次に流す機会をつくれたらいいなと思っていたのだ。

緑の美しい場所で、芝生の上でビールを飲み、バーベキューしながらだと、どっちが上とか下とかなく、対等に話せて仲良くなれる。そして深く学べる。
 
普通、師匠の前では恐縮してしまう。しかしそれだと教えは自分のものにならない。恐縮していると、どんな教えを聞いても自分とは関係のない世界だと思ってしまうからだ。師匠と仲良くなってお互いの腹を割ると、同じ人間なのだなと思えてくる。するとようやく、師匠の教えが自分のものとして消化されていく。
 
そのためには、リラックスして楽しく語れる場所が必要だ。「そんな施設がもちたいな」と僕は思っていたのだ。
 
だから、講演会で和平さんのビジョンを聞いたときに、鼻血が出るんじゃないかと思うほどトキメイタのだ。そして、マブダチにならないと! と強く思ってしまった。
 
いやね、倍以上年上で、しかも資産規模一〇〇倍の方に、「マブダチになりたい」なんて思うのが失礼なのはわかってる。でも、思っちゃったものはしょうがない。
 
どうしたらマブダチになれるんだろう?

「あ、いきなりマブダチは失礼だから、まずは普通のお友だちから」と恋する乙女のような心境だったが、この瞬間から、どうしたらマブダチになれるのか、密かに頭を一休さんのようにフル回転させていた。
 
すると、和平さんはこんな話をしたのだ。
「いきなり学校を運営する前に、今はインターネットの時代だがね。だからなぁ、メーリングリストを使って徳について論じ合おうと思っとるのね。
 
今はみんながインターネットを使いバーチャルでつながっとるし、いつでもどこでも徳について学び合えるからええねぇ」
そして、徳について学びたい人を募集したいというのだ。
 
うぉぉぉぉ! これだ。お役に立てるではないか!!
 
当時、僕の発行するメルマガwww.hondakochan.com には、一万人を超える読者が登録していた。そこでスグに、「和平さんのところで徳を学びませんか?」と書いた。
 
僕だって学んでみたいし、僕のメルマガ読者さんも喜ぶはずだ。

そしたら、多くの方が和平さんのホームページにメールアドレスを登録し、学び始めたのだ。

 

『純金のメダルが届いた!』

しばらくすると、僕が初めて和平さんと出会った講演会の企画者、時ちゃん(山本時嗣君)から電話が入った。

「いや?和平さん、ものすごく喜んでくださってねー。晃ちゃんにプレゼントを渡してほしいと言われて持ってるんだけど、いつ暇かなぁ?」
 
え?プレゼントって何? 何?
 
さっそく時ちゃんと会い、お礼を言った。
「おぉぉ?、ありがとう! 僕のほうこそお礼を言わせてもらいたいんだよ?。
 
だってすごーくいい情報を教えてもらってさ、僕のメルマガ読者さんもすごい喜んでくれてると思うんだ。だから僕も嬉しいし……。プレゼント早速開けてもいい?」

ごそごそと白い分厚い封筒を開けると、桐の箱が出てきた。
その桐箱を開けた。

「おぉ?、金色のメダルだぁ?。裏に僕の名前が書いてある!
感謝賞とも書いてる! 和平さんのお名前も! 嬉しいねぇ」
 
直径四?五センチくらいのズシリと重い金メダルを手にしながら、クルクル回して「ピカピカできれいだねぇ?」と言ってると、時ちゃんが言った。
「それ、全部純金です!」

「へ?」
「それ、全部純金です!」
「へ?」
「だから、全部純金です!」
「へ?」
「はい、全部純金です」

「これ、コインサイズじゃなくてメダルサイズだよ。

大きいよ。ずしっと重いよ。ぶ厚いよ。
本物の金だったらすっごいお高いと思うのですが……」
 
ビビってしまって突然敬語になってしまった。そして時ちゃんがひとこと。
「でしょうねぇ(笑)」

「重い、重いよ。これって金だからこんなに重いの?
金なんて持ったことないからわかんないけど、あああ、鼻血が出そうだ。
 
い、いいのかな、こんなすごいのもらっちゃって。だって、メルマガで紹介しただけだよ。えーえーえー(頭の中で消化できてない) へ? へ? へ???」
 
マブダチになりたいと言っておきながら、金メダルをもらってうろたえる小市民な自分の小ささを感じながら、めちゃくちゃ焦っていた。
そんな小市民を気にせず、時ちゃんは話を続けた。

「この白い腹巻にメダルを入れて、お腹の周りに巻いておくと、いろいろないいことが起きるそうなんだ。和平さんが、住宅会社の支店長にプレゼントしたら、営業成績が急激に伸びて、その支店長はあっという間に社長まで上り詰めたそうだよ。
 
和平さん自身もつけてらっしゃるようだよ」

「はぁ、はぁ、左様でございますか。
あの、開運グッズってあまり気にしたことないんですけど、あ、開運グッズだなんて軽いコトバ使っちゃ失礼だな。だって、こ、これは効きそうだ。だってだってよい出来事、すでに起こってるではないか!」
 
僕がコーフンしていると、同じようにコーフンしながら時ちゃんが言った。
「これつけて寝ると、黄金の夢が見られるそうなんだ?。僕もいただいて持ってて」

「で、見た? 見た?」
「興奮して寝れなかった(笑)」
「ぶははははは(爆)。僕も今夜は眠れないよ?、寝返りも打てないし! 打ってつぶしたらバチが当たりそうだ」
 
さっそく装着してみると、なんかすごい。
なんだかよくわかんないけど、なんかすごい。
そう、この感覚は……。

初めて仮面ライダーベルトを装着して滑り台の上に立った幼稚園の頃と同じ感覚だ。空を飛べそうだ。ショッカーを全部やっつけられそうだ。地球と人類の平和のために何かできそうだ。
 
そうだ、これをつけて、世の中をよくしていこうではないか!
二〇代のノリを捨てきれない三四歳の僕は、このとき一〇歳以下の子どものような、純粋な気持ちになっていた。
 
そして仮面ライダーとなった僕の次の行動は、世界に向かったのではなく、実家に向かった。自分の家にはない、あるものを探しに実家へ行ったのだ。
 
僕は実家にあるキッチンのグラム計量器に、こっそりと純金メダルを載せて重さを量り、電卓に今の相場を入力した。そして、金額を見るなり再び鼻血が出そうになった。
 
一〇歳以下の少年と言いながらも、こういったときは汚れた大人に戻るのだった。

 

『三〇倍返しのお礼』

僕はいただいた金の重さにニンマリしながらも、再び頭を悩ませた。

お 返 し ど う し よ う ・ ・ ・
 
だって、日本一の個人投資家だよ。
おいしいものや高価なものなんて、簡単に手に入るんだぜー。
どうしよう……。
 
僕は、再び一休さんのように頭をフル回転させた。
そして、おもむろに、椅子を二つ向かい合わせに用意して考えた。
この方法は、相手の気持ちを一人で知ることができるエスパーみたいな手法だ。

