電子書籍アニキ書評 vol.87 ジェフ・コルヴァン著『究極の鍛錬』(サンマーク出版)

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間川さんコラム用

こんにちは!電子書籍アニキこと間川清です。

 

さて、今回は前回に引き続き読書の時間をどのように確保するか、について書いていきたいと思います。

前回、読書時間を確保する一つの方法として「とにかく読み始める」という方法を紹介しました。
人は、行動を始めることでやる気が湧いてくる、という性質をもっているので、とにかく読み始めることが重要、というのがその内容でした。

 

今回は、読書時間を確保する方法のひとつとして、「同時並行で複数の本を読む」という方法を紹介したいと思います。

 

本を読んでいると、どうしても「今はこの本を読む気がしない」というときがあります。
このような気持ちになると当然本を読む気にならず読書時間を確保することもできません。

では、そのような気持ちになったときにどうすればよいのか?

答えは簡単、読む本を変えればいい、のです。

 

仕事で疲れ切った時、上司や取引先に怒られた時、なかなか前向きな気持になることはできません。
そんな気分のときには、ビジネス書を読みたいとも思わないはずです。

しかし、心がワクワクするようなSF小説ならどうでしょうか?
現実逃避の意味も含めて読む気になると思います。

多くの人は、本は集中して一冊を頭から最後まで読み通さなければいけない、というイメージにとらわれすぎています。
同時並行して本を読んでも全く問題はありません。
人の気分は常に変化するものですから、その時々の気分にあった本を読めばいいのです。

同時並行して本を読み、その時の気分によって読む本を変えていけば、自然と読書量は増えていくでしょう。
ぜひ一度お試しください。

 


 

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ジェフ・コルヴァン著『究極の鍛錬』(サンマーク出版)

 さて、今回紹介する一冊は「究極の鍛錬」(サンマーク出版)です。

モーツァルト、タイガー・ウッズ、ビル・ゲイツ、ウォーレン・バフェット、これらの偉人たちは、常人では果たし得ない大きな成果を生み出した人たちです。
このような人たちと我々一般人とはどこが違うのでしょうか?

おそらく、多くの人は、「もともとの才能が違う」と考えるでしょう。
私もそう思っていました。

しかし、本書によれば、天才と凡人の違いは「才能」ではありません。
生まれつきの「才能」がほんとうにパフォーマンスの結果に違いをもたらすかどうかの研究では、生まれつきの「才能」というものは、パフォーマンス結果に影響しないという結果が出ているそうです。

それでは、偉人と凡人の違いをもたらすものはなんなのか?

それは、本書によれば「究極の鍛錬」ということになります。
「究極の鍛錬」をわかりやすく言い換えれば、「たくさんの正しい努力、練習」ということになるでしょうか。
昔ながらに大切だと言われる地道な努力こそが、天才と凡人の違いをもたらしているのです。

しかし、努力が重要だと言っても、ただやみくもに努力するだけではいけません。
「究極の鍛錬」には、効果を発揮するための正しいやり方があり、そのやり方にそって努力しなければいけないのです。

このように本書は、才能より努力が重要であること、そしてどのような努力をすることが効率的か、またビジネスや日常生活においてどのようして「究極の鍛錬」によるパフォーマンスアップを図るかといったことが書かれています。

自分には才能がないと思い込みいろいろなことを諦めてしまっている人、努力しても報われないと考えている人にはとくに読んで欲しい一冊です。

 

本書の著者は、ジェフ・コルヴァン氏。
アメリカの有名雑誌「フォーチュン」の編集主幹を務めています。
アメリカでもっとも尊敬を集めるジャーナリストの一人として広く講演・評論活動を行っており、ラジオなどのメディアでも活躍している人物です。

本書が素晴らしいのは、その内容は当然としてそれ以外にも文体がわかりやすく、大変読みやすいという点です。
「フォーチュン」誌の編集主幹として勤めている著者ならではの文章力と言えます。
海外翻訳ビジネス書は、内容はよくても文章表現が独特でわかりにくかったり、翻訳がこなれていないために読みにくくなっていることが多々ありますが、本書ではそのようなことが一切ありません。
約290頁ある大著ですが、読み通すのに苦労はしませんでした。

 

さて本書の構成を紹介します。
本書の構成はとても理論的な流れになっており、第1章から読み進めていくとスッと本書の主張が頭に入ってきます。
本の構成そのものが、内容の理解に直結しているのです。
このような本はなかなかないので、とても興味深いと言えます。
著者の構成力の高さがわかります。

 

本書の構成

まず第1章のタイトルは、「世界的な業績を上げる人たちの謎」ということで、タイガー・ウッズなど偉大な結果を出した人が普通の人とどう違うのかを分析します。
結論として、才能はさほど大きな原因にはなりえないということが語られます。

第2章では、「才能が過大評価されている」ことに言及します。
そもそも才能とは何なのか、本当に過去の偉人は「才能」が理由で大きな結果を出すことができたのかが検証されます。
ここで、多くの人が「才能」の存在を過大に評価しすぎていることがわかります。

