仕事で良い結果を出せる! 西多昌規流・「ストレス」を無くしてパフォーマンスを上げるたった1分の朝習慣

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世の中にあるビジネス書の多くが「人の能力に大きな差はない」と述べています。
しかし、あなたの会社や仕事の現場を見回してください。
仕事ができる人、出来ない人。
結果を出せる人と結果を出せない人に明確に分かれてしまっていますよね。

人の能力に大きな差はないはずなのに、この結果はなぜ引き起こされるのでしょうか?

理由はさまざまありますが、1つの理由として、仕事の「ストレス」が結果を出せないことに関わっている可能性が考えられます。

ストレスは、脳の機能を低下させたり体を不調にしたりする要素を含んでいます。
それは同時に「集中力・行動力・思考力」も低下しています。
ストレスがある状態では、よい結果を出せないことは容易に想像できますよね。

「一生懸命仕事を頑張っているのに、なんでよい結果を出せないの?」
とお悩みのあなたは、もしかしたらあなた自身が抱えている仕事のなどのストレスが、あなたに悪影響を与えているのかもしれません。

ではストレスを解消して、脳の機能をアップさせるにはどうしたら良いのでしょうか?

ストレスは、実は「良いストレス」と「悪いストレス」に分かれます。
「良いストレス」は人が生きるために必要なものです。仕事において成果を出すために「良いストレス」があなたに適度な緊張感を与えるので、一定の結果をもたらすことができるのです。

問題は、「良いストレス」とは真逆の存在である「悪いストレス」。
仕事においてもプライベートにおいてもこの「悪いストレス」が悪影響を与え、結果を出せない人を生み出してしまっているのです。

この「悪いストレス」を極力減らす、または「悪いストレス」を「良いストレス」に変えることが、脳の機能をアップさせることにつながります。
脳の機能がアップすると必然的に「集中力・行動力・思考力」も高まるので、仕事で結果を出しやすくなるというわけです。

それらの方法として2つあげられます。

1つは「考え方を変える」こと、もう1つは「生活習慣を変える」ことです。
どちらも大切ですが、「生活習慣を変える」ことのほうが難しくもなく現実的のように思えませんか。

その「生活習慣を変えて『ストレス』に対処し脳の機能をアップさせる」コツを、39個も紹介しているのが精神科医・西多昌規氏です。

西多氏は「生活習慣を整えるには、ズレが生じている体内時計を毎朝リセットする必要がある」と考えたところから「朝1分でできる習慣」をあみだしました。
この「朝1分でできる習慣」は、西多氏が医師の立場から「医学的・科学的根拠のある習慣」だけを厳選しています。

あなたは「日々、もっと良い結果を出したいのに…」ともがいませんか?
であるならばぜひ「朝1分間でできる習慣」を基本として「生活習慣を変える」を実行してみてください。

実行すると、あなたの中から「悪いストレス」が消えていきます。
「悪いストレス」が消えたことにより脳の機能がアップするので、あなたの「集中力・行動力・思考力」は高まります。
したがって、自分の能力を最大限に引き出せ、あなたは仕事で良い結果を出すことができるのです。

さあ、仕事で良い結果を出すための「朝1分間でできる習慣」とはどんなものなのか。
さっそく読み進めていきましょう!

はじめに

第1章 一流の人は「朝1分の習慣」でストレスを消し、
ハイパフォーマンスを実現する
“昨日の疲れを残さない”ことで「集中力」「行動力」「思考力」は高まる

「脳」と「体」のコンディションを整えられる人が一流である
ストレスを受けると人間は正直に反応してしまう
朝1分の〝ちょっとした習慣〟でストレスは消えていく
一流が〝ポジティブさ〟より大事にしていること
「夜型人間」でもあきらめなくていい!
これが「見た目が若い人」と「老けて見える人」を分ける
朝の過ごし方で「睡眠の質」に差が出る
体内時計を整えればパフォーマンスは上がる
ストレスを消す基本ルール――「遺伝に逆らわない」
一流は医学的・科学的根拠が疑わしいことをしない
朝から「集中力」「行動力」「思考力」を高める秘訣
◆第1章まとめ◆「ストレスに負けない」ために気をつけること

 

はじめに

ストレスによって「脳」と「体」の機能が低下する!?

ハイパフォーマンスで仕事をこなす」
朝イチからスタートダッシュを切り、質の高い仕事をする」

ハードワークでも心身を消耗させずに、高い集中力を発揮する」
限られた睡眠時間で、昨日の疲れを残さない。スッキリ目覚める

行動力、思考力、判断力、発想力を高めたい」
月曜からバリバリ働く
「見た目の若いビジネスパーソンになる」

男女年齢を問わず、一流と呼ばれるビジネスパーソンを目指すなら、自然にこのような願望を持つことになります。ただし、これらを実現できているのは、ほんの一握りの人であることも事実です。

ビジネス書では、「人の能力には大きな差はない」とよく述べられています。天才と呼ばれるごく限られた人はともかく、実際に私もその通りなのではないかと感じています。

しかし、ここで疑問が浮かんできます。それなら、なぜ、仕事で結果を出せる人と出せない人がいるのか、ということです。精神科医である私は、その大きな原因のひとつは、「ストレスにあるのではないか」と考えました。

 

一流は“意識的”にも“無意識的”にも
この「朝の習慣」をやっている

なぜなら、ストレスは、脳機能の低下をもたらし、体の不調も引き起こすからです。

ベトナム戦争から帰還した兵士たちの脳を調べてみたところ、脳の海馬という部分が萎縮していたという研究結果があります。

うつ病でも、前頭葉の血流や代謝などの脳機能の低下がみられます。また、うつ病の症状として、頭痛や腹痛、疲れが取れないなどの体の不調が起こるということは、あなたも一度は聞いたことがあるでしょう。