学生時代、演劇部に所属していた友人がよい役を演じるのに効果的な手法だと言って教えてくれた。こうすれば、自分の役と共演相手の役の気持ちを深く理解できるというのだ。これは演劇だけでなく、実生活でもかなり役に立つ。この手法でラブレターを書いた同級生が何人かいたくらいだ。
 
まず、一つの椅子に自分が座り、和平さんから金メダルをもらってすごく喜んでいる自分を思いっきりやってみる。
 
そして、もう片方の椅子には相手(この場合は和平さん)が座っていると仮定する。
次に、この椅子に自分が座り、和平さんの気持ちで考えるのだ。
すると、こんな気持ちになった。

「おお、若者よ、喜んでるな。喜んでもらって嬉しいぞ!」
(本当は、喜んどるがね〜と言いたいところだが、この頃はまだ、名古屋弁を喋れるほど、名古屋通ではなかった)
 
そして見えてきた! なるほど、和平さんは純粋に目の前の若者を喜ばせたかったんだ。じゃあ、素直に「すげー嬉しいです!」という姿を見せるだけで十分なんじゃないか!? そんな気持ちになれて気分が楽に、そして楽しくなった。
 
そして、一つの作戦を思いついた。

「相手は日本一の個人投資家だろ……。よし、すごい配当をつけてお返ししたら絶対喜ばれるはずだ?」
 
僕は五日間に友だち三〇人を家に招いた。一度に二〇人以上呼んだ日もあれば、数人の日もあったが、友人を招くたびにドヤ顔でこう言い放ったのだ。

「みんな、この純金メダル見てくれ! 日本一の個人投資家と呼ばれる竹田和平さんからいただいたのだ。すげーだろ!」
 
友人たちが家に来るそうそう、水戸黄門の印籠のように見せつけた。
 
すると、みんな初めて印籠を見た町の衆のように恐れおののき、ぶったまげるようなリアクションをとるのだ。つかの間の黄門様気分を味わえた。

「よし! すげーだろ! これをみんな手に持て、腹に巻け!
日本一の個人投資家からいただいた金だ。超幸運がやってきそーだろ?」
 
あたかも自分が純金メダルをあげたかのようにみんなに自慢すると、みんなも、まさか黄門様の印籠を持たせてもらえるとは! というようなリアクションをし、感激したり緊張したりしたあと、満面に笑みを浮かべる。
 
それをすかさず写真に撮り、三〇枚の笑顔の写真をお礼状と一緒に和平さんに送った。

 

『和平さんからの手紙』

どーだ、これで三〇倍返しの配当だぞ。日本一の個人投資家さんだから、大きな配当でお返ししないとな?。うふふ。

するとすぐに、上質な和紙の封筒が届いた。
差出人の欄には、達筆な毛筆で「竹田和平」と書かれていた。
ドキドキしながら封筒を開けると、次のようなお手紙が入っていたのだ。
  

本田晃一様
  
こんにちは いつもご厚意を賜り ありがとうございます
第三回貯徳問答講の講生募集には 偉大なご協力を賜り
予想をはるかに超える発展と 夢が大きくふくらみましたこと
とても嬉しく 有難く 涙がこぼれそうでした
  
ともかく感謝のしるしと
時嗣さんに 恵美寿金メダルを託しましたところ
いままでにいただいた最高の 感謝の言葉を賜り
驚きの感激に 何度も読み返し 皆様の喜びの姿も
驚きと感激で 受け取らせていただきました
  
そして メルマガも拝見し 晃一さんが日本一の自動販売の
天命を帯びた人であること 知りました
  
そこで 晃一さんこそ 私が二〇年
探し求めていた人材であることに 氣づきました
  
日本一どころか 世界一の商品でもある純金百尊家宝の
世界中への自動販売の社長さんを お引受け下さること
どうかご検討下さい お願い申し上げます
  
純金百尊家宝 及び 純金福わ内は
変わることなき永遠の商品であり
その目的は 家興し 福起こしにあり
永遠の需要に根ざしています

本田家 竹田家が合体して 子孫が永遠に
世のため人のために働く根拠を 残すことはいかがでしょうか
  
森永家と松崎家の合体により 森永製菓が発展し
両家が交互に社長と副社長を務めつつ
両家が繁栄している姿が 一つのモデルです
  
それから ご紹介により応募された方で
四二名様が受付作業が間に合わず 九月の第四回に
廻っていただきましたこと ご免下さい
  
第四回は 最大で一〇〇〇名受け入れを望んでいます
次回の講生募集にも どうかご協力をお願い申し上げます
  
私は貯徳講で旦那(リーダー)の育成と
ありがとう講で世界の平和に 余生を盡くすことに
最高の幸福を感じています
今後ともご協力を賜りますよう 宜しくお願い申し上げます
ありがとうございました               竹田和平
 
和平さんは涙がこぼれそうななか、僕は涙ではなく、再び鼻血が出そうになっていた。
 
なお、和平さんが「自動販売の社長さん」と書かれたのは、僕がブログの自己紹介の欄に「駄菓子屋で買い物をした時、店の前の自動販売機でジュースが売れるのを見て、『この自動販売機は、駄菓子屋のおばあちゃんより稼ぐ! 自動販売機は超高性能ロボットだ!』と勘違いする。幼稚園で書いた作文に、『将来の夢は自動販売機会社の社長』と宣言する」と載せているのを読まれたからだ。
 
当時七三歳の日本一の大投資家が、僕のインターネットのページを探し出してわざわざ見てくださったのだ。
 
こうして、竹田和平さんとのご縁が始まった。

 

「人生の地図」を手に入れるために

『理想の師匠に出会う五つのステップ』
 
さて、これから和平さんのレッスンを受ける前に、学びを実践しやすくするためのポイントをいくつか伝えたいと思う。これを知っていれば、和平さんの教えを理解できるだけでなく、自分が目指す方向にいる師匠に出会う機会が増えるだろうし、より深く学べると思うからだ。
 
僕は二〇代の半ばまで、理想の師匠に出会えなかった。

そもそも人から学ぼうという姿勢がないから、師匠となる人が現れても素通りしてしまう。成功した人から学びたくないというのは、自分より成功している人が目の前に現れると、自分のなかにある何とも言えない敗北感があぶりだされ、ケッという感じがしちゃって反発するか、どうせ自分なんてとイジケルかのどちらかだったからだ。
 
僕はそんな状態から、理想の師匠に出会いまくり、素直に教えを請い実践できるようになるまで、いくつかの経験を踏んできた。
 
ざっとそのステップをあげると、次のとおり。
 
①成功していない自分も好きになる
②自分を育ててくれた人との関係を少しでも改善していく
③師匠から教えを引き出すコツを知っておく
④学んだことは、すぐに周囲の人に伝える
⑤行動したあとに師匠は現れる
 
