電子書籍アニキ書評 vol.89 橘玲著『幸福の「資本」論』(ダイヤモンド社)

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間川さんコラム用

こんにちは!電子書籍アニキこと間川清です。

 

さて、今回前回に続いて、本で読んだ内容を身につける方法について、紹介したいと思います。

前回紹介した方法は、「いつでも見返すことのできる読書メモをつくる」という方法でした。

 

今回紹介する方法は、「読書の内容をアウトプットする」という方法です。

人は、頭の中の情報を誰かに伝えようとするとき、その情報を記憶しやすくなるという性質をもっています。
そして同時に、その内容を深く理解するようになります。

例えば、最近読んだ本の内容を、家族や親しい人に10分で説明してみてください。
いきなり説明するのは難しいので準備をすることになると思いますが、その過程でかなり頭をつかうことになるのがわかると思います。

人になにかを説明するとき、上っ面の知識だけでは失敗してしまいます。
その言葉の真意はなにか、前提となる知識がなにか等など、深い理解がなければ人に説明することができないのです。

そのため、アウトプットすることが、本の内容を身につけることにつながるのです。

アウトプットの方法は何でも構いません。
家族に説明するのでもいいですし、家族がいなければ人形に説明するのでもOKです(人にみられないようにしましょう 笑)。
ブログや書評を書くのもいいでしょう。

 

本の内容を身につけるために、アウトプットをする。是非実践してみて下さい。

 


 

幸福の資本論

橘玲著『幸福の「資本」論』(ダイヤモンド社)

 さて今回紹介する一冊は「幸福の「資本」論」(ダイヤモンド社)です。

 

私を含め、世の中のほとんどの人は幸福になりたい、幸福でありたい、と考えているはずです。
しかし、幸福になるために、なにが必要であるかを理解している人は少ないでしょう。
本書は、幸福に生きるための土台となる要素を「3つの資本」という切り口から教えてくれる一冊です。

本書がいう幸福になるための土台となる3つの資本とは「金融資本」「人的資本」「社会資本」のことを指しています。

「金融資本」というのは、名前のとおりお金のこと。
他人に頼らないでも行きていくことができる経済的自立という意味もあります。
お金だけでは、必ずしも幸せになることはできませんが、お金がなければ不幸になる可能性は高くなります。
その意味で、「金融資本」が幸せに土台の1つであるという著者の主張はそのとおりです。

3つの資本の2つ目である「人的資本」。
これは、労働市場における自分自身の価値というような意味です。
この「人的資本」というのは、少しわかりにくい部分かもしれませんが、さらに噛み砕いていうと、
「自分に、どれだけ働いて稼げるだけの価値があるか」ということです。
たとえば、新卒で大企業に入社して働き出した新入社員Aさんは、順調にいけば定年退職までの間に生涯賃金(3億円とする)を稼ぐことができるでしょう。
そう考えると、Aさんの人的資本は3億円ということになります。
対して、既に定年退職をした65歳のBさんは、働かずに悠々自適の生活をしていますので、人的資本は0円ということになります。
高い人的資本をもち、仕事を通じて収入を得ることができれば、生活の基盤を保つことができます。
生活の基盤があれば明日の生活に困ること無く、趣味に打ち込んだり自己実現を追求することができます。
趣味や自己実現は、幸せを感じるための重要な要素ですから、「人的資本」が幸せの土台の1つであると言えるのです。

最後の資本は「社会資本」です。
これは、豊かな人間関係という意味です。
温かい家族に囲まれ、信頼できる友人がいる。
それが幸せにつながるというのは、容易に理解できるでしょう。
使い切れないほどのお金があったとしても、一人ぼっちでだれも共感してくれる人がいなければ意味がありません。
その意味で「社会資本」は幸せの土台の1つといえるのです。

 

以上が幸せの3つの資本です。
本書がおもしろいのは、幸せの土台がこの3つであることを紹介した上で、土台の組み合わせ次第で自分にあった幸せな生き方を設計できることを説いている点にあります。

 

本書では、この3つの土台を組み合わせて全部で8つの「人生パターン」を紹介しています。
各3つの土台のうち、どれがあってどれがないかで、人生のパターンが決まるのです。

 

8つのパターンは「超充」「リア充」「旦那」「金持ち」「退職者」「ソロ充」「プア充」「貧困」です。

 