私は、精神科医として、心を消耗してしまった人々と日々向き合っています。ここまで極端な話ではなくても、人が何かしらのストレスを受けているのは間違いありません。そのため、誰もが脳と体の機能低下を起こしている可能性があるのです。

上司、同僚、部下、会社、社外の関係者、仕事の量・内容、お金、デジタル機器、環境……などのあらゆる要素によって、人はストレスから逃れられないのです。

しかし、どんなストレスを抱えながらでも、仕事では結果を求められますし、生きるためには働かなければなりません。

そこで私は、少しでも「悪いストレス」を消して、脳機能と体のポテンシャルを上げながら仕事に向かうためのコツを本書でご紹介していきます。

一流と呼ばれるビジネスパーソンは、意識的にも無意識的にも、この本でご紹介するストレスを消す朝の習慣を行なっています。そして、常に自分の能力をフルに発揮し、最高のパフォーマンスを実現しながら仕事に向かっています。

とは言っても、ストレスをすべて消す必要はありませんし、それは不可能です。ストレスをすべて消そうとすれば、それ自体がストレスになるのです。

ストレスには、2つの種類があります。後で詳しくご説明しますが、「良いストレス」と「悪いストレス」です。「良いストレス」とは、人が生きるためには必要で、充実感や達成感をともなうものです。

本書では、脳と体に不調を引き起こす「悪いストレス」を極力減らし、さらに「良いストレス」に変えていくアプローチ法をお話ししていきます。

 

毎朝起こってしまう「脳の時差ボケ」が治るから
昨日の疲れが消える

「ストレスを消すためには、考え方を変えなければならない」とよく言われますし、単純に、「ポジティブさを持とう」と言われることもあります。考え方を変えて、ストレスに強くなることはたしかに有効ではあります。

しかし、考え方を変えるためには時間がかかります。これができれば、誰も苦労しないのです。ヘタをすれば数年かかってもおかしくないストレス克服法です。

私は、このような方法よりは、「生活習慣を変えてストレスを克服する」方法のほうが現実的だと考えています。

なぜなら、ストレスの問題は、「寝る、起きる」というリズムを崩してしまうと起こると思っていただければいいからです。軽いうつやストレスによる不調は、体のリズムが乱れているから起こっていると考えてもらっていいでしょう。「クヨクヨ」「イライラ」「疲れ」というものは、体のリズムを整えることで消していくことができるのです。

人間の体内時計は、個人差はありますが24時間よりも数十分長いことがわかっています。つまり、人の脳は、毎朝「時差ボケ」を起こしているのです。

この数十分のズレを整えれば、「悪いストレス」が消えていき、自分の能力を最大限に引き出せます。

ズレていきがちな体内時計を、毎朝「リセットする」ことが大切です。体内時計を整えるリセット作業は、朝できることが多いのです。朝が、日中、夜の生活を支えるから、考えてみれば当然です。体内時計を整えるために「朝1分でできる習慣」をできる限り考えて、まとめたものが本書です。

考え方より、「基本的な動作」を変えることを意識しましょう。

また、私は精神科医なので、医学的、科学的根拠がある習慣だけを厳選しました。「根拠があって、続けることが可能なこと」だけをやってほしいからです。

 

医学的根拠がある1分の習慣で
朝イチからスタートダッシュを切り
日中のハイパフォーマンスを実現する!

本書は、次のような流れでつくられています。

第1章では、ストレスを消し「脳」と「体」のコンディションを整え、ハイパフォーマンスを実現するために知っておくべき「基本的な知識」を書きました。

第2章〜6章では、1日中「高い集中力」で仕事を行なうための

「目覚めてスグにできる習慣」「ベッドの中、ベッドから出てからできる習慣」「朝食の習慣」「通勤中にできる習慣」「仕事場でできる習慣」

をご紹介しています。

第7章では、朝からスタートダッシュを切るための「良い睡眠習慣」について述べました。

ストレスを消すコツをご紹介していますが、自分に合ったもの、やれると思ったものを選んでやってみてください。

ひとつ実行するだけでも効果があるものを厳選しているからです。また、全部やろうとしてしまうと、約40分かかるので現実的ではありません。

まずは1分、やってみようと思えたものを実行してみることがスタートです。
誰にでもできる、「当たり前のことを当たり前にやる」。

これが、「悪いストレス」を消し、自分の能力を最大限に引き出すコツです。
それでは、まずは1章から気楽に読んでみてください。

西多昌規

 

第1章
一流の人は「朝1分の習慣」でストレスを消し、
ハイパフォーマンスを実現する

“昨日の疲れを残さない”ことで
「集中力」「行動力」「思考力」は高まる

 

「脳」と「体」のコンディションを整えられる人が一流である

「ストレス」という言葉は、知らない人がいないくらいに日常生活で多くの人に使われています。

「ストレスを感じる」「ストレスがたまる」「ストレス状態にある」「ストレスで気分が落ち込む」「ストレスを発散できない」……など、ストレスという言葉が会話の中に出てくることはよくあることでしょう。

現代人は、昔は見られなかったストレスに苦しんでいます。以前は、仕事や人間関係のストレスが代表格でしたが、最近では、テクノストレス、環境ストレス、酸化ストレス、育児ストレス、看護・介護ストレスなど、ストレスの種はいくらでもありますし、これからもどんどん新しいストレスが生まれてきそうです。