第3章は、「頭はよくなければならないか」というタイトル。
ここでは「才能」とならび、人々が過大評価している「頭のよさ」について検証が行われます。
多くの人は、「頭がよい」=成功につながりやすい、という考えをもっています。
しかし、これは幻想に過ぎません。
この章を読めば「知能や記憶力が偉大な業績を生み出す」わけではないことがわかります。

第4章のタイトルは「世界的な偉業を生み出す要因とは?」です。
天才アメフト選手と言われたジェリー・ライス選手の半生を素材として、世界的な偉業を生み出すための最大の要因について分析が行われます。
結論として、その要因というのは「才能」や「頭の良さ」ではなく、「究極の鍛錬」であるということが導かれます。

第5では、究極の鍛錬とはなにか?何が究極の鍛錬で何がそうではないのか、ということが書いてあります。
ただの鍛錬とは違い、究極の鍛錬には次の5つの要素が含まれています。

①実績向上のために特別に考案されている

②何度も繰り返すことができる

③結果へのフィードバックが継続的にある

④精神的にはとてもつらい

⑤あまりおもしろくない

この5つの「究極の鍛錬」の要素はとても重要です。
なぜなら、自分でなにかの練習をする際、この5つの要素を満たしているかチェックすることで、成果に結びつく練習だけをすることができるからです。

ここから先の章は、「究極の鍛錬」をより具体的にどのように活用すれば、さまざまな分野において成果につなげられるかを紹介する内容になっています。
以下にタイトルだけ並べておきます。

「第6章 究極の鍛錬はどのように作用するのか

 第7章 究極の鍛錬を日常に応用する

 第8章 究極の鍛錬をビジネスに応用する

 第9章 革命的なアイデアを生み出す

 第10章 年齢と究極の鍛錬

 第11章 情熱はどこからやってくるのか」

 

それでは、本書のなかでも特に気になったポイントを紹介します。

 

本書のポイント 

「自動化の回避が究極の鍛錬を継続することの一つの成果なのだ」

 

本書には、「行動の自動化」という言葉がでてきます。これはどのような意味でしょうか?

本書によれば、「行動の自動化」というのは、最初は意識して行っていた行動が慣れるに従って無意識でできるようになること、を意味します。

自動車の運転を例にして考えるとわかりやすいでしょう。
車の運転を始めたばかりのときは、ウインカーを出す、後方を確認するなどの行動は意識的に行わざるをえませんでした。
しかし、運転になれてくると、そのような行動は意識しなくても、無意識状態のままできてしまいます。
これが「行動の自動化」です。

このような「行動の自動化」には、多くのメリットがありますが、デメリットもあります。
それは、「行動の自動化」によってその行動技術がそれ以上向上しなくなるのです。
車の例でいえば、運転に慣れてしまうことにより運転技術がそれ以上向上しなくなるということです。
通常の車の運転であれば、安全運転さえできれば技術の向上はしなくても問題ないでしょう。
しかし例えばレーシングドライバーであったらどうでしょうか。
行動の自動化により運転技術がそれ以上伸びなくなったら大問題です。

このような「行動の自動化」を防止するのが、「究極の鍛錬」にほかなりません。
自分がうまくできない点、さらに向上させたい点をしっかりと意識しながら練習することで、「行動の自動化」を阻止することができ、大きな成果をだすことにつながるのです。

「行動の自動化」という言葉聞きなれない言葉ですが、とても重要な考え方です。
自分が伸ばしたいと思っているジャンルで「行動の自動化」がおきていないかどうか、一度確認して欲しいと思います。

 

以上本書の内容を紹介してきました。
本書は、才能が結果の違いをもたらす大きな要因であるという思い込みを、いい意味で打ち砕いてくれる良書です。
偉大な結果を出したい方、間違った努力をしている方に是非読んで欲しいと思います。

 

超訳アニキの言葉

「才能より大切なのは、正しい練習である」

井上裕之著『努力の選び方』

井上裕之著『努力の選び方』

 

さて本書は「究極の鍛錬」言い換えれば「努力の仕方」について書かれた本ですが、
同じ努力について書かれたヨミポで読める本「努力の選び方」をあわせてオススメします。
著者である井上裕之氏が、24年間、1億円以上の自己投資の結果から明確になった、ムダな努力、やらなくていい努力の「見極め方」、

報われる努力の「選び方」と、その「実践法」を大公開してくれます。
ぜひ読んでみて下さい。

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間川清 まがわ・きよし

 

日本の弁護士。埼玉出身。25歳で司法試験に合格。弁護士法人川越中央法律事務所を経営。

弁護士業務の傍ら、セミナー講師として 法律や仕事術に関して教えている。

著書に『5つの基礎と6つの応用技でマスターできるうまい謝罪』『そのかめはめ波は違法です!』

『1年後に夢をかなえる 仕事術』『「アレ」はなぜ合法なのか?』 ほか。

 

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