これができるようになると理想の師匠に出会い学びやすくなるのだが、僕は、できるようになるまでに多くの時間を費やしてしまった。一〇代半ばから、二〇代半ば過ぎまでできずに、とても苦労した。
 
僕みたいに無駄な時間を費やしてほしくないので、その経験談を少し紹介する。繰り返しになる話もあるけど、読んでほしい。

 

『自分を好きになることから始める』

まずは「成功していない自分も好きになる」こと。
僕は二三歳になる頃、自転車でオーストラリアを一周する旅に出た。
 
それまでは、作文で入った短大に将来をみいだせず除籍になり、会社ごっこをするもうまくいかず、フリーターをしていた。
 
そんなとき、バイト先の先輩からオーストラリアをオートバイで一周して帰国した話を聞いて、突如自分もやりたくなったのだ。バイクではなく自転車を選んだのは、より大きな成功体験がほしかったからだ。
 
当時、フリーターをしながら同級生と話していると、会社で部下をもち始めた話を聞いて何となく焦っていたし、自分はいつも挫折ばかりでものすごい自己嫌悪があったんだよね。この自己嫌悪を克服し、自分を好きになるには、何か大きな成功をしないといけないと思っていたんだ。
 
オーストラリアを自転車で一周したら、それは大きな成功体験になって、自分LOVEになれると思った。

ところが、自転車でオーストラリア大陸を横断したところで挫折して車を買ってしまった。横断するだけで五五日もかかり、自転車が途中で嫌になっちゃったんだ。それで、車に乗り換えて旅をしながらも、自分はダメだなーと、何とも言えないもやっとした気持ちだった。
 
そんなあるとき、宿泊地の小さな町の酒場で飲んでいると、酒場の男たちが自分の失敗談を楽しそうに話していた。
その輪の中に入って、僕も話してみた。

「俺は島国から来た日本人だ。地図を見たらオーストラリアも島に見えてね。それで自転車で一周しようとしたんだけど、横断するだけで五五日もかかった。そこで、ようやくこの国は島じゃなくて大陸だと気がついて、今では車で旅をしてるんだ」
 
こう話すと、一同大爆笑。
お前の話が一番面白い、ビールは奢るから好きなだけ飲めって言われた。僕も一緒に大笑いして、今までもやっとしていたものがすっと消えていったんだ。
 
このとき、初めて自分を好きになるってことがわかった。
 
それまでの自分は、成功したら自分を好きになれると思っていたけど、ほんとは反対で、失敗した部分を受け入れたら初めて自分を一〇〇%好きになれる。
 
生きていれば成功も失敗も常にしていくものだから、成功した部分だけを受け入れても、それは自分の半分しか好きになれていないってことだったんだ。
 
のちに、このときのことを友人で作家のひすいこたろうさんに話したら、「人は長所で尊敬され、短所で愛される」と言われた。うん、ほんとこの通りで名言だと思う。
 
自分の嫌な部分は、少し角度を変えて見ると、愛されるものになったりする。このことは、前著『自分を好きになれば、人生はうまくいく』(サンマーク出版)に書いたので、興味のある方はそちらをどうぞお読みください。
 
失敗した自分にOKが出せて好きになると、自分より成功した人を見ても、自分のできていない部分が気にならなくなってくる。
 
嫉妬することもなくなるので、対抗心を燃やしたりいじけたりすることもなくなり、素直に学べるマインドになっていった。

 

『成功者から話を聞き出す「ズバリの質問」』

理想の師匠に出会いやすくなるために次に必要なことは、「親や先生など、自分を育ててくれた人との関係性をよくしていくこと」だ。
 
僕は一〇代の頃、父や母との関係があまりよいとは言えなかった。親の言うことが愛情だとは思えないというか、面倒だなぁと思うことが多くて。
 
ところが、それも愛情表現の一つだったんだなぁと気づくと、愛されてる感がベースとなって、目上の人から素直に学べるようになっていった。そのきっかけについてここで詳細を書くと長くなって、和平さんの話になかなか進めなくなるので、あとで話すことにしよう。
 
師匠が見つかったら、導いてもらいたい。
じつは、成功された方から話を聞き出すのは意外と簡単なのだ。
僕はこんなふうに聞き出した。

「どうやったら、あなたのような生き方ができるのでしょうか?」

この質問に尽きる。

成功した話やうまくいく秘訣を聞き出すなんて、ハードルが高いと思うかもしれないが、実際は全然違う。なんだかんだ言って、人は自分の成功譚や武勇伝を話すのが大好きなのだ。
 
父の仕事はゴルフ会員権の売買だ。帰国後その仕事を手伝い始めたとき、僕はゴルフ会員権を買われるお客様に、営業そっちのけで質問した。

「どうやったら、あなたのような生き方ができるのでしょうか?」
 
お客様は、趣味のゴルフに数千万円ものお金を使って会員権を買うのだから、仕事に成功している人が多かった。そうした方の話を聞きながら、目をキラキラ輝かせ、リアクションを大きくして頷くと、大抵の人は饒舌に語ってくれる。
 
こうして僕は、会員権をご購入いただいたお客様から成功の秘訣を聞きまくり、ノートにメモをどんどん書いていったのだ。
 
ただ、僕は字が汚い。大人になったら誰でも字はキレイになるもんだと思っていたのだが、汚いまま大人になってしまった。ただでさえ汚い字だから、ノートに速記した字は、自分で読めなかったりする。だからこっそり録音をしていた。
 
最初は録音していいですか? と聞いていたが、録音機を前にすると、ほとんどの人がかしこまって話が面白くならないので、こっそり録音した。当時の携帯電話は大きかったので、中古の携帯本体を買って分解して、中身を録音機に入れ替えたのだ。
 
携帯をおもむろに机に置いて、スパイのように録音していた。
今考えるとお客様に申し訳ないのだが、あの頃は父の会社を盛り上げるために、どうにかして成功したい一心だった。
そして帰りの電車で何度も聞き返した。
 
二時間くらいぶっ通しで語られ、「うう、トイレにも行きたいのに」と思ったことも何度かある。
そうそう、字が汚くて読めなくてもノートに取ることは大切だ。
 
すごく重要な場面では、
「社長、ごめんなさい! ちょっとゆっくり話してください! 今のところはものすごい重要ですから、全部メモしたいんです!」

じつは録音しているのだが、こんな感じで盛り上げていった。
そして、聞いて学び取ったことを仲間に語った。
これが四つめのステップだ。

僕の周囲には二代目社長を務める友人がたくさんいたので、彼らに、成功者から教えてもらった話をした。そして友人たちに、その社長への質問や感想はないかと聞き、集めた質問や感想をもって、そのお客さんに再会した。