ストレスとは何かを解説した本はたくさんあります。学問的な解説はここでは省きますが、一般的にストレスという言葉は曖昧ではっきりした定義はありません。

「外部からの刺激によって生じる、生体の反応すべてをひっくるめたもの」というのが定義なのかもしれません。

「上司に怒られ、心臓がドキドキした」
「やるべき仕事が多すぎて、いつも気がかりで落ち着かない」

具体的には、こんなところでしょう。文明社会で問題になるのは、メンタル面でのストレスであることは言うまでもありません。

しかし、ストレスはすべてが悪者で厄介なものというわけではありません。「良いストレス」というものもあります。

上司に注意されればストレスですが、注意点を改善していければ、自身の成長につながります。自分を成長させるための充実感や達成感、満足感を得るためのストレスは、むしろ必要不可欠なものです。

ストレスが全くないと、脳も体も鈍ってくることは、定年を迎えて社会的ストレスがなくなると、急に老け込んでしまう人が珍しくないことからもわかります。

問題なのは、「悪いストレス」です。

「良いストレス」とは逆に、達成感や充実感が得られない、なかなか抜けない疲れだけが残るようなものが厄介なのです。

自分のしていることの意味が見出せないのに、「これをやらなくてはいけない」と自分を追い込んでいると、どうなってしまうか考えてみましょう。

モチベーションがわかないため、仕事の能率や質が落ちてしまいます。たった1の失敗も100くらいにオーバーに考えてしまい、自信を喪失してしまいます。

悪いストレスの下では、自信を喪失するだけでなく、周囲に対する不満、怒りが頭をもたげてきます。人間関係がうまくいかなければ、仕事はますますうまくいかなくなるという悪循環に陥るのです。

では、「悪いストレス」を「良いストレス」に、自分の中で変えていくことはできないのでしょうか。実は、できないわけではありません。

同じストレスでも種類や程度の差だけではなく、私たちのストレス処理能力の差によって、「良いストレス(eustress)」にも「悪いストレス(distress)」にもなりうるのです。これは、ストレス学説の提唱者である、生理学者ハンス・セリエが記していることです。

お風呂や食事、仕事がうまくいったということなどは、良いストレスと言えます。一方で、いじめ、破産、不眠、仕事がうまくいかないなどは、悪いストレスです。

しかし、仕事や人間関係は、「良いストレス」にも「悪いストレス」にも、どちらにもなりうるものです。

絶対的に悪いストレスに対しては、場合によっては薬やカウンセリングなどの助けが必要かもしれませんが、どちらにもなりうるストレスについては、自分次第でコントロールできる部分があります。

一流と呼ばれる人は、悪いストレスをうまく消しながら、自分の能力をフルに活かしていくのです。

 

ストレスを受けると人間は正直に反応してしまう

「良いストレス」と「悪いストレス」のお話をしましたが、ストレス自体は私たちにとって通常いいものではありません。つらく、キツいものであることがほとんどです。

ストレスは、私たちに容赦なく襲いかかってきます。その中でも、「悪いストレス」は、質と強さともに、私たちが我慢できる程度を超えていることが少なくありません。

「パワハラ上司と毎日顔を合わせて、仕事をするのはウンザリ」
「ハードワークで、ヘトヘトに疲れている」

いずれも、「悪いストレス」です。権力がある人間からの理不尽な攻撃は、心身ともにまいってしまいます。

睡眠・休養が絶対的に足りなくなると、人間はうつ病や自殺のリスクが高くなることは、公的な研究でも示されていることです。

では、「悪いストレス」によって、どうして能力は下がってしまうのでしょうか。

精神科・心療内科に通っている中でも、具合の良くない人たちは、「悪いストレス」の被害者です。こういった人たちは、ストレスによって、眠れない、毎日が憂うつといった悩みだけでなく、集中力や思考力、持続力などが、元気だった頃のように戻らないことに悩んでいます。

過度なストレスを受けると、人間の脳や体は正直に反応します。

脳が「これは、大変なストレスだ!」と感じると、脳の中の視床下部ぶや下垂体が反応してホルモンを分泌します。

脳からのこのホルモンに呼応して、腎臓の脇にある「副腎」というところから、ストレスに関係するホルモンや神経伝達物質が分泌されます。アドレナリン、ノルアドレナリンは有名ですが、さらに、コルチゾルという、生体維持に必要なストレスと戦うホルモンの分泌が高まります。

ストレスと戦う「抗ストレス戦線」が、うまく働いていれば、人間はストレスを糧にして成長していくことができます。

ところが、迫りくるストレスが「抗ストレス戦線」では戦えないくらいに強力だったり、あるいは「抗ストレス戦線」が乱れて統率が取れていなかったりすると、ストレスに負けてしまいます。

ストレスに負けたときは、どうなるのでしょうか。

ストレスホルモンであるコルチゾルは、あまりに働きすぎると、脳にダメージを与えてしまいます。具体的には、脳神経細胞の栄養分とも言える「神経由来栄養因子」という物質をダメにしてしまうのです。

ベトナム戦争後の兵士たちの脳を調べたところ、脳の海馬という部分が萎縮していたという研究結果があります。うつ病でも、前頭葉の血流や代謝など脳機能が低下していることもわかっています。

つまり、ストレスは脳の機能を落としてしまう可能性があるのです。

つまり、一流の人とその他大勢の人とを分ける原因の大きな要素のひとつとして、ストレスがあるということです。

ただし、ストレスを被った全員が、脳の働きが落ちるわけではありません。ストレスと向き合って、元気に過ごしている人も大勢います。

では、なぜ、その違いが生まれるのでしょうか。

 

