電子書籍アニキ書評 vol.50アート・マークマン『スマート・チェンジ』(CCCメディアハウス)

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こんにちは!電子書籍アニキこと間川清です。間川さんコラム用

さて今回は、2015年電子書籍のビジネス書部門でどの本が一番読まれたのか、そのランキングを紹介したいと思います。

ここではhonto電子書籍ストア、hontoネットストア『2015年honto年間ランキング』の結果を参考に紹介させてもらいます。

第5位から紹介します。第5位は「0ベース思考」。こちらはこの書評でも取り上げたことがあります。詳しくは書評を読んでいただきたいのですが、ビジネスに広く使える思考法が分かりやすく解説されている良書です。

第4位は「トヨタで学んだ「紙一枚!」にまとめる技術」。こちらはまだ書評で取り上げていませんし、私もチェックしていませんでした。近いうちに是非読んでみたいと思います。

第3位は「21世紀の資本」。いうまでもなくベストセラーとなった本ですね。読みたいとは思っているのですが、分量の多さに気後れしてしまいまだ読めていない1冊です。いつかは必ず読もうと思っています。

第2位は「エッセンシャル思考」。これは書評で取り上げています。シンプルに1つのことに意識を集中させることの大切さを教えてくれます。

そして第1位は「嫌われる勇気」。以前書評で取り上げたことがある名著。2013年に出版された本ですが、いまだに売れ続けています。歴史に残る一冊なるかもしれません。

以上2015年の電子書籍ランキングを紹介しました。読者の皆様はどれだけ読んだ本がランキングされていたでしょうか?ちなみに、綜合ランキング1位はやはり、ピース又吉さんの「火花」。芥川賞受賞作品ですからやはり、といったところですね。2016年はどんな電子書籍がランキングにはいるのか、楽しみにしたいと思います。

 


 

スマート・チェンジ

アート・マークマン『スマート・チェンジ』(CCCメディアハウス)

さて今回紹介する1冊は「スマート・チェンジ」(CCCメディアハウス)です。本書のタイトル「スマート・チェンジ」は、悪い習慣を良い習慣にスムーズにつくりかえる、という意味から使われています。本書は、目標達成方法を教えてくれるビジネス書ですが、そのための「習慣」とその習慣の身につけ方にズームしている一冊です。

目標達成のためには良い習慣を身につける方法が必要である、という論調は多くの自己啓発書に書いてあることですが、そもそもなぜ目標達成に習慣が重要になるのでしょうか?

それは習慣が、行動エネルギーをほとんど使わないからです。例えば、多くの人が身についている「食後の歯磨き」を例にとります。食後に歯磨きをする人の多くは、歯磨きをする前に「よし、がんばって歯を磨こう!」「ソファから立ち上がって洗面性に行くのは面倒だけど、虫歯を作らないという目標達成に必要だから歯を磨こう」「時間がないけどなんとかスキマ時間をつくって歯を磨こう」とは思わないはずです。

多くの目標達成が失敗してしまうのは、目標達成のためにすべきことは明確にわかっているのに、行動できない、というのが理由です。習慣による行動が目標達成に繋がっていれば「行動できない」ということがあり得ないことになり、嫌でも目標が達成されてしまうのです。そう考えると良い習慣を身につけること、目標に繋がる習慣を身につけることの重要性が理解できます。

本書の著者はマート・アークマン氏。認知心理学者でテキサス大学の教授や、認知科学学会の機関誌『認知科学』編集長を務める人物。まさに認知心理学のスペシャリストといえるでしょう。P&G社などの大手企業のコンサルティングなどもしているそうです。

本書は、全部で9章で成り立っています。まず第1章では、「行動改善の難しさ」というタイトルで、なぜ人はそれまでの習慣や行動を変えるのが難しいのか、その理由を説明しています。続く第2章において、人の脳が持つ二つの回路であるゴーシステムとストップシステムの機能について説明し、本書の軸となる行動を改善し習慣を作り変える5つの手法についてざっとした解説が行われます。