「社長の話を仲間に話したら皆感動しました! 質問を預かってしまったので、うかがってもいいですか? それと感想もあるのでお伝えしてよろしいでしょうか?」
 
そんな話をすると、再び気をよくされて、いろいろ語ってくれるのだ。
とある社長さんは、自腹でホテルのスイートに食事を用意され、僕と友人たちを招待して話をしてくださった。

 

『社長だったら、どうします?』

僕は、師匠の師匠と出会う方法も編み出した。

「社長の話にすごく感銘を受けました。社長に影響を与えた方は、どんな方なのですか?」と聞くと、「ああ、〇〇さんと言ってねぇ。それは素晴らしい考えをされてる方で……」「そーですかぁ。そんな素晴らしい方なら僕も会ってみたいなぁ」とポツリとつぶやく。
 
すると、「あ、来月一緒にランチをする予定だけど来る?」と招待されることがあった。
 
ランチに同席させていただくときは、その社長の師匠に向かって「今日はありがとうございます。昨日から眠れませんでした。こちらの社長さんから、〇〇さんの、こことそこと、あれとこれと、と素晴らしいエピソードをたくさん聞いていたので、何かを学びたいというよりも、とにかくお礼を言いたいと思っていたのです」
 
こんなことを言うと、紹介してくれた社長さんの顔も立つし、社長さんの師匠も快くいろいろな話を聞かせてくれた。
 
こんな感じで成功された方から、成功の秘訣をとにかく聞きまくったのだ。そして、自分で解決できない問題や課題も、その社長さんたちから答えを教えてもらった。

「今、自分はこんな状況で……」と話したあとに質問をする。次のように聞くのだ。

「社長だったら、どうします?」
 
この一言で、相手の頭を貸してもらうことができるのだ。自分よりはるかに優れた頭脳を拝借できてしまう。
こうして、いろんな困難を助けてもらいながら成功していくことも可能だ。

これらの話もすぐに周辺の友人たちと共有していくのだ。すると、不思議と運が味方してくれる。
 
イメージで言うと、周囲の人によい話を伝えると、周囲の人が胴上げをしてくれるような感じになる。すると、雲の上の人がぽんと見つけてくれる。そして雲の上の人が、ふっと次のステージに引き上げてくれる。
 
こうして人生はバージョンアップしていくような気がする。これは四一歳になった今も変わらず感じていることだ。

 

『短期的な成功で終わってしまう人の特徴』

多くの成功者と会っていくうちに、短期的な成功で終わってしまう人と、長期的にずっと幸せに成長していく人がいるのがわかった。
 
お客様に対してこのようなことを言うのは失礼だけれど、ゴルフ会員権を手放される方のなかには、昔栄華を誇られていたが、今は大変な状況になっている方も多くいらっしゃる。

そんな方に、なぜ失敗されたのか、その話も聞き出した。
当然、二〇代の若造が失敗した理由をいきなり聞くと大変失礼になる。相手はお客様なので、礼儀正しくしながら本音をうかがった。

「この会員権をもつことは、次に手にされる方にとって大きな夢でした。この会員権は誰もが憧れる名門中の名門です。次にこの会員権をご購入される方に、前の名義人の方がどのように素晴らしい方なのか、そのエピソードを添えて渡すことができたらいいなぁと考えています。
 
差しさわりのない範囲で、お話をおうかがいできますでしょうか?」
そうすると、その方の人生で最も輝いていた瞬間から話し始められる。気持ちがだんだんオープンになっていくと、失敗談も話されるようになる。
 
そして、「本田さんは、こういうことしちゃ駄目ですからね」と教えてくれるのだ。
こうして教えていただけると、目の前のお客さんに何とか復活してもらいたいと心底思った。
 
これらの話を聞くことは、むちゃくちゃ勉強になった。
最終的にどんな学びだったかというと、こうだ。
 
身近な人を大切にしていると、ピンチのときに助けてもらえるのだが、身近な人をないがしろにしてしまっていた。それで、ピンチを乗り越えるのが難しくなった。だから身近な人を大切にすることがまず重要だ。
 
この学びを父に話すと、こんなエピソードを紹介してくれた。
父が、ホンダの創業者・本田宗一郎さんの会員権を買い取らせていただいたとき、本田さんはこうおっしゃった。

「次に買われる方のお名前を教えていただけませんか。お礼状を書きたいのです。私の会員権を買ってくださる方に感謝の気持ちを伝えたいし、このゴルフクラブは本当に素晴らしく、とても楽しませていただきましたから、そのことも手紙に書きたいのです」。
 
父は、「ここまで感謝を表し、人を大切にされる方は初めてだ」と大変驚いたと言う。
 
僕がほしかったのは、こういう人生の地図だった。
どういう道を走ったら、どういう結果が待っているのか?

自転車で旅をしていたとき、ジャングルや砂漠も走ったけれど、地図を持たずに走ったことはない。入念にルートの情報収集をしておかなければ、命に関わるからおっかないのだ。

人生もそうだ。地図が必要だ。
だから、どの道が大丈夫で、どの道が危険なのか事前に知りたかった。

どの道を行くと、どんな結果が待っているのか。それは先人から聞くのが一番なのだ。
成功した方から学べるのは、道の選択方法と失敗したときのリカバリー力だ。
僕は、とにかくこれらを聞きまくって白地図を埋めていった。
 
こういうことをお客様に言うのは大変失礼だが、毎日人生の浮き沈みを見ていると、現在成功されている方を見たとき、この人は三年後すごいことになってる! とか、あ、大変な方向に向かってるよなぁ……なんてことが、見えるようになってきた。
 
取引先の社長さんの会社に行くと、入口に入っただけでその社長さんの夫婦関係が感じ取れるようになってしまうのだ。
 
入口が妙に豪華だと、愛人がいそうだなぁとか、和気あいあいとした社風だと奥さんとも仲がいいんだろうなぁと、なんとなく勘みたいなものが磨かれていく。
 
毎日成功者と呼ばれる方と出会いながらも、幸せに生きている人と、そう見えない方がいっぱいいたのも事実だ。
なぜ人はうまくいったり、そうでなかったりするのだろう?
 
どうせなら、自分は短期的な成功で終わるのではなく、長期的に、そして幸せをずっと感じられるようにしたい。そのためにはどうしたらいいのか?
その人生の地図がほしくなった。
 
自分が動き出そうとすると、地図を求めたくなる。すると不思議なことに、その地図を持った人と出会ったりする。
そう、これが五つ目のステップだ。
 
師匠は、行動すると現れるものなのだ。
師匠は待っていても現れることはほとんどないし、現れても気がつかないで通り過ぎてしまう。
 
あとにわかるのだが、和平さんが持っていた地図は別格だったのだ。
その地図のスケールはハンパなくでっかいものだった。ただ、出会ったそのときは、どんなサイズかは見えなかった。
 
それでも、何か自分のなかの動物的な感覚がワクワクしていたのは、鮮明に覚えている。そして、和平さんから受け取った手紙のなかに、その地図が隠れていたことをあとで知ることになった。

 

第1章…お金…
和平さん、どうしたら「幸せなお金持ち」になれますか?