朝1分の〝ちょっとした習慣〟でストレスは消えていく

「悪いストレス」を「良いストレス」に自分の中で変えていくには、
「頑張っていれば、いいことがある!」

「クヨクヨしないようにする」
というように、考え方をポジティブに変えればいいと思いがちです。

考え方をポジティブに変えていくことはとても大切です。うつ病の治療においても、考え方を修正する「認知行動療法」は、薬に匹敵する効果があるとされています。

ストレスを消すという意味での究極のゴールは、ピンチに陥っても、困難に向き合っても、元気に頑張れるタフな人間像でしょう。

しかし、人間の考え方を変えていくには時間がかかります。どれくらいかと聞かれると困りますが、数日や数カ月で変えられるものではありません。

大切なのは、
「考え方よりも、日々の生活習慣」

「できることから、少しでもいいのでやっていく」
という、ストレスを消すための〝考え方〟より〝行動〟を重視したスタンスです。

たとえば、軽症のうつ病ならば、薬よりも、規則正しい食事、運動、睡眠といった生活療法が推奨されています。ストレス性のうつの患者さんは、入院して生活リズムを規則的にしただけでかなり症状が改善されます。

ただ、このように書くと、
「わかってはいるけれどできないから、困っているんです」

「それができれば、苦労はしません」
という声が聞こえてきます。

たしかに、「言うは易く行なうは難し」です。

ストレスに強くない人の特徴として、「カンペキ主義」「100%主義」があります。「カンペキにできないのなら、やってもムダだ」と腹の中で思っているので、行動に移せない、あるいは億劫で腰が重くなっているのです。

私は精神科医として、あなたにこうアドバイスしたいと思います。

「たった1分の習慣でいいから、できることをやっていこう」

これが、ストレスを消すためには大切なのです。

カンペキ主義、100%主義の人は、「1分でできることなど意味がない」と思いがちですが、この積み重ねがバカにできないのです。先にも述べましたが、生活のリズムを整えることが、ストレスを消していくコツです。

朝1分でできる習慣をやっていきましょう。

朝に行なう理由は、朝の習慣が昼、夜の生活に大きな影響を与えるからです。また、朝は頭もスッキリしていて、エネルギーも高いので、実行しやすいのです。

ストレスが消えていくということは、「悪いストレス」が、「良いストレス」に自分の中で変わっていくことです。「良いストレス」に変われば、ストレスがかかっているとは思わなくなるからです。

本書では、行動、習慣に焦点を当てた、「ストレスが消えていく朝の1分の習慣」をご紹介していきます。医学的・科学的な視点はもちろんですが、忙しい朝に実践できることを重視しました。

人によっては1分では難しいと思える習慣も入っているかもしれません。何より、本書に書かれている1分の習慣をすべてやれば、約40分かかるので実践的ではないと思うかもしれません。

批判はごもっともですが、あくまで「できることを、少しでもいいのでやっていく」という、謙虚な基本姿勢を取ってください。

どの習慣も、ひとつでも行なえば、ストレスが消えていくように考えて書いています。

時間のない朝に、少しでもメンタルにいい習慣を知ってもらって、少しでも習慣として続けてもらえれば、ストレスも消えていくという私の狙いがあるのです。

 

一流が〝ポジティブさ〟より大事にしていること

「ああ、またつらい1日の始まりか……」
「仕事、行きたくないなぁ」

多くの人が、曇った重たい気持ちで朝を迎えています。

「朝はゴールデンタイムだと言われているけれど……」
「朝から元気なのは、テンションの高い人だけだ!」

スッキリした朝を迎えることは「自分には無理だ」と、あきらめている人が大多数でしょう。

しかし、朝が1日の中で最も大切な時間帯であることは、あなたもわかっているはずです。たまに行く旅行のときなどで、普段よりも早く起きられときには、すごく得をした気分になったことがあるはずです。

・1日の始まりを彩る美しい朝焼け
・澄み切った空気や風景
・騒音とは無縁な静けさ

これらは早起きしたときに味わえるメリットです。早朝はすべてがすがすがしいものです。

ただ、そんなに朝早い時間帯ではなくても、午前中という広い意味での「朝」は、仕事だけでなく人間の活動にとって「ゴールデンタイム」なのです。

1日の後半である夕方から夜にかけては、朝から昼にかけて活動した疲労がたまっているのは事実です。「そろそろ眠りなさい」という、眠りへのプレッシャーが高まってくるのが夜なのです。

川に造られたダムも時間が経てば、土砂が底にたまっていき底が浅くなり、ダムとして働かなくなってきます。疲労という土砂がたまった状態が夜とすれば、放水して土砂が流されてきれいになった状態が、まさに朝なのです。

では、どうして朝がつらいんだろう? という疑問が、当然わいてくるでしょう。朝が苦手な私が、ずっと考えてきた疑問点でもありました。

「気合い」や「やる気」などの気持ちの持ちようも軽く見てはいけないのですが、なんと言っても効いてくるのは毎朝の生活習慣です。

人間はいくら自分に厳しい人でも、どこかで楽なほうに流れてしまう習性を持っています。三日坊主の経験がない人はいません。

だからこそ、意志の力よりも習慣が大事なのです。

朝のシンプルな習慣の地道な積み重ねによって、ストレスは消えていきます。そして、一流の人はこの習慣を自然と身につけていると考えられます。

逆に、朝の過ごし方を間違えると、ストレスが雪だるまのように大きくなり、うつ病などの心の病気になりかねません。能力も下がります。

午前中をゴールデンタイムにするためにも、本書で述べていく習慣を取り入れて、「毎朝やるのが当たり前」という具合に落とし込んでいきましょう。

そうすれば、日中も元気で過ごせ、夜の眠りも良くなります。何より、ストレスがかかっていることすら、気にならなくすることができるのです。

 

