電子書籍アニキ書評 vol.70 中島聡著『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である』(文響社)

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間川さんコラム用

こんにちは!電子書籍アニキこと間川清です。

さて今回は、最近電子書籍業界で話題の、「Kindle Unlimited 読み放題」について、前回の続きを書いていきたいと思います。

「Kindle Unlimited 読み放題」は、Amazonが始めたサービスで、月額¥980で、12万冊以上の本、コミック、雑誌および120万冊以上の洋書が読み放題になるというサービスでした。

 

ビジネス書好きの私としてこのサービスのなかで一番気になるのは、読み放題の対象となるビジネス書のラインナップです。

「Kindle Unlimited 読み放題」では、読み放題対象となるキンドル本をジャンルで検索することができます。
「ビジネス・経済」のジャンルで対象となっている読み放題キンドル本の数は約8000冊。
読み放題対象とならないキンドル本の同ジャンルの冊数は約20000冊。
おおまか考えて、キンドル本としてよめるビジネスジャンル本のうち半数以下が読み放題の対象になっていると言えます。

正直なところ、読み放題対象となる本の数は、もっと少ないと思っていたので、半数弱の本が読み放題になっているというのはラインナップとしては豊富だと言えるでしょう。

しかし、対象となっているタイトルを実際に見てみると、やはりというか当然ですが、あまり新作や今現在ベストセラーとなっているような本はラインナップに入っておりません。
新作をいきなり読み放題としてしまえば、本が売れなくなってしまいますから、これは当然のこと。

注目すべきは、ビジネス書の名著や古典といわれる本も読み放題サービスの対象となっていることです。
たとえば「仕事は楽しいかね」や「ソース~あなたの人生の源は、ワクワクすることにある。」など、時代を重ねて読み継がれるビジネス書名著が読めるのはとてもうれしいことです。

もちろん読み放題サービスでよめる本は、ビジネス書だけではありません・・この続きはまた次回に書きたいと思います。

 

 


 

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中島聡著『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である』(文響社)

 さて本日紹介する一冊は、「なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である」(文響社)です。

本書はビジネス書のジャンルの中でも王道というべき、仕事術についての本で、仕事のスピードアップをテーマにしています。
これまでも私の書評では、数々の仕事のスピードアップ術に関する本を紹介してきました。
これは、やはり多くのビジネスマンが、仕事のスピードを上げたいという普遍的な希望をもっているということの表れでしょう。

本書が他のスピード仕事術と異なる点は、著者が提唱するスピード仕事術である「ロケットスタート時間術」の存在でしょう。
詳しくは後述しますが、「ロケットスタート時間術」というのは、仕事の最初に全力を出し、締め切りに近づくに連れて余裕をもって仕事にとりかかれるようにする、という仕事術です。

「ロケットスタート」という呼び方には少し改善の余地があるのではと思いますが(笑)、その内容は呼び方のとおりロケットのように素早く仕事を完成させる方法としてとても優れた内容です。
締め切り間際になって、残業や徹夜などを繰り返し、結局締め切りを守れなかった、という経験があるビジネスマンの多くに、この「ロケットスタート時間術」の発想はなかったと思います。

また、本書が特徴的な点のもうひとつは、最終章である6章「時間を制するものは、人生を制す」にあります。
それまでの章で、散々時間術の重要性について説いてきた著者ですが、終章では時間術に関するテクニックなどはあまり書かれておらず、人生における時間の使い方全般について、著者の熱い思いが語られています。
そのなかにはそもそも「集中しなきゃいけない仕事なんかするな」と、一読するとそれまでに語られてきた時間術とは矛盾するようなことも書かれています。
しかしそれは、あえて我慢して集中しなければできないような仕事につくのではなく、意識しなくても集中してしまうような仕事をしろという著者のメッセージのあらわれなのです。
実はこれこそ、著者が本書で一番伝えたいメッセージだと思います。
時間術というテーマではあるものの、ビジネスマンにとって仕事とはなにかという深いテーマについて考えさせられる良書です。

 

さて、本書の著者について紹介します。
本書の著者は、中島聡氏。
1960年北海道生まれ。
早稲田大学理工学研究科修了。

高校時代から「週間アスキー」社において記事執筆やソフトウェア開発にかかわり、大学時代にはCAD用ソフトを開発し、1億円を超えるロイヤリティーを稼ぎます。
大学院卒業後、NTT研究所を経てマイクロソフトの日本法人に転職、その後米国マイクロソフト本社に移り、Windows95、Internet Explorer、Windows98の基本設計に関わります。現在は、マイクロソフト社を退職し、ソフトウェア会社のUIEvolutionのCEOを務めています。
人気ブログ「Life is Beautiful」の執筆者としても有名です。

なんと著者は、ほとんどの人が日常的にパソコン操作で使っている「右クリック」「ダブルクリック」「ドロップ&ドラッグ」を開発した人物だそうです。
私まさか「右クリック」や「ダブルクリック」を日本人が開発したとは思っても見ませんでした。
著者がこのような素晴らしい仕事を成し遂げることができたのは、本書でかかれている時間術を駆使した結果です。
この事実だけで、著者の紹介する時間術、仕事術が優れたものであることがわかります。

 

