電子書籍アニキ書評 vol.55 岸見一郎 古賀史健『幸せになる勇気』(ダイヤモンド社)

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間川さんコラム用

こんにちは!
電子書籍アニキこと間川清です。

さて今回は電子書籍アプリの使い勝手について書きたいと思います。

当然のことかもしれませんが、電子書籍を読むには大まかに分けて2つの方法があります。
それは、Kindleなどの専用タブレット(電子書籍端末)を利用する方法と、iPhoneなどのスマホやタブレットの電子書籍アプリを利用して読む方法です。

この2つのうち電子書籍アプリを利用して本を読む場合について書きたいのですが、電子書籍アプリは専用の電子書籍端末と較べてたくさん種類があります。
電子書籍端末は、KindleやKoboなど数種類しかないのですが、電子書籍アプリはApp Storeで検索するだけでも20種類近くあります。

これだけ多いとどれを使うべきか迷ってしまいます。
「電子書籍アプリなんてどれを使っても大体同じでは」と思うかもしれません。

しかしこれは間違いです。
実際多くのアプリを使っていると、残念ながら「本当に使い勝手が悪い!!」と感じる電子書籍アプリが存在します。

電子書籍の使い勝手は想像しているより重要です。
使い勝手が悪いアプリに出くわすと、それだけで本を読むのも嫌になってしまい、端末を放り投げたくなるほどです 笑。
ですから、どの電子書籍アプリを使うのかはとても大切です。

多くの電子書籍アプリは電子書籍ストアと連動しています。
例えば、Kindleという電子書籍アプリはAmazonの電子書籍しか読めないため、Amazonで電子書籍を購入したらKindleアプリを利用するしかありません(なお、最近のニュースによれば、特定の電子書籍ストアと連携している電子書籍アプリでも他の電子書籍ストアで購入した電子書籍が読めるサービスが一部存在しているようです)。

そのため、電子書籍を購入する際には、使い勝手が良い電子書籍アプリと連携している電子書籍ストアかどうか、というのも購入ストアを選択する基準の一つになります。

次回のコラムでは、どのようなポイントに注目して電子書籍アプリを選ぶべきか書いていきたいと思います。

 


 

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「幸せになる勇気」(ダイヤモンド社)

 さて今回紹介する一冊は「幸せになる勇気」(ダイヤモンド社)です。
この本は言わずと知れた大ベストセラー「嫌われる勇気」の続編になります。

「嫌われる勇気」は、累計販売部数100万部を突破、発売から2年目の2015年には年間ビジネス書ベストセラーランキング第1位に輝いています。
まさに「もしドラ」に続く、大ヒット作品です。

「嫌われる勇気」を読んだ人にはもはや説明は不要ですが、同書は19世紀に生まれた心理学者アルフレッド・アドラーが提唱した、「アドラー心理学」を哲学者と青年の対話を通じて分かりやすく説明した本です。

「アドラー心理学」の考え方は斬新かつ独創的で、この本が出た後ちょっとした「アドラー心理学ブーム」が巻き起こったと入っても言い過ぎではないでしょう。
アドラー心理学の関連本なども出版されました。

そんなアドラー心理学本に待望されていた第二弾が刊行されました。
著者曰く、本書は「幸せになる勇気」に続く「勇気二部作」の完結編にあたります。

本書は、岸見一郎氏と古賀史健氏による共著。
岸見一郎氏は、1956年京都生まれ、京都在住の哲学者。
専門の哲学(西洋古代哲学、特にプラトン哲学)と並行して、1989年からアドラー心理学を研究し、日本アドラー心理学会認定カウンセラー・顧問を勤めている人物です。
まさに日本におけるアドラー心理学の第一人者と呼んでも過言ではないでしょう。
同氏がいなければアドラー心理学が日本人にここまで浸透することはなかったといえます。

もう一人の著者古賀史健氏は、書籍のライティングを専門とし、ビジネス書やノンフィクションの分野で数多くのベストセラーを手掛けている敏腕ライター。
2014年には「ビジネス書ライターという存在に光を当て、その地位を大きく向上させた」として、ビジネス書大賞2014・審査員特別賞を受賞している方です。