「夜型人間」でもあきらめなくていい!
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朝ラン、朝読書会、朝食会……。「朝活」という言葉が流行して数年経ちますが、今でもブームは健在です。伊藤忠商事のように、残業削減のための「朝型勤務」を推し進める企業も増えています。

2020年の東京オリンピックでも、炎天下での競技を避けるため、開始時間を前倒しするサマータイム制度の導入が議論されています。

朝からバリバリ元気な人の話をすると、肩身が狭くなるのが朝が苦手な「夜型」の人々です。

「朝活なんて私には無理だ……」
「朝活ができる人は、もともとテンションが高い人だ」
「朝からバリバリ仕事をする人」=「デキる人」という認識が現代社会です。

結論を言えば、夜型の人が無理に「朝活」にチャレンジすることはありません。朝の苦手度を下げるだけでも、十分にストレスを和らげることになるからです。

最近の研究では、朝型か夜型かは、遺伝子によっておおよそ決まってしまうことが明らかにされています。

夜型の人でも生活習慣を変えていくことによって、朝型に変えていけるフレキシブルなタイプもいれば、どう頑張っても夜型という人もいるわけです。

遺伝子的に根っからの夜型人間が、朝型勤務を続けたならば調子を崩してしまう危険性はかなり高くなると考えられます。こういうタイプは、夜になると本調子が出てきますから、研究や執筆、あるいは夜の接客業のような、自分の長所を活かせるような仕事や作業をするのが理想です。

そうはいかなくても、つらく苦手な朝の過ごし方を変える、今までやっていなかった習慣を少し加えるだけで、朝の「苦手度」を下げることは可能なのです。

「夜型人間」は、不利なことばかりではありません。

じっくりものを考える、夜間の非常時に対応できる、宴会など社交の場でも活躍できるなど、メリットが大きいのも事実です。

午前中のしんどさを少しでも軽くしていけば、得意な夜の時間もますます充実させていくことができます。

夜型の人はどうしても朝が苦手なので、朝のつらさを強調してしまいがちですが、いいところに目を向けていきましょう。

そして、本書で紹介している朝の習慣を少しだけでも取り入れることができれば、「朝のつらさ」=「ストレス」も少しずつ軽くしていくことができるのです。

 

これが「見た目が若い人」と「老けて見える人」を分ける
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「もう会社に行きたくない……」
「上司の顔を見るのはウンザリだ」
「今日も苦しい1日の始まりか……」

多くの人が、朝ウツラウツラと目が覚めたとき、このように重い気持ちになっています。

こういうときに、「日本でうつ病が100万人を突破」「新型うつ病が大問題」というニュースを見聞きしたらどうでしょう。

あるいは、最近多いのですが、「隣の部署のAさん、メンタルを病んで休んじゃったみたいよ」「営業のB君やめちゃったけど、うつだったらしいよ」など、身近な噂を耳にして、「自分ももしかして……」と心配になるのは当然です。

気分が沈む、イヤなことがあって凹む、億劫で気が重い、これらは健康な人でも十分に生じうる気持ちの動きです。うつ病の人は、表情も生気がなくなり暗く、声色もか細くなります。

「もしかして、うつかも……」ということは、誰にでもありうることです。大切ことは、こういうときに、自分なりに予防策である習慣を取り入れているかどうかです。

脳にも体にも良くないことを、「もしかして、うつかも」というときにもかかわらず続けていては、正真正銘のうつ病に発展してしまいかねません。実際に、そういう人がどうにもならなくなり精神科で受診せざるをえなくなるわけです。

気分を改善するために光を浴びたり、朝食を摂ったりするといったお決まりのことは有名ですが、習慣化するには工夫が必要です。

豊富な知識だけで実践を伴わず、習慣にならないものでは、ストレスを消すことなどできません。

だから私は、確実に習慣化する、わずか「朝1分」でできる簡単なことをご紹介していきます。

ストレスが強い仕事でもなんとか頑張っている人、朝からバリバリ働いている人、あるいは朝が苦手でもトータルでは結果を残している人、これらの人たちがなんの工夫も考えずに朝を過ごしているとは思えません。

男女ともに40歳頃から見た目にも年齢の個人差がはっきりしてきますが、朝に行な
う習慣の積み重ねが非常に大きいのです。

「1分」を笑う者は、結局自分に対して何もプラスなことはできず、ストレスに押し潰される可能性が大きいのです。

数十分や数時間では気が遠くなり、習慣化するのが難しくなります。数分、いやもっと絞って「1分」のほうが割り切って実践できます。

「もしかして、うつかも……」というときには、数十分かけて何かをやるのは、非現実的です。「1分」くらいのほうが、気が楽で続けやすいのです。

 

朝の過ごし方で「睡眠の質」に差が出る

良くない睡眠によってストレスを抱え込む人は多くいます。

朝がつらいのは、夜ぐっすり眠れていないからなのでしょうか。結論を言うと、夜の睡眠だけが原因ではありません。

「3時間しか眠れない」というような絶対的な睡眠不足ならば、疲れが取れないという話もわかります。けれども、ある程度の睡眠時間を確保できているにもかかわらず、朝がつらい、疲れが取れないとなると、自分の睡眠の質を疑いたくなる気持ちがわき上がってくるでしょう。