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日本一の個人レッスンが始まった

『「いかに稼ぐか」と「いかに与えるか」』

和平さんからの手紙を受け取り、さっそく時ちゃんと一緒に和平さんのところへ出向いた。

「よう来たね〜」
講演会のときと同じ、あの笑顔だ。
僕がほしいのは、いつもあの笑顔で過ごせる生き方なのだ。僕は人生をたくさん笑って過ごしたいのだ。

「以前から夢に思っていた山荘の土地を購入したんだよ。一万二〇〇〇坪の敷地でね。そこで貯徳問答講(徳を論じ合う会)を開いて、徳の大切さや『ありがとう』と言うことの大切さを伝えたいんだよ」
 
そーですかっ!

「これから一〇〇億円使うつもりだでね。だってね、一〇〇億円使って一〇〇万人に伝えれば、とても豊かになるでねぇ。そしたら、すごい経済効果だでね。日本は世界から尊敬される国になりおるよ。わはははは」
 
そーですかっ‼

「このあと一緒に晩ご飯でも食べんかね」
 
そーですね‼
 
とにかく、話のスケールやら発想やらがぶっとんでいた。だから、返答はヤンキーの下っ端みたいに「そーですかっ!」を連呼していたのだ。

そして和平さんの運転する車の助手席に座り、僕が運転して和平さん後ろじゃなくていいのか? とすごく恐縮しながら、誰しもが知っている超有名なレストランにディナーへとくりだしたのだ。
その名はデニーズ

「好きなもの選んでね」
そうおっしゃる和平さんに、飲み放題のドリンクを頼むのはちょっと気が引けてしまった。ファミレスのドリンクバーで粘るなんて、なんだか学生みたいじゃん。でも、同席した友人の時ちゃんは、普通に飲み放題のドリンクを注文していた。
 
学生のように、デニーズのドリンクバーで粘りながら、「周囲のお客さん、誰もこの人が日本一の大投資家だと気づかないよなぁ」と思うなか、日本一の大投資家であり、日本一の花咲爺である和平さんの、日本一の個人レッスンが再開された。
 
和平さんの話は、「いかに稼ぐのか?」という話はまったくなく、「いかに与えるのか?」という話ばかりだ。

僕も寄付をしたりNPOをつくって社会貢献のようなものをしたりしてはいたけど、和平さんの規模と比較すると小さすぎるよなぁと思ってしまう。
 
ここは、「和平さんのような規模の資産をもっていたら、そこまで与えようってマインドになるでしょうけど……」という突っ込みを入れるところなんだろうけど、とにかく話される内容の何もかもが宇宙人みたいなスケールで、またしてもヤンキーの下っ端のように、「そーですかっ!」を連呼していたのだ。
 
めちゃくちゃでかいスケールの話に圧倒され、さすがに「僕とは関係のない世界の話だな」と思えていたのだ。
 
このときの話を詳細に語りたいのだが、その頃は、まだ和平さんの話を消化する能力がなく、雲の上のおとぎ話のように聞こえていたので、上手に語れない。

「晃ちゃんたち、泊まって行くかね? わしの家じゃなくて、この近くにマンションがあってな、一緒に泊まっていかんかね?」

「はい! 泊まっていきます!」
僕は三等兵のように直立不動で答えた。
 
何度か泊まったことがあるという時ちゃんは、僕とは対照的に「あいあいー。いいですねぇ」と、めちゃゆるい返事をしていた。

 

『日本一の投資家の驚くべき投資ツール』

和平さんのマンションに入る前に、じつはドキドキしていたことがある。
正直に告白しよう。
和平さんの投資の秘訣が手に入ると思ったのだ。
 
和平さんのオフィスには、いわゆる投資に関するものがほとんど見受けられなかった。先に書いたように、『会社四季報』が何冊かと、証券会社のノートというかバインダーくらいだ。
 
日本一の個人投資家なのだから、パソコンが何台もあって、ディスプレイも宇宙船みたいな勢いでいっぱいあってと想像したのだが、和平さんのオフィスにある四台のパソコンはすべて徳を広める活動のために秘書さんたちが使っていた。
 
じゃぁファックスが一〇台くらいあって証券会社からひっきりなしに情報が届くのかというと、一台しかなく、しかも動いている気配がない。
 
そっか!
投資に関するものはすべて、このマンションの部屋の中にあるんだ!
そう、勝手に期待していたのだ。
 
和平さんがマンションの扉を開くとき、それはスイス銀行の地下金庫の扉のように感じた。三等兵の僕は突如もみあげを伸ばし、心の中でつぶやいた。
「ふ〜じこちゃ〜ん」
 
ルパンのような気持ちでドキドキしながらマンションの部屋に入ると新築のいいにおいがした。
ステキなマンションではあるが、とりたてて豪華なわけではない。生活感のまったくない空間で、居心地がいい。
 
辺りを見回しても投資に関するものはほとんどない。『会社四季報』のスモールサイズ版が一冊とバインダー一冊だけなのだ。

え? どうして??? どうやって株価を予測するの???

和平さんが満面の笑みを浮かべながら冷蔵庫から糖質五〇%オフの缶ビールを出してきて、個人レッスンが再開された。
 
ハテナがいっぱいだったが、和平さんは、糖質五〇%オフのビール片手に、袋にかわいいウサギが描かれた幼児が食べるクッピーラムネをポリポリかじりながら、どうしたら周囲の人が豊かになっていくのかを嬉しそうに語り始めた。

話を聞きながら、僕も同じことしたら同じようになれるんじゃないかと、あわててクッピーラムネをほおばった。
なんだかわからないが、まずは形からだ。

 

どうやら「与えるマインド」が大切らしい

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『和平さんの動機の源』
 
その後、マンションに何度通っても、和平さんは相変わらず、どうやったら多くの人が豊かになるのか、徳をどう伝えていくか、とにかく話はその一点なのだ。

「いかに与えるか」の話がほとんどを占めているというか、いつも和平さんの動機の源はそこなのだ。
 
投資の手法は、とくに話したりしない。
別に意地悪で話をしないという感じには見えない。
 
投資の手法よりも、在り方を多く語るのだ。
在り方、とくに「与える」ことが重要なことは僕も知っている。
 
和平さんと出会う前、さまざまな成功者から「与える大切さ」を聞いていた。
成功して幸せそうに見える人は、「与える」という話をよくしていた。対照的に、成功しても幸せそうに見えない人からは、与える話を聞いたことはほとんどなかった。
 