そして3章からの章では、1つの章ごとに前述の手法を1つずつ解説していきます。この部分が本書のメインというべき部分です。1つ1つの手法は習慣を作り変える上でとても有益な手法ですが、ここは5つの手法をすべて読み込み同時に実践したいところです。それにより強力な効果が得られるでしょう。

第8章は、まとめとも言うべき章で、各章で紹介した手法を実施するにあたり役立つテクニックなどが紹介されます。最後の第9章のタイトルは「自分以外もスマートチェンジ」。ここでは自分だけでなく周囲の人の習慣を変えるテクニックが書かれています。家族や部下、従業員など自分以外の人の行動を変えたいという人にはとても参考になる情報が書いてあります。

最後に付録のような形で「スマート・チェンジ日誌」の雛形がついています。本書では、習慣を変えることにより目標を達成するための手法として「スマート・チェンジ日誌」なるノートを用意しさまざまな記録を残すことが推奨されています。どのようなことを書くのかは、それぞれの章に記載されていますが最後に見本としてまとめられておりとても使いやすいものとなっています。

それでは、認知心理学のプロが推奨する目標達成方とはどのようなものか、気になった内容をシェアしていきたいと思います。

 

本書のポイント

以下では、私が気になったポイントを紹介していきます。

「いったん身についた行動を変えにくくしている脳の仕組みのふたつの側面を少しばかり説明しよう。習慣と今この瞬間の力だ」(第1章 行動改善の難しさ より)

 「自分が取るべき行動をどうやって生活に取り入れるか、想像する」(第4章 ゴーシステムを飼いならす より)

 「1ページを左右2つの欄に分け、それぞれ「良い他人」「悪い他人」と見出しを付ける」(第7章 他人と関わる より)

まず最初に紹介したいのは、なぜ人は習慣を変えることができないのか?いままでと違う行動を取ることができないのか?という点についてです。

本書では、その理由は二つあるといいます。それは「習慣と今この瞬間の力」です。

習慣がなぜ行動の変化をさせにくくすることに繋がるかというのは、比較的わかりやすいでしょう。前述したとおり習慣というのは、無意識に日常的に繰り返し行っている行動であり、心の奥深くにその行動をとることが刻まれている行動です。それゆえその習慣を変えるには強い「意識」や意志力といったものが必要になるのです。著者によれば、脳というのは「習慣」を創りだそうとする傾向があるのだそうです。というのも人間の脳というのは活動するために膨大なカロリーを消費するため、脳は自然とそのカロリー消費を抑えようとします。なにか行動する際にその都度意思の力や判断力を必要とすると、その度にカロリーが消費されてしまいます。前述のとおり習慣というのは無意識でとる行動であり脳のカロリーを消費しません。そのため脳は習慣を創りだそうとする、というわけです。

なるほど!と唸ってしまいますが、そうならなぜ多くの場合良い習慣ではなく悪い習慣ばかり脳は身につけてしまうのか?と疑問に思ってしまいますが、それは人間がもともと怠惰な生き物だから、という理由なのでしょう 笑。がっかりしなくても本書を読めば悪い習慣を良い習慣に変える方法がわかりますから心配は無用です。

行動変化を起こしにくくする理由のもうひとつは「今この瞬間の力」のせいです。これは、人が通り将来の結果よりいますぐに得られる結果に飛びついてしまうという傾向を示しています。目の前にケーキがあった場合、食べれば将来太ることがわかっていても、今この瞬間甘くておいしいケーキを味わう誘惑に人は負けてしまいがち。これには納得せざるをえないところです。

このような行動変化を妨げる2つの理由を知っておくだけで、少なからず行動変化に良い影響を与えることができるでしょう。なぜ自分が失敗してしまうのか理解していることで失敗のきっかけを一つ少なくすることができるのです。