「睡眠の質を良くすれば、3時間睡眠でも大丈夫なんじゃないですか?」
「短眠者になれるように睡眠の質を上げるコツはありませんか?」

短眠者になれるいい方法があれば、知りたい人が大勢押しかけるでしょう。ところが、そういう虫のいい話がないことは、睡眠科学の過去の研究が証明しています。

まず、質の良い睡眠とはどういったものなのでしょう。人間の睡眠には、レム睡眠とノンレム睡眠の2種類があることは聞いたことがあるかと思います。

ノンレム睡眠は、さらに軽睡眠と深睡眠とにザックリと分けられます。この深い睡眠が多ければ多いほど、質の良い睡眠のように思えます。

この深い睡眠を多くする方法は、全くないわけではありません。答えは、寝ないことです。「空腹は最大の調味料」と言われるように、睡眠を深くする最大の秘訣は、限界ギリギリまで寝ないことです。ただ、「ギリギリまで寝ない」毎日では、心身ともに疲弊してしまいます。

また、大人の睡眠は、レム睡眠が約20%、ノンレムの軽睡眠が約60〜70%、ノンレムの深い睡眠が10〜20%で、どう頑張ってもこの割合を大きく変えることはできません。

さらに残念なことに、年齢を重ねるに従って、深い睡眠の量は徐々に減っていきます。年を取ると眠りが浅くなるのはこのためです。

「睡眠をすべて深くする」ことは不可能です。

ただ、睡眠時間が減っても、この深い睡眠の量はそれほど減らないことがわかっています。睡眠時間が取れない過酷な環境に置かれても、軽睡眠を減らして深睡眠の時間を維持するような働きが人間には備わっているのです。

あえて深い睡眠を増やすコツとしては、「毎朝同じ時間に起きる」「昼寝しすぎない」くらいです。朝寝坊や1時間を超える長時間の昼寝で、夜に寝つきにくくなったことがあると思います。これらの望ましくない習慣が、夜の睡眠の質を悪くすることは、多くの研究によって証明されています。

「ぐっすり=深い睡眠が多い」というとわかりやすいのですが、そうとも言い切れない場合が実はかなりあります。「ぐっすり」の時間が年齢相応に十分あったとしても、朝スッキリしない人が意外に多いのです。

夜の睡眠の深さは、日中の活動量や充実感などに、大きく左右されていると考えられています。疲れやすい、やる気がないことを、すべて睡眠の質のせいにしていると、いつまで経ってもストレスから抜けられません。

医学・科学の進んだ現代でも、血圧や糖尿病の検査値のような、「◯以上ならばぐっすり深い睡眠」というのは、まだ見つかっていません。もしかしたら、そういうものはもともと存在しないのかもしれません。

日中にどれだけ活動して、充実した1日を過ごしているかが、今のところの現実的な「ぐっすり」の指標です。「ぐっすり」眠れているかどうかは、夜よりむしろ日中の暮らしの中にあります。

夜よりむしろ、1日のスタートである朝の過ごし方の工夫が大切であることがわかったのではないでしょうか。

 

体内時計を整えればパフォーマンスは上がる
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朝活と聞くと、デキる人、エネルギッシュな人が行なっている活動のように思えます。

普通の人の1日は、起きてから仕事や用事に忙殺されてしまい、自分の時間が取れ
るのは、脳も体も疲れている夜になってしまいます。

睡眠で休息の取れた状態で自分の好きな活動をすることができる朝活ができれば、人生が充実することはたしかでしょう。

ところが実際には、

「朝、ランニングをしようと思っているけど、どうしても起きられない……」
「一度早起きして勉強してみたけど、つらくて続かない……」

と、三日坊主に終わっている、あるいは朝活本を読んだときだけ「やってみよう」と意気込むけれど、すぐに頭から消えてしまうなど、朝の時間を有効に使うことができている人はあまりいないでしょう。

しかし、「朝活」ができないからといって、悲観的になる必要はありません。健康のために行なう朝のささいな習慣もすばらしい「朝活」だと言えるからです。

いくら朝の活動を取り入れていても、

・朝食を食べない
・部屋は朝も真っ暗なまま
・身だしなみに鈍感

という朝を過ごしていては、日中のパフォーマンスも上がるわけがありません。こういうことを何年も続けていては、肥満だけでなく高血圧、糖尿病といった、健康問題も生じてくる可能性が高くなります。

さらに、本書でも繰り返し述べますが、人間の脳や体の細胞の一つひとつには、体内時計が備わっています。

人間の体内時計には個人差がありますが、24時間より少しだけ長めに設定されています。この「長め」の程度によって、朝型・夜型がある程度は決まっていることがわかっています。

体内時計が長めの人も実際にいて、根っから朝が苦手な夜型もいるのです。こういった人たちが無理に朝型に変えようとすると体内時計が狂ってしまい、ますますパフォーマンスが下がりますし、調子を崩してしまいます。

睡眠研究者が、夏だけ始業時間を早める「サマータイム」や、政府や企業が推し進める「早朝勤務」に警鐘を鳴らしているのは、体内時計の長い「夜型」の人を心配しているからにほかなりません。

「私は小さい頃から夜型だ」という人は、無理に朝活に励むことはありません。むしろ、無謀な早朝からの活動は体内時計を崩します。

苦手な朝に行なう小さな習慣の積み重ねが、「朝型を強いる」ストレスを軽くしてくれるのです。

もちろん、朝型生活に順応できている人は、「朝活」を続けても全く構いません。ただし、脳や体のためになる生活習慣を続けているならば、という条件付きです。

大切な自分自身の健康を軽く見ていては、必ず後で大きなしっぺ返しがくることは、患者さんを診ていて私が痛感することでもあります。

 

ストレスを消す基本ルール──「遺伝に逆らわない」

私の若い頃の朝と言えば、たとえようのない苦行の始まりのようなものでした。学校がイヤなわけではないのですが、寝続けていたい……という思いしかありませんでした。朝起こしに来る母親も、うっとうしい存在以外の何者でもなかったのです。