本書は、古賀氏が岸見氏と議論した内容を文章としてまとめるという経緯で書かれています。
本書を呼んでもらえばわかりますが、本書は基本的に哲人と迷える青年との会話で成り立っており、その会話が非常にテンポよく読みやすく、読み始めるとあっという間に読み終わってしまいます。この文章のうまさはライターである古賀氏の力量によるものでしょう。

もちろん、岸見氏のアドラー心理学に対する深い造詣があったこそのものであるとはいえ、古賀氏の文章力がなければ「嫌われる勇気」がここまで大ヒットすることはなかったでしょう。
書籍というものは、優れた内容だけでは足りず、どのように書かれているかが重要であるということがわかります。

さて本書の構成とおおまかな内容について紹介したいと思います。

本書はアドラー心理学を理解する「哲人」の書斎に、迷える「青年」が訪ねてくるところから始まります。
この「哲人」と「青年」は、前作「嫌われる勇気」で熱い対話を重ねた二人。
前作の対話から3年後という時間設定になっています。
冒頭、青年は「アドラー心理学を捨てる」と述べ、前回の対話から今に至るまで青年がアドラー心理学を実践したが思うようにいかなかった経緯を告白します。

アドラー心理学は、机上の空論にすぎないのではないか?
所詮現代社会で実践することはできないのではないか?
といった生々しい批判を哲人に投げかけます。

これに対し、哲人はアドラー心理学の根本となる考えを復習するかのように説明しつつ、それをどのように実践していくのか青年との対話を通して回答していくのです。

このように本書は、「嫌われる勇気」で紹介されたアドラー心理学の基本となる考えを紹介しつつ、さらに一歩進んでそれを実践する術を教えてくれます。
前作で紹介された考え方についてもきちんと説明してくれているので、前作を読んでいない人や、だいぶ前に読んだので忘れてしまったという人も大丈夫なつくりとなっています。

さらに本書の大きなテーマの1つとなっているのは「教育」についてです。
というのも、この迷える青年は、前回の哲人との対話をキッカケに働いていた大学図書館をやめ中学校の教師になっていたのです。

そこで感化を受けたアドラー心理学を実践しその教えを広めるべく教師業をしていたのですが、現実の生徒を目の前にしてその実践に挫折してしまいました。
そこで、哲人のもとに訪れ、アドラー心理学は実践できない机上の空論だと議論を投げかけてきたのです。

そのため、本書の前半半分は「教育」が大きなテーマになっています。
そのため、教師業など人に教える仕事をしている人にとってはドンピシャな内容となっています。

また、教師業だけではなく子どもがいる人、部下を教育する立場の人などにも是非読んで欲しい内容です。

後半は教育という観点からは離れて、アドラー心理学を実践してどのように人生を生きるかというテーマが中心になります。
「嫌われる勇気」の延長線上にあるような内容です。

「自立するとはどういうことか」「他人を愛するとはどのようなことか」といった、深く考えさせられる内容ばかりです。
前作に感化された人にとっては、非常に興味深い内容になっています。

以下、特に私が気になったポイントを紹介します。

 

本書のポイント

「『他者の関心事』に関心を寄せる」(第一部 悪いあの人、かわいそうなわたし より)

「自立とは『自己中心性からの脱却』なのです」(第五部 愛する人生を選べ より)

 

中学校の教師業に挫折した青年は、どうすればアドラー心理学を実践し生徒たちと信頼関係を築けるのか哲人に問いかけます。
それに対し、哲人は、あらゆる対人関係の土台は「尊敬」によって築かれると述べ、その具体的な実践方法として「『他者の関心事』に関心を寄せる」という方法を教示します。

中学校教師と生徒の考えで行けば、生徒がしている一見くだらないと思える遊びや行動に興味をもち、それを一緒に楽しんでみるというのです。
そうすることで、相手と対等な関係になります。