本書が提唱する5つの手法とは、1目標を最適化する、2ゴーシステムを飼いならす、3ストップシステムを活用する、4環境を管理する、5他人と関わる、というものです。全てを紹介することはできないので、ここでは「2 ゴーシステムを飼いならす」で紹介されている手法を紹介します。

多くの人は目標を設定し、そのためにどんな行動を取らなければいけないかをリストアップすることでしょう。例えば、10キロ痩せる、という目標であれば、「毎日30分ランニングをする」という行動が考えられます。多くの人は、目標を設定し、そのための行動をリストアップした段階で目標達成のための計画を終わりにしてしまい、実際に行動しようとします。 

しかしそれではうまくいかないことが多いのです。それはなぜかというと、忙しい毎日のなかで、いつ、どのタイミングで、どのような段取りで、目標達成に必要な行動を実践するかという点が計画されていないからです。著者は、目標を達成するために必要な行動をリストアップしたら、その後に「自分が取るべき行動をどうやって生活に取り入れるか、想像する」過程が必要であると述べています。マラソンの例で言えば、例えば帰宅してから入浴する前に、事前に用意していたマラソンウエアに着替えて近くの〇〇公園までマラソンする、というように、一日の生活を想像しどの時間やタイミングならその行動ができるかを想像するのです。

多くのビジネスマンは毎日多忙で、新しい行動が入る隙間がありません。「時間があったら行動する」ではなく、その行動をする時間を計画しなければいけないのです。目標を設定しそのために必要な行動をリストアップすると、それなりに満足し、「よーしやるぞ」といい気分になってその日は終わりがち。後日計画を実践しようとしても結局時間がなくて終わってしまうものです(私も多々経験があります)。いつ行動するかまで決めておく。これはとても重要です。

最後に紹介したいのは少しユニークな方法です。それは、用意したノートに「良い他人」「悪い他人」の欄をつくり、自分の周囲にいる人間がそのどちらに入るかを振り分けるという方法です。これは、人の行動は周囲の人の影響を受けるという傾向から導き出された手法です。例えば、ある調査では友人に太った人が多い人は、やはり太っている傾向が高いそうです。

自分にとって良い影響を与える他人とは親しくし、そうでない他人とは距離を置く。そのことで、自分の行動を矯正しようというわけです。

確かに、これは効果的でしょう。例えば、食事のときなど、一緒に食べている人が大食漢であると、ついつい自分もつられて食べてしまうことがあります。人間は考えている以上に環境に意思決定を左右されしまう人間です。良い習慣を手に入れるためには意図的に習慣を作り変える必要がありそうです。

以上紹介してきましたが、本書を読むといかに人の行動が簡単には変えられないかということがわかります。それでも変えるのであれば、科学的に効果があるとされたテクニックを複数使う必要がある、ということがわかります。本書を読んで是非とも1つでも悪い習慣を良い習慣に変えて欲しいと思います。

 

超訳アニキの言葉

「習慣を変えるのは難しい、そう知ることが習慣を変える第一歩。」

ストレスが消える朝1分の習慣

西多昌規『 ストレスが消える朝1分の習慣』(フォレスト出版)

さて、習慣を変えるというテーマで、ヨミポで読める一冊をオススメするとしたら「ストレスが消える朝1分の習慣」はいかがでしょうか?多くのビジネスマンにとっては朝というのは、なかなかモチベーションを上げにくい時間です。逆に言えば、朝ストレスを消すことができれば一日をハイテンションで過ごすことができるでしょう。是非本書と併せて読んでみてはいかがでしょうか?

 

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間川清 まがわ・きよし

日本の弁護士。埼玉出身。25歳で司法試験に合格。弁護士法人川越中央法律事務所を経営。
弁護士業務の傍ら、セミナー講師として 法律や仕事術に関して教えている。
著書に『5つの基礎と6つの応用技でマスターできるうまい謝罪』『そのかめはめ波は違法です!』
『1年後に夢をかなえる 仕事術』『「アレ」はなぜ合法なのか?』 ほか。

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