これが40代半ばになった今となると、いつもスッキリとまではいきませんが、昔に比べれば朝が楽になってきた気がします。

年を取るのは気の進まないことに思えます。しかし、悪いことばかりではありません。だんだん朝型に変わってきて、朝に強くなっていくのです。

人間は、朝起きて夜眠くなる体内リズムを持っています。このリズムが、年齢とともに朝のほうにズレていきます。お年寄りが朝早くから活動しているのは、朝早く自然に目覚めるからであって、無理をして早起きしているわけではありません。

年齢とともに自然に朝型になっていくということは、年を取るほど朝が輝いてくるということです。

「すがすがしい朝なんか無理」
「ずっと朝が苦手なままなのかな」

と思っている人も、そう心配する必要はありません。個人差はありますが、年を取れば、夜より朝のほうこそ元気が出るようになります。

とはいえ、
「今のうちから朝はスッキリしたい」
「年を取ってからじゃないとダメなのか」

と、焦ったり途方に暮れたりする人もいるでしょう。

なにも高齢者にならないと朝が輝かないわけではありません。体内リズムの朝型シフトは、30代代半ばから生じてきます。研究結果がどうこうというより、私が診察や講演での患者さんや参加者の方とのやりとりから、30代半ばくらいから「朝早く目覚めてしまう」という人が増えてくるからです。

見方を変えれば、朝寝坊できる睡眠力が、老化によってなくなってくるということでもありますが、そのようなマイナス思考はこの際控えましょう。朝までぐっすりとはいかなくなった分だけ、朝に活動できるようになるわけです。

体内リズムが朝型にシフトするということは、夜は若い頃ほどバリバリに活動するとはいかなくなっていきます。学生の頃は夜更かしばかりでも大丈夫なのが、30代半ばを過ぎると、早い時間に眠くなってきます。まして飲み会などアルコールがらみの夜の無理は、どんどん体にこたえるようになってきます。

ストレスを軽くする習慣も、年とともに夜から朝へと、シフトせざるをえないわけです。

夜のアルコールなどでストレス解消をしている人は、若い頃はなんとかなっても、年を取るごとに、押し寄せるストレスに対応できなくなっていきます。

体内リズムは、親からもらった遺伝子によって定められていることがわかっています。そういうものに逆らわないことも、ストレスとつき合う基本ルールなのです。

 

一流は医学的・科学的根拠が疑わしいことをしない

「運動が体にいいことなんてわかっている」
「朝の光を浴びたほうがいいということは今まで本で何度も読んだ」
「朝食の重要性なんか、昔から言われているので目新しくない」

私は睡眠の本を数冊書いていますが、このようなレビューが必ず書き込まれます。講演の後のアンケートでも、こうしたフィードバックをいただくことがあります。

せっかくお金を払ってもらっている以上、毎回何かあっと驚くような最新の情報やアドバイスができればとは考えていますが、頻繁にすばらしいアイデアや研究結果が得られるわけではありません。

仕事やスポーツ、すべてにおいて同じでしょうが、基本動作に常に忠実になることが一番です。基本がしっかりしていなければ、結果を出すことはできないのです。

「そんなことはわかっている」という思いが頭に浮かんだ瞬間が要注意です。

基本を続けるには、意志や根性の力より、謙虚さが大切です。すべてにおいて学ぶ価値がある、わかっていてもまだまだ改善の余地があると、腰を低く構えるのが賢い人です。

このような謙虚なスタンスでいれば、ストレスに対する抵抗力もつけることができます。一流の人は、こういう当たり前と思える基本を意識的にも無意識的にもきちんと続けているのです。

ストレスとは、言ってみれば外部からの刺激です。外からのさまざまな刺激から自分を守っていくには、「そんなことはわかっている」と抵抗するのもありでしょう。

しかし、すべてにおいて、外からの刺激を真っ向からはねつけるのは、無理があります。

謙虚な姿勢で外部からの刺激を受け入れて、それで受け入れるものは自分に合った形で受け入れて消化し、適当に流せるものはスルーすればいいわけです。

基本を疎かにする人は、仕事ができなくなるばかりか、生活習慣もいい加減になり、病気のリスクも上がってきます。

理由のひとつとして、こういった人はストレスに対するつき合い方がヘタになってしまうからです。

「朝ごはんを食べましょう」
「少しは運動をしましょう」
「寝る前のインターネットは控えましょう」

こういった基本を完全に守っている人は、実はあまりいません。

したがって、痛いところを突かれるあまり、「そんなことは知っている」「できるものならやっている」と意固地になってしまうのです。

私自身も、こういった基本を完全に守れているわけではありません。耳が痛い話で、偉そうな講釈を垂れるのも恥ずかしい気持ちがあるくらいです。

しかし、それでもなんとか基本に忠実な努力を続ける気持ちは消えていません。他人の助言はありがたくうかがっています。

本書は、私なりにストレスを和らげられると考える基本を集めています。「これは聞いたことがない」という目新しい情報は、医学的・科学的根拠に乏しいことがありえるからです。

ストレスが消えていく最大のコツは、基本を守った朝の生活習慣を続ける努力なのです。

 

朝から「集中力」「行動力」「思考力」を高める秘訣

基本、基本とうるさく書いてしまいましたが、「ストレスとはいったい何か」という、基本中の基本の質問にお答えしておきましょう。

インターネットで調べれば、ストレスの定義はこれでもかというくらいに登場します。たとえば、厚生労働省のホームページには、ストレスの定義が詳しく記されています。要約すれば、以下のようにまとめられます。