本書の構成ですが、全部で6つの章で成り立っています。

大きく分けて、前半と後半にわかれており、前半は、「なぜあなたの仕事が終わらないのか?」その原因を解き明かし、その上で「ロケットスタート時間術」を手に入れるとどんなメリットがあるのか、そして「ロケットスタート時間術」がいかにして生み出されてきたかが語られます。

4章以降の後半は、「ロケットスタート時間術」の具体的内容とその使い方のノウハウが紹介され、最終章では読者自身の人生観や仕事観などが書かれています。

本書はとても読みやすく、集中して読めば1時間もあれば読める内容です。
その理由の一つに、著者の表現力のユニークさがあります。
たとえば、著者は「ロケットスタート時間術」において集中して仕事をする期間を「界王拳を使う」と表現します。
「界王拳」というのは、世界的な人気マンガである「ドラゴンボール」で主人公が使うワザのひとつで、知っている人にとってはクスリと笑ってしまう内容です。
本を読み進めるうちに、著者のユニークなキャラクターや考え方が伝わってくるため、読んでいて飽きることがなく一気に読めてしまうのです。

では、本書のなかで特に気になったポイントを纏めます。

 

本書のポイント

 
「その2日をロケットスタート期間として使い、2日で「ほぼ完成」まで持っていく」(4 今すぐ実践 ロケットスタート時間術 より)

 

本書の肝となる「ロケットスタート時間術」とはいかなるものか、についてです。

「ロケットスタート時間術」はその名前のとおり、仕事にとりかかる最初の段階で集中して仕事に取り組み、爆発的なスピードで仕事の8割を完成させるという仕事術です。

具体的には「10日でやっといて」という仕事が与えられたとき、以下の様な3つのステップで仕事に望みます。

 

①「まずはどのくらいかかるかやってみるので、スケジュールの割り出しのために2日ください」と答えて仕事に取り掛かる(見積もりをするため調査期間をもらう)

②その2日をロケットスタート期間として使い、2日で「ほぼ完成」まで持っていく

③万が一、その2日で「ほぼ完成」までもっていけなかった場合、これを「危機的な状況」と認識してスケジュールの見直しを交渉する      

 

この「ロケットスタート時間術」という発想の基本には、仕事の「締め切りは絶対に守るもの」という考え方があります。
そして、その根底には、多くの仕事の締め切りが守られない原因は、仕事がどの程度の期間で完成するか把握していない点にある、という分析があります。

だからこそ、仕事の依頼を受けた段階で、安易に「◯日間でできます」などと安請け合いをせず、最初に見積もりの期間を設けることを推奨しているのです。
そして、なによりのポイントは、その見積の期間に全力で仕事に打ち込み、「ほぼ8割」まで仕事を完成させるという点にあります。

短期間で仕事の8割まで完成させることにより、残りの期間で「余裕をもって」仕事のクオリティを上げる作業に集中することができます。
8割完成していることから、「締め切りに間に合わなかったらどうしよう」という不安がなくなり、質の向上に集中できるのです。

また、短期間で仕事の8割の完成を目指すことにより、それが達成できなかった場合、与えられた締め切り期限が短すぎるということがわかります。
著者曰く、与えられた締め切り期限までの時間の2割を全力で使って仕事の8割を完成することができない場合、その期限は短すぎるのです。

このような著者の提唱する「ロケットスタート仕事術」。
どのような印象を受けるでしょうか?
期限までの2割の時間で、8割の仕事を完成させる、というと、「それは無理でしょ」と感じるかもしれません。
しかし、これまでの経験を振り返ると、期限のある仕事に対してなかなか取り組むことができず期限前に短期間で仕事を完成させたということが多くあるのではないでしょうか?
そう考えると、期限までの2割の時間で8割の仕事を完成させるのは可能であり、締め切り間際の2割の時間で仕事の8割を完成させるのではなく、「最初の段階で」8割の仕事を完成させるほうが合理的であることがわかります。
どうせ同じことをしているのなら前倒しして仕事を進めるほうが良いにきまっています。
毎回、仕事の締め切りを守れないという人や、締め切り間際に残業が続くというビジネスマンの皆様、是非一度「ロケットスタート仕事術」を実践してみてください。

 

以上、本書の紹介をしてきましたが、紙幅の関係上「ロケットスタート仕事術」の概要を紹介することしかできませんでした。
本書は「ロケットスタート仕事術」だけではなく、時間術を通じて人生や仕事と言った大きなテーマについて考えさせられる良書です。
ぜひ一読して欲しいと思います。

 

超訳アニキの言葉

いつ終わるかわかっていなければ、仕事は絶対終わらない

 

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石井貴士著『1分間時間術』

さて、本書のテーマは時間術でしたが、同じ時間術をテーマとしたヨミポで読める本として「1分間時間術」を本書と併せてオススメしたいと思います。
著者は、累計135万部突破「1分間シリーズ」を著した時間の魔術師・石井貴士氏。氏の1分間メソッドを使いこなせば「時間貧乏」を克服することができるでしょう。
是非あわせて読んでみてください。

 

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間川清 まがわ・きよし

 

日本の弁護士。埼玉出身。25歳で司法試験に合格。弁護士法人川越中央法律事務所を経営。

弁護士業務の傍ら、セミナー講師として 法律や仕事術に関して教えている。

著書に『5つの基礎と6つの応用技でマスターできるうまい謝罪』『そのかめはめ波は違法です!』

『1年後に夢をかなえる 仕事術』『「アレ」はなぜ合法なのか?』 ほか。

 

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