電子書籍アニキ書評 vol.76 リンダ・グラットン&アンドリュー・スコット著『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』(東洋経済新報社)

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間川さんコラム用

こんにちは!電子書籍アニキこと間川清です。

さて今回も、本の速読について考えてみたいと思います。

前回のコラムでは、私が実践している速読のテクニックの1つを紹介しましたが、今回もそんなテクニックの1つを紹介してみたいと思います。

 

それは、自分が知らない情報だけを読む、という方法です。

一冊の本のなかには、いろいろな情報が入っています。
そのなかには当然ながら、既に人から聞いて知っていたり、他の本や雑誌で読んで知っている情報があったりします。

多くの人は、本に対して「最初から最後まで一言一句読まなければいけない」というこだわりを持っていますが、一度そのこだわりを捨ててしまいましょう。
本というのは(とくにビジネス書は)、言い方を変えれば自分が知らない情報を得るための手段にすぎません。
そうであれば、すでに知っている情報についてはわざわざ読まなくてもいいのです。

 

文芸作品などは、全ての本がオリジナルな内容ですが、ビジネス書ではかなりの確率で他の本と同じ内容が書いてあることがあります。
そういった部分は、「知っているよ」ということで、飛ばしてしまってよいのです。

そうすると本当に意識して読むのは「自分が知らない情報」だけに限られることになり、結果として読書のスピードと効率があがるのです。

 

ただこの方法は、知識があればあるほど飛ばし読みができることになるので、ほとんどビジネス書を読んだことがない、という人にとっては使えないかもしれません。
そのため中上級者向けのテクニックということができます。

 

読書スピードを上げたいという方、是非「自分が知らない情報だけを読む」というテクニックを使ってみて下さい。

 

 


 

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リンダ・グラットン&アンドリュー・スコット著『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』(東洋経済新報社)

さて今回紹介する一冊は「LIFE SHIFT(ライフ・シフト)」(東洋経済新報社)です。

みなさんが、自分があとどのくらい生きるのかを考えたことがあるでしょうか?
多くの人は、日本人の平均寿命である大体80歳位まで生きるだろうなと考えているのではないでしょうか。

もちろん残された時間は人によって違いますが、実際は想像するよりもっと長生きする可能性が高いかもしれません。
本書によれば、近い将来平均寿命はより伸びていき「いま20歳の人は100歳以上、40歳の人は95歳以上、60歳の人は90歳以上生きる確率が半分以上ある」のだそうです。
また「いま先進国で生まれる子どもは、50%を上回る確率で105歳以上生きる」とのこと。
これはかなり衝撃的な話です。

本書は、このように将来的に人の寿命が伸び、100歳以上になるまで人生が続くことを前提にして、それがいままでの人の人生をどのように変えていくことになるのか、どのような問題が発生し、それに対してどのような対処が必要となるのかを教えてくれる一冊です。

人の長寿化をテーマにしたビジネス書は私が知る限り、殆どありません。
しかし、本書が指摘するように、人の寿命が伸びているのはたしかにそのとおりだという実感があります。
私はいま30代ですが、両親を始め高齢者と呼ばれる人たちがとても元気だという印象があります。
私が子どものころの70代80代の高齢者に対するイメージと、今の70代80代の高齢者へのイメージは全く違います。

寿命が伸びる、というと良いことのように思われますが、必ずしも良いことばかりとはかぎりません。
このような長命化は、人類がいままで経験したことがない現象なのです。
ですから、旧来の価値観のまま人生を生きたのでは充実した人生が送れない可能性があります。
本書を読んで是非とも自分が100歳を超えて生きるというイメージをもち、そのためにいま何をすべきか考えてほしいと思います。

本書は発売一ヶ月で11万部も売れた大ベストセラーです。
これは多くの人が長寿化にともない人生の価値観が変化していく(シフトしていく)ことを、本能的に気づいているからこそなのかもしれません。
ビジネスマンに限らず、これからの人生を生きて行く全ての人に読んで欲しい一冊です。

 

本書の著者は、リンダ・グラットン氏と、アンドリュー・スコット氏。
両者ともロンドンビジネススクールの経済学教授です。
グラットン氏は、人材論、組織論の世界的権威。
世界で最も権威ある経営思想家ランキング「Thinkers50」に2003年以降毎回ランキング入りし、フィナンシャル・タイムズ紙より「次の10年でもっとも大きな変化を生み出しうるビジネス思想家」に選出されています。
また2013年ビジネス書大賞を受賞した「ワーク・シフト」の著者でもあります。

「ワーク・シフト」は2013年当時かなり話題になった本でしたので、読んだ人も多いでしょう。
学者らしいしっかりとした裏付けに基づいた近未来への予想と洞察はとても鋭く読む度に納得させられます。

もう一人の著者であるスコット氏も大統領の経済アドバイザーなどを務める識者で、本書の著者としてふさわしい人物です。

 

では本書の構成を紹介したいと思います。

本書では、人が100年生きる社会が訪れることを前提として、人生で起きる様々な問題について分析を加えています。
例えば、「健康」「仕事」「教育」「引退後の生活」「資産」などについてです。

本書ではこれらの要素を語るにあたり、3人の違う世代を生きる架空の人物を登場させ、具体的にそれら3人が今後どのような人生を送るのか書いています。
その内の一人である「ジャック」は、1945年生まれで読者が40代であることを前提にするとイメージ的には両親世代ということになります。
もう一人の「ジミー」は1971年生まれ。
40代読者からすると自分が生きる世代ということになります。
最後の「ジェーン」は1998年生まれ、読者の子供か少し上の世代ということになるでしょう。