どうやら「与える」ことは、豊かに生きるうえで重要なカギになるらしい。
僕はそれにうすうす勘づき、理解し始め、実行してみると、一気に運が開けたという経験がある。
 
さまざまな師匠に出会う前は、僕は周囲に与えるというマインドより、いかに自分がいい目にあうかを考えていた。
 
どう出し抜き、どううまい汁を吸うのか。
具体的な話はあとで紹介するが、そのマインドで一度はうまくいったのだが、どうにも幸せになれなかった。
 
僕がどのようにして与えるマインドに切り替わっていったかは、おいおいこの本で紹介していくとして、与えるようになって運が開け、幸せになってきたことを感じていた。だから、自分も与えることができる人だと思っていたのだ。
 
いろんな経営者がよく僕のところに相談に来ていたので、僕は周囲とどう分かち合い、どう与えればいいのか、そんな話をした。すると、彼らの人生は好転していった。

それでも、僕は「与える」話よりも「いかに稼ぐか」の話のほうを、圧倒的に多く話していた。
 
しかし、和平さんがするのは、与える話がほとんどなのだ。
僕は、与えるというテーマで語ることができると思っていたが、和平さんと話をしていて自分の小ささに気がつくようになった。
 
和平さんほど与えることができたら、きっと今からは想像がつかないほど豊かになるだろうと、おぼろげに理解できた。
 
和平さんを見ていると、投資手法によって株で勝とうとしているとは思えない。そもそも株で勝つとか負けるとかという認識が大きな誤解だとあとで気づくのだが、この時点ではまだ、ちっともわからなかった。
 
投資手法ではなく、ほかにカギがあるのではないかと思うようになったのだ。
だって、『会社四季報』と一冊のバインダーだけなんだから。

 

『リーマンショックをピタリと言い当てた』

あるとき、「和平さん、これから株はどうなりますか?」と聞いたら、適当な方眼用紙に、適当に削った鉛筆で、

「これからの株価は、こー動いてだね、この辺でどーんと下がって、ちょっとだけ上がって、くしゅんとなりおるねぇ」
とニコニコしながら語った。そして表情を少し曇らせ、

「くしゅんとなりおると、困る人がたくさん出るねぇ。だからどうにかせんといかんねぇ。困る人が連鎖しないように徳を伝えたり知ってもらったりすることが大事でねぇ」
 
その適当に書いたと思われるグラフが、リーマンショック前後の値動きとピッタリ一致していたことは、二年後に知ることになった。
 
とにかく、ここでも稼ごうというマインドではなかった。
与えようというマインドなのだ。
 
和平さんがうまくいっているのは、いつも与えようというマインドだからなのか? と思うようになってきた。本当に花咲爺のマインドで生きているのだ。

隣で体感してくると、じゃぁ僕も、もっと与えてみたいと思うようになる。
でも、いざやろうと思うとできないんだよー。
 
なんだかんだ言って、どうやったら自分がよくなるかを軸に考えてしまう。それがそもそもの生存本能としてある感情だから、無理なんだよね。
 
でも、何度か和平さんの部屋に通っていくうちに、だんだんと生き方が変わっていった。これからそれについて話そう。
 
当時の僕がそうだったように、読んですぐに理解し実行するのはかなり難しいかもしれない。けれど、これから話す和平さんのぶっとんだ話を聞いていくと、だんだんと理解が進み、自分もやってみようかなと思えるはずだ。

「与える」という生き方が軸になると、今ある悩みがクリアーになるどころか、周囲の人を輝かせる生き方になっていくのだ。
 
本書を最後まで読み終えた頃には、それが伝わることを願って書いている。だから安心しながら、このまま閉じずに読み続けてほしい。
 
というか、和平さんの超面白い」セョィ話は、まだ全然紹介していない。
早く面白い話を紹介したいのだが、どうしても基礎部分をお伝えしないと、当時の僕がそうだったように理解するのが難しいと思い、くどくどと書かせていただいた。
 
とにかく、この段階ではまだまだ説明不足だが、幸せなお金持ちになるには、どうやら与えるマインドが大切になるらしいということだ。

 

和平さんにとってお金とは何ですか?

『お金と幸せの悩ましい関係』

お金に対するイメージは、人によってさまざまだ。
「人は、その人がもつお金のイメージ通りに、お金と接する」という話を聞いたことがある人もいるだろう。
 
お金は汚いと思えば汚いものになるし、お金は失うものだと思うと失ってしまうし、お金はいやらしいものだと思えば、いやらしいものになる。頑張って稼ぐものと思えば頑張って稼ぐものになる。
 
そして、使い方も稼ぎ方も同じ感情を伴う。
たとえば、ストレスを感じながら稼ぐと、ストレスとともに使ってしまう。
 
無理をしまくる営業マンが給料日に派手に飲んだり、残業が大変なOLがブランド物を買いあさったりして、ストレスを発散するというものだ。
 
何も飲みに行くことやブランド品を買うことが悪いと言っているのではない。どんな気持ちでお金を使ったのかということなのだ。
 
僕もお金に対するイメージが変わっていった頃、稼ぎ方、使い方が変わった。そして、稼げない自分から稼げる自分になっていった。
喜びとともにお金が入ると、喜びとともにお金が出ていく。

人から感謝されてお金をいただくと、今度はお金を使うとき、このお店ステキだから、このお店を喜ばせるためにひいきにして使おうとか、寄付をして誰かを喜ばせてみたい、などと変化していく。
 
とはいえ、そもそも稼ぎたいと思う根底には、安心したいとか幸せになりたいなどという気持ちがある。同じようにお金に囲まれていても、幸せそうな人と不幸せに見える人がいるが、僕は幸せなほうになりたいのだ。
 
幸せになるには、お金に対するイメージ、お金を稼ぐときの感情が大事だ。
 
どれだけお金を稼ぐ手法をマスターしたところで、お金に対するイメージが根幹にあるから、そこをしっかりしないと、土台がぐらついてしまう。

誰がどう見てもものすごく優秀な経営者が失敗したり、反対に(失礼ながら)あまり優秀に見えない経営者がうまくいったりしている例をたくさん見てきた。そして僕は、成功や幸せに生きる秘訣は、どうもお金に対するイメージが大きいのではないかと思うようになっていたのだ。
 
では、日本一の投資家と呼ばれ、いつも笑顔で過ごす和平さんにとって、お金とはどういうイメージなのか。
 
和平さんの周辺にいると、和平さんの投資手法はとりたてて複雑に見えない。
眉間にしわを寄せて相場を見ている姿なんて一度も見たことがない。
毎日笑顔で過ごしている。
 
やっぱり、お金に対するイメージや根底の部分に何か秘密があるんじゃないか?
通えば通うほど、手法より在り方に意識がいくようになった。

 