そして常に相手と対等であるということは、相手を「尊敬」していることになり、その「尊敬」が相手にも伝染し相手からの「尊敬」が得られるのです。

かなり言葉を端折って説明したので、わかりにくいかもしれません。
詳しくは本書を読んで欲しいのですが、この「『他者の関心事』に関心を寄せる」というテクニックは背景となる理論を知らなくても、人間関係を円滑にするために使えるテクニックでしょう。

よく人間関係をうまく築くためのノウハウ本などに「他人に興味をもちなさい」というようなことが書いてありますが、他人に興味をもてと漠然と言われてもどうすればいいのかわかりません。

私が思うに「他人に興味を持つ」というのは、「『他者の関心事』に関心を寄せる」と同じ意味だと思います。
基本的に人は、共感してもらうことにとても価値を感じる生き物で、共感してくれる相手には好意を持質をもっています。
例えば、自分と同じ趣味の人に対してはなんとなく興味や好感を持つでしょう。

このような人間の特質を利用して、人間関係を良くしたい相手に対しては、その相手が関心を持っていることに対して関心を持つようにすればいいのです。

例えば、嫌いな上司との人間関係を改善したいと思ったらその上司の趣味を調べて話題を振ってみる等、やろうと思えばすぐに実践できるでしょう。
アドラー心理学の実践第一歩として是非試して欲しいと思います。

 

物語の終盤になると「人を愛するとはどういうことか」という深遠なテーマで議論が繰り広げられます。
一見すると抽象的なとっつきにくいテーマのように感じますが、本書では哲人と青年の軽やかな対話でこれが解説されており、理解しやすい身近なテーマのような印象を受けるのが不思議です。
著者の文章力の賜物でしょう。

そのような議論の中で、哲人が「自立とはなにか」という問いに答えます。
哲人は「自立とは『自己中心性からの脱却』なのです」といいます。

これは、新生児の状態を考えると理解できます。
生まれたばかりの赤ん坊は独りではなにもできません。
泣いたり喚いたりして親や周囲の人間を動かして生き延びています。

これはまさに自分が世界の中心にいるという自分中心の極みです。
しかし、子どもは成長するにつれて、世界の中心に居続けることはできません。
自分は世界の中心にいるわけではない、という自己中心性から脱却することで大人として成長し、それが「自立」した状態といえるのです。

この言葉にはおもわず「なるほど」と唸ってしまいました。
それと同時に「自分は本当に自立しているといえるのか?」という疑問を感じます。
そして、なにかトラブルや問題に直面した時、それが『自分中心』の考えに基づいていることに気が付きます。

自分が中心ではなく「自立」し、他者の目線から考えてみる。
そうすることで人生における多くのトラブルが解決に向かうような気がします。

以上紹介してきましたが、本書はまさにアドラー心理学実践の書といえる一冊です。
前作を読んでアドラー心理学に興味を持っている人、前作を読んでいなくても人間関係に悩んでいる人には是非とも手にとってもらいたい一冊です。

 

超訳アニキの言葉

「我々は人間関係から逃れることはできない!」

 

不安をなくす技術 嶋津良智

「不安をなくす技術」嶋津良智

さて、アドラー心理学は人生の人間関係における不安を消してくれる一冊ともいえますが、同じように不安を消してくれる一冊としてヨミポで読める「不安をなくす技術」をおすすめしたいと思います。
著者は、ベストセラー本「怒らない技術」の著者でもある嶋津 良智氏。
今目の前にある不安をスーッと消し去りたい人に是非ともおすすめです!

 

 

 

 

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間川清 まがわ・きよし

日本の弁護士。埼玉出身。25歳で司法試験に合格。弁護士法人川越中央法律事務所を経営。
弁護士業務の傍ら、セミナー講師として 法律や仕事術に関して教えている。
著書に『5つの基礎と6つの応用技でマスターできるうまい謝罪』『そのかめはめ波は違法です!』
『1年後に夢をかなえる 仕事術』『「アレ」はなぜ合法なのか?』 ほか。

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