各パターンの代表例を簡単に紹介していきます。

 

「超充」は名前のとおり、3つの土台がすべて「有り」な人生です。
お金もあって、高い収入を得られる仕事もあり、豊かな人間関係をもっているという人生。
理想的な人生といえますが、著者曰く「超充」な人生を送っている人はほとんどいないといいます。
それには理由があるのですが、ここでは割愛します。

「リア充」は、金融資本「無し」人的資本「有り」社会資本「有り」のパターンです。
貯金はないけど、高収入の仕事があり仲間にも恵まれている社会人数年目の若者、というのが典型的なイメージでしょうか。

「退職者」は、金融資本「有り」人的資本「無し」社会資本「無し」のパターン。
仕事一筋で頑張って働き退職した元会社員のイメージ。
退職金でまとまったお金をもらったのでお金はありますが、仕事はしていない。
現役時代仕事一筋だったので、退職後は家族以外のつながりがない、というような人です。
土台の2つが欠けていますが、退職者の人が幸せに生きるのはそんなに大変ではないでしょう。
金融資本という土台の一つがあるからです。

「貧困」は、悲惨です。
3つの土台をすべて失っている状態です。
お金もなく、まともな働き口もない、それでいて孤独な状態。
本書の例でいえば、夫の虐待により着の身着のまま家をでたシングルマザーということになるでしょうか。
この状態になれば、日々の生活を維持するのに必至で、自由や自己実現を考えている余裕はありません。

 

本書はこのように、幸せになるための3つの土台について紹介しつつ、各要素がどのように成り立っているのか、どうすればこれらの土台を築くことができるのか、を教えてくれる本です。

 

私の感想ですが、本書は「幸せになる方法」を直接教えてくれる本ではありません(そもそも「幸せ」は人によってそれぞれ違いますから、それを教えてくれる本は存在しないと思います。)。
しかし、幸せになるための土台が何であるか、そしてその土台はどのような考え方と行動をすれば築くことができるのかを教えてくれる本です。

本書の内容を知っていれば、自分の人生を幸せという方向に向けて軌道修正することができでしょう。
例えば、本書の3つの土台を自分に照らし合わせてみると、どの要素が充分でどの要素が不足しているかがわかります。
仕事ばかりで友人と交友していない人であれば、
「自分は人的資本については充分だが、社会資本が足りていない。もっと友人関係を大切にしなければいけない」ということがわかり日々の行動を変えることができます。

 

漠然と人生に不安を感じている人、幸せになりたいと思っている人には是非読んで欲しい一冊です。

 

本書の著者は、橘玲氏。
お金をテーマにした著作を多く持つ作家です。
金融小説「マネーロンダリング」で作家デビュー後、たくさんの著作を発表しています。
ベストセラー本として有名なのは「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方」。
最近ではメルマガ発行や雑誌の連載記事なども手がけているようです。

橘氏は、私が大好きな作家さんのひとりです。
おそらく氏の著作はほぼ全て読んでいると思います。
お金や経済に対する冷静な分析とわかりやすい文章、そして根底にある読者へのやさしさがとても魅力的です。現代社会を生きる上で氏の著作を読んでおくことは絶対に損になりません。
本書を含め氏の著作はもっと多くの人に読んで欲しいと思います。

 

超訳アニキの言葉

「幸せは複雑だが、その土台はシンプルだ」

 

さて、本書は幸せをテーマにした本ですが、「大好きなことをやって生きる」人生が幸せな人生であることは誰でも共感できると思います。

本田健著『大好きなことをやって生きよう!』

本田健著『大好きなことをやって生きよう!』

そこで、ヨミポでよめる「大好きなことをやって生きよう!」を本書と共に読む本としてオススメしたいと思います。
著者はあの本田健さん。
大好きなことをやって幸せな人生をおくる方法を学んでみて下さい。

 

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間川清 まがわ・きよし

 

日本の弁護士。埼玉出身。25歳で司法試験に合格。弁護士法人川越中央法律事務所を経営。

弁護士業務の傍ら、セミナー講師として 法律や仕事術に関して教えている。

著書に『5つの基礎と6つの応用技でマスターできるうまい謝罪』『そのかめはめ波は違法です!』

『1年後に夢をかなえる 仕事術』『「アレ」はなぜ合法なのか?』 ほか。

 

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