『「お金は無尽蔵に増えよるよ」だって?』

和平さんに直接聞いてみた。

「和平さんにとって、お金とはどんなイメージですか?」
「お金は無尽蔵に増えよるよ」

あははー。そーっすよねー。
僕も同じこと思ってましたぜーという顔をしながら心の中で思った。
減るってば……。
 
ちょっと気になったので、流さず突っ込んで聞いてみた。
「どうして無尽蔵に増えるんですか?」

「お金っていうのはね、喜ばせたら増えるんだわ。
目の前のお客さんを喜ばせたいと思って喜ばせたら、今度は目の前のお客さんが払いたいって、喜んでよーけ払ってくれるがね。
 
そのお金をもらうときはどう思う? こっちも嬉しくって、もっと喜ばせたいと思うがね。そしたらもっと払ってくれるね。そしたら、あっちでも、こっちでも、そっちでもドンドン嬉しくなって喜ばせることを止められなくなるねぇ。だから、お金は無尽蔵に増えよるがね」
 
この話を、和平さんは五歳くらいの男の子が幼稚園であった楽しい出来事を家で笑顔で話すような感じで語るのだ。
 
五歳の子が話すのなら、現実を知らないファンタジーの世界の住人だから仕方ないと思うのだが、現実の世界チャンピオン、日本一の個人投資家が笑顔で語っているのだ。
 
でもね、このエピソードを紹介しただけで、読者が今すぐに和平さんと同じイメージでお金に接することができるなんて思っていない。
 
二〇代前半のフリーターだった僕に、この話をしても通じやしない。
深夜のコンビニでバイトをしていたときに、酔っ払いの客がガリガリ君を持ってきて言った。

「これ、チンして」
「は ?これチンしたら、まずいっすよ」

「いいから、チンしろ!」と小銭をブン投げてきたので、仕方なしに温めて出したら、
「まずい!」って投げ捨てられたりしてたんだぜ。

モップで床を掃除している僕に、今の話をしたって通じるわけがない。お前もモップで掃除しろよって、モップを振り回して喧嘩しちゃうかもしれない。
 
まぁ、具体的な和平さんの個人レッスンは始まったばかりだから、「和平さんのような価値観もあるんだな」ということを、とりあえず知ってもらえるだけで嬉しい。

今日から考え方を変えよう! なんて言ったら、当時の僕がモップを振り回しちゃうからさ。

 

『お金は自然と集まるもの』

「和平さん、無尽蔵にお金が増えるのはわかりました。
で、増えるだけじゃなくて、どうやったら自分のところに集まるんでしょう?」

「周りの人を幸せにして自分もワクワクすれば、お金は自然と集まるがね」
相変わらずの和平節だ。
おっしゃることは、もっともなのだ。
 
しかし、目の前のお客さんを幸せにするために、ガリガリ君をチンして怒られた僕が聞いたらどうだろう?

あー、やっぱりモップを振り回して怒るわな。
「俺の大変な気持ちわかるのか!」って。
大変な状況にいたら、理解できないよね。
 
でも、和平さんは戦後の焼け野原から早くに立ち上がっている。
戦後の焼け野原以上に大変な状況って、今の時代にあるだろうか?

そんななか、和平さんは周りを幸せにしながら伸びていったのだ。
そんな素敵なエピソードもあとで紹介しよう。

 

【花咲爺の幸せを引き寄せる名語録】

お金っていうのはね、
喜ばせたら増えるんだわ。
目の前のお客さんを喜ばせたいと思って喜ばせたら、
喜んでよーけ払ってくれるがね。
こっちも嬉しくって、もっと喜ばせたいと思うがね。
そしたらもっと払ってくれるね。
だから、お金は無尽蔵に増えよるがね。

 

「お金は愛の光」ってどういうこと?

『日本中の赤ちゃんに「純金メダル」をプレゼント』

和平さんの活動でぶったまげるものがある。
和平さんの誕生日である二月四日生まれの赤ちゃんに、特製の「純金メダル」をプレゼントするのだ。
 
生まれて三カ月以内に二月四日の出生証明を和平さんのオフィスに送ると、もれなく純金メダルが贈られてくる。

「和平さん、なんで純金メダルを贈られるのですか?」
「ほれ、晃ちゃんがもし赤ちゃんのときに金をもらったら、どう思うがね?」

「まぁツイてると思いますよ」
「そしたら、金をもらったご両親とか一族はどう思う?」

「そりゃーツイてる一族だと思いますよ(笑)」
「じゃぁ、その子がハタチの大人になったらどうかね?」

「そりゃーツイてる大人になるでしょう!」
「そうがねー。ほかにこんなに面白い投資話があるかね! わははははー」
 
え? 投資って自分のためにやるんじゃないの??
人のため??? え??? えええ????

「なんで和平さんのお誕生日にプレゼントされるんですか?」
「ほれ、わしだって日本に生まれてきた子全員にプレゼントしたいね。でもなぁ、さすがに無理だよねぇ。
 
だからなぁ、あと三六四人わしのような人が現れて、自分の誕生日に生まれた子に金をプレゼントするって文化が育ったらどう?
 
日本でいつ生まれても金がもらえるとなったら、真の黄金の国ジパングになるがね。
わははははー。でもなぁ、もう八年もやってるけど、誰も名乗り出んくてのぉ」

うっ、これは僕も今すぐ名乗り出ろということか⁉
恐る恐る聞いてみた。

「あの、プレゼントするほうの条件って何かあるんですか?」
「六〇歳以上だね〜」
 
これを聞いた当時、六〇まで二六年以上あったので、少しホッとした。そんな自分を悟られないように「そーですかー!」と笑顔で返した。
 
しかし、和平さんは純金をあげようと思ったとき、怖くなかったのだろうか。
じつは最初は怖かったそうなのだ。
そのエピソードを話すために、次のお話を紹介する。

 

『我のない人にみんな吸い寄せられる』

友人と一緒に和平さんのところに出向いたときのことだ。
西郷隆盛の話になり、「この間、九州へ行ってきたんですが、地元の人は西郷さんLOVEなんですよ。なんで今でもあんなに人気があるんですかね?」

 

【花咲爺の幸せを引き寄せる名語録】

周りの人を幸せにして自分もワクワクすれば、
お金は自然と集まるがね。

 

「西郷さんの人気はねぇ〜、孫悟空が持っていたヒョウタンと同じがね」
「は? どういうことですか??」

「孫悟空の持ってるヒョウタンはなぁ、ぽんと蓋を外すとなんでも吸い寄せたよねぇ。あれは中身が真空なんだわ。真空だと周りを吸い寄せるよね。西郷さんも真空なんだなぁ。つまりなぁ我がないがね。自分のためじゃなくて、世のため人のために生きてた人なんだよね。だからみんなが『西郷さ〜ん』と吸い寄せられるがね」
 
おおお、たしかに! すかさず聞いてみた。
「えっと、どうやったら我がなくなるんですかね?」

「自分の一番大切なものをあげるとええねぇ。
わしが最初に金をプレゼントしたころは、さすがにもったいないと思ったし、ちょっと怖かったね。でもあげてるうちに、へっちゃらになってきたがね。わはははは」
 