この3人をモデルケースとして、長寿化する時代におきる変化が語られるのです。
3人の具体例があるために、話の内容が机上の空論化することなく具体的な問題として理解できます。
本書はそれなりにボリュームがある本ですが、具体例で語られているために、頭に入りやすくスムーズに読み進めることができます。

どの世代の読者であれ、上記の3人の人物のどれかに自分を重ね合わせることができるはずです。
自分に同じようなことが起きたらどうするか、を登場人物に起きる出来事ごとに少し考えてみると面白いでしょう。
きっと思いもしなかった問題が将来起きうるのだ、ということに気がつくと思います。

 

さて以下では本書のなかでもとくに気になった点を紹介したいと思います。

 

『人生が短かった時代は、「教育→仕事→引退」という古い3ステージの生き方で問題なかった。しかし、寿命が延びれば、二番目の「仕事」のステージが長くなる。引退年齢が70~80歳になり、長い期間働くようになるのである』

 

これまで多くのビジネスマンにとって、人生は「教育→仕事→引退」という3つのステージでした。
これが長寿化した社会ではどのように変化するのでしょうか?

これからの変化はわかりませんが、長寿化しても義務教育や高校大学といった「教育」の期間が伸びることはあまり考えにくいことです。
すると、必然的に伸びるのは「仕事」ということになります。

多くの企業では60歳で定年になるのが通常ですが、これが10年20年と伸びる可能性があるのです。

この事実を知ってどのように思われるでしょうか?
「80歳まで働くなんで気が遠くなる・・」と思った人も多いかと思います。

しかし、この「仕事の期間が長くなる」という事実は、捉え方次第で良くも悪くもなるでしょう。
仕事をする期間が長くなれば、「社会とかかわりをもって社会に貢献できる期間が長くなる」と考えたり「長期間安定した収入を得ることができるようになる」というように捉えれば、人生にとってプラスになります。

一方で、マイナス面があることも間違いありません。
前述のとおり、ストレスの多い仕事に現在勤めている人にとっては「年をとってもなおストレスのたまる仕事をしなくてはならない」ということになりますし、仕事をする以上スキルを磨き続ける必要がありますから「一生勉強し続けなければならない」ということでもあります。

どちらの印象を受けるとしても「人生において仕事の期間が長くなる」というのは、近く訪れる未来としてかなり可能性の高い事実であることに間違いありません。
その事実を踏まえで今なにか行動することが重要です。
本書を読んでいない人は、その事実に気がついていません。取り返しのつかない状況になる前に、行動することが必要なのです。

 

「無形の資産は、撤回可能性も代替可能性もない」

 

長寿化する人生を考える時、お金に関する問題が一大事になることは間違いありません。
高齢になり働けなくなった時、お金がなければ生きていけなくなるからです。
本書では、お金に関する問題もしっかりと検討されています。

一方で、本書ではお金といういわば「有形の資産」と同様に重要な資産として「無形の資産」という概念を提案しています。
「無形の資産」というのは、例えばパートナーとの関係、友人との信頼関係、仕事のスキルなど、数字に表せないような資産のことです。

本書は、長寿化する人生においては「無形の資産」の価値が極めて高くなるため、「有形の資産」だけでなく「無形の資産」も構築することが重要であると説いています。

その理由は、長い人生を幸せに生きるためには「無形の資産」が必要不可欠になるからです。
これは例えば、大金持ちになったけれども仕事ばかりで家族や友人から見放され1人で寂しい老後を暮らす人、を考えてみればわかります。

この無形の資産は、有形資産における投資決定のようなやりなおしができるものではなく、株式とお金などのように代わりを見つけることができるものでもありません。
だからこそ、無形の資産に対する投資は慎重に行わなければいけないのです。

これまでの人生で自分がどれだけ「無形の資産」に投資をしてきたか、ぜひ一度振り返ってみてほしいと思います。

 

以上本書を紹介してきましたが、本書は長寿化するこれからの世界を見通す上でとても重要な視点を与えてくれる良書です。全ての人に読んで欲しい一冊ですが、とくに仕事ばかりしてきたというビジネスマンに読んでほしいと思います。
明日からの生き方が変わるかもしれませんよ。

 

超訳アニキの言葉

「100歳になった自分をリアルにイメージしてみよう!」

 

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坂下 仁 &宮大 元 著『お金のプロに聞いてみた!どうしたら定年までに3000万円貯まりますか?』

さて本書では、長寿化に伴う問題として定年後のお金に関する話題がでてきます。
そこで、本書とあわせてヨミポで読める「お金のプロに聞いてみた!どうしたら定年までに3000万円貯まりますか?」をオススメしたいと思います。

著者の提唱する「《貯金ゼロでも大丈夫!》本当は銀行員も教えたくないお金を増やす方法」を身につけて老後の不安に備えてみてください!

 

 

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 間川清 まがわ・きよし

 

日本の弁護士。埼玉出身。25歳で司法試験に合格。弁護士法人川越中央法律事務所を経営。

弁護士業務の傍ら、セミナー講師として 法律や仕事術に関して教えている。

著書に『5つの基礎と6つの応用技でマスターできるうまい謝罪』『そのかめはめ波は違法です!』

『1年後に夢をかなえる 仕事術』『「アレ」はなぜ合法なのか?』 ほか。

 

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