あははー、そうですかー。
聞いといて言うのもなんだけど、参考になるような、ならないような……。
ただ、和平さんも最初は怖かったというのは、少し安心した。

「晃ちゃんなぁ〜、最近、引き寄せの法則ってはやっとるよなぁ。

でもなぁ、あれ、自分のため自分のためって考えてると、我だらけの人が集まってきて、よーけめんどくさいねぇ。

それよりも世のため人のためと思ってると、気持ちのいい人が集まってきて面白いねぇ。わははははー」

「わははははー、そーですよねー」
あたかも僕も世のため人のために動いている人であるかのように、一緒に爆笑したのであった。
 
和平さんと一緒にいると、頭で理解する前に、一緒に大声で笑っていつの間にか、その考え方がインストールされているのだ。
頭じゃなくて感覚として身についてくる。

だから、この本を読んでいて一緒に大声で笑いたくなったら、大声でわははははーと笑ってほしい。周囲に人がいないかどうか確認してからだけど。

 

『「お金は愛の光」(はっ??)』

「結局和平さんにとって、お金とは何ですか?」
「愛の光だがねぇ」
 
は?

「あなたを好きです、愛していますというのが集まったのがお金だよねぇ。そして今はインターネットで自由自在にお金が動くよね。だから光と同じよ! 愛があちこち自由に動き回ってるねぇ。だから愛の光よ!」

スバラシイ!
なんだかよくわからないがスバラシイと思わせてしまうのが、和平節のすごいところなのだ。
 
で、何がよくわからないかっていうと、そもそも愛って何なのさ?
その愛があれば、さまざまな困難を乗り越え、こうして笑顔でいられるの?
 
どうやって戦後の焼け野原を乗り越えたのか?
和平さんが何で与える人になれたのか?
 
そもそも最初から与える人なのか? だから豊かになれるのか?
僕は、すべての秘密は「愛」に隠されていると思った。
そこで、次の章は愛について触れてみる。

 

【花咲爺の幸せを引き寄せる名語録】

真空だと周りを吸い寄せるよね。
西郷さんも真空なんだなぁ。
つまりなぁ我がないがね。
自分のためじゃなくて、
世のため人のために生きてた人なんだよね。
だからみんなが「西郷さ〜ん」と吸い寄せられるがね。

本田晃一著『日本一の大投資家に教わった 人生でもっとも大切なこと』より抜粋

【書籍紹介~目次】

2015-11-17 10.32.46

『日本一の大投資家から教わった 人生で最も大切なこと』

 

はじめに 

序章…出会い…理想の師匠に最短でアクセスする方法
この人が日本一の投資家かっ! 
 日本一の投資家とマブダチになりたい! 
 放浪の旅で人生観が変わってしまった 
 成功者を師匠にして助言を仰ぐ 

お役に立てることを考えてみる 
 どうしたらマブダチになれるか 
 純金のメダルが届いた! 
 三〇倍返しのお礼 
 和平さんからの手紙 
「人生の地図」を手に入れるために 
 理想の師匠に出会う五つのステップ 
 自分を好きになることから始める 
 成功者から話を聞き出す「ズバリの質問」 
 「社長だったら、どうします?」 
 短期的な成功で終わってしまう人の特徴
 
第1章…お金…和平さん、どうしたら「幸せなお金持ち」になれますか?
日本一の個人レッスンが始まった 
 「いかに稼ぐか」と「いかに与えるか」 
 日本一の投資家の驚くべき投資ツール 
どうやら「与えるマインド」が大切らしい 
 和平さんの動機の源 
 リーマンショックをピタリと言い当てた 
和平さんにとってお金とは何ですか? 
 お金と幸せの悩ましい関係 
 「お金は無尽蔵に増えよるよ」だって? 
 お金は自然と集まるもの 
「お金は愛の光」ってどういうこと? 
 日本中の赤ちゃんに「純金メダル」をプレゼント 
 我のない人にみんな吸い寄せられる 
 「お金は愛の光」(はっ??) 
第2章…愛…和平さん、「お金は愛」ってどういう意味ですか?
「与えれば与えるほど返ってくる」は本当か 
 ためしにコンビニで一万円寄付してみた 
 どうしても見返りを期待してしまう 
 なくなると思っているから与えられない 
自分のコップを満たす達人になる 
 和平さん、それキレイごとすぎませんか? 
 一〇〇人の偉人を彫刻した純金メダル 
 七〇〇円のうどんで三万円のサービスを受ける 
これが究極のセルフイメージ! 
 「みんなわしのことを好きになってしまうがね」 
 不良少年を一瞬にして手なずける方法 
 愛を受け取る「器」が人生の「器」 
第3章…豊…かさ自分のなかに秘められた豊かさに気づく
うまくいかないときは、動機を忘れているとき 
 「何のために」を思い出そう 
 「当たり前」の投資方法 
相手が喜ぶことは自分の喜び 
 「徳のある会社に投資したらええねぇ」 
 「まろわ」の状態でいるとうまくいく 
 山一證券の破綻で一五億円を失う 
「与える人生」を生きている人 
 「そもそも」で自分を掘り下げてみよう 
 一五〇人を集めて「与える」実験をしてみた 
第4章…成功…ぶっちゃけ、成功するにはどうしたらいいんですか?
「成功したければ動機が必要だがね」 
 動機がある人は成功するまで気がもつ 
 理解がないのは愛がないから? 
 動機を大きくしていく 
 「百尊家宝」をいただいてしまった! 
和平さんのおかげで結婚できた! 
 究極の婚活マニュアル 
 新婚旅行で世界を一周してきた 
 日本は世界でもっとも豊かな国だった 
天に愛される仕事がいい 
 適所にいれば輝いて気が出る 
 ところで、天って何ですか? 
 楽しいと思うことをやればいい 
人と接するときの三つの極意 
 叱らない・否定しない・支配しない 
 社長の仕事は現場を感化させること 
「徳」がない人は成功し続けられない 
 一気に運気が上がるとき 188
 周辺の人が僕を胴上げしてくれる 
第5章…人生の極意…いつも希望をもって生きるために
受け取り上手な人が豊かになれる 
 目先の利益より大切なもの 
 才能は自覚したほうが早く磨かれる 
 長所や才能を受け取ろう 
ピンチのなかで伸びる人の考え方 
 危機を「危険」ととらえるか「機会」ととらえるか 
 恐れて慌てる人にならない 
 旦那としての生き方 
 「自分も尊いとしたら?」と問いかける 
ワクワクのコンパスを大切にしよう 
 いったい自分は何者で何をしていくのか 
 ワクワクする場所に行って輝く 
 心のコンパスに従って進む
幸せな成功者の教えはいつもシンプル 
 日本のよさを伝えていきたい 
 日本を輝かせ世界をマブシイものに 

おわりに 

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