【①】
ストレスとは、物体の外側からかけられた圧力によって歪みが生じた状態を言います。ストレスを風船にたとえてみると、風船を指で押さえる力をストレッサーと言い、ストレッサーによって風船が歪んだ状態をストレス反応と言います。

【②】
ストレッサーによって引き起こされるストレス反応は、心理面、身体面、行動面の3つに分けることができます。心理面でのストレス反応には、活気の低下、イライラ、不安、抑うつなどがあります。

身体面でのストレス反応には、体のふしぶしの痛み、頭痛、肩こり、腰痛、目の疲れ、動悸や息切れ、胃痛、食欲低下、便秘や下痢、不眠などさまざまな症状があります。

また、行動面でのストレス反応には、飲酒量や喫煙量の増加、仕事でのミスや事故の増加などがあります。

カナダの生理学者ハンス・セリエが、ストレス学説として学術的に提唱してからさまざまな実験や研究が重ねられてきました。この「ストレス反応」について、もう少し詳しく考えてみましょう。

ウマが合わない同僚の姿や、上司からの苦言叱責、あるいは熱い寒いなど環境の変化……、私たちは限りない外部からの刺激にさらされています。目や耳、皮膚など五感の刺激は、脳が感知します。脳が、ストレスの発信源なのです。

「おいしいものを食べた」「周囲からほめられた」など、気持ちいい刺激ならば大丈夫なのですが、先に述べたような不愉快な、イライラさせられる刺激には、脳は敏感に反応します。

ストレスを受けると、脳の視床下部という部分から、同じ脳の下垂体という部分を刺激するホルモンが分泌されます。さらに下垂体は、副腎皮質という腰のあたりにある小さな臓器を刺激するホルモンを分泌します。いわば、ストレス刺激の体内キャッチボールです。

腎臓の端っこにおまけのようにくっ付いている小さな副腎が、実はストレスホルモンの生産工場なのです。副腎皮質ホルモンは、ストレスに反応して分泌される、ストレスから生命を守るためのホルモンです。生命維持には欠かせない存在です。

しかし、この副腎皮質ホルモンがあまりに出すぎてしまうと、人間の体にダメージを与えてしまうことがわかっています。血圧を上げすぎることもあれば、頭痛や胃部不快など、いろいろな体の不調の誘因ともなります。冒頭でお話しした身体面でのストレス反応です。

この副腎皮質ホルモンは、脳にもダメージを与えることが確かめられています。脳神経細胞のつながりを、破壊してしまうのです。

うつ病の人では脳の海馬という場所が萎縮している傾向がありますが、この副腎皮質ホルモンの働きすぎが考えられています。

自分の意志や根性では、ストレスホルモンの分泌はコントロールできません。ストレスを和らげる生活習慣を続けていくことが、このストレスホルモンの働きすぎを抑える、薬に頼らない唯一の方法なのです。

悪いストレスは能力を下げる原因となります。つまり、今までのあなたは、自分本来のパフォーマンスを発揮できていない可能性があるのです。

一流の人は、ストレスとうまくつき合いつつ、能力を最大限に発揮しながら仕事をしているのです。だからこそ、結果が出るのです。

人の能力に大きな差がないということは、よくビジネス書で言われていますが、もしそうだとすればストレスを軽くしていけば、大きな差を生むことができるとも言えます。

悪いストレスを減らしていけば、集中力、行動力、思考力が高まるということは、ここまでの説明でご理解いただけたと思います。

ストレス対策の基本と、朝1分の習慣を実践するべき理由を述べてきましたが、次の章から実際にどのような朝1分の習慣を行なっていけばいいのかを述べていきます。

 

─第1章 まとめ─

◆「ストレスに負けない」ために気をつけること◆

□生活のリズムを整えることが、ストレスを消すためのコツ
□ 「悪いストレス」は、達成感や充実感が得られず、なかなか抜けない疲れだけが残る

□ストレスを消したいのなら、「考え方」を変えるより、「基本動作」に忠実になること
□良質な睡眠は、朝の過ごし方の工夫で実現できる

□人間の体内時計は24時間より少しだけ長めに設定されているので、毎朝リセットすることが大事
□悪いストレスを減らせば、「集中力」「行動力」「思考力」が高まる

西多昌規著『一流の人はやっている ストレスが消える 朝1分の習慣』より抜粋 

【書籍紹介~目次】

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『一流の人はやっている ストレスが消える 朝1分の習慣』

 

はじめに

第1章 一流の人は「朝1分の習慣」でストレスを消し、
ハイパフォーマンスを実現する
“昨日の疲れを残さない”ことで「集中力」「行動力」「思考力」は高まる

「脳」と「体」のコンディションを整えられる人が一流である
ストレスを受けると人間は正直に反応してしまう
朝1分の〝ちょっとした習慣〟でストレスは消えていく
一流が〝ポジティブさ〟より大事にしていること
「夜型人間」でもあきらめなくていい!
これが「見た目が若い人」と「老けて見える人」を分ける
朝の過ごし方で「睡眠の質」に差が出る
体内時計を整えればパフォーマンスは上がる
ストレスを消す基本ルール――「遺伝に逆らわない」
一流は医学的・科学的根拠が疑わしいことをしない
朝から「集中力」「行動力」「思考力」を高める秘訣
◆第1章まとめ◆「ストレスに負けない」ために気をつけること

第2章 スッキリ目覚める朝1分の習慣
朝一番の〝ちょっとしたストレス解消法〟が1日をエネルギッシュにする!

01「朝はつらいものだ」――この科学的根拠を知れば心はラクになる
02ベッドの中で体の向きを左右にゴロゴロ変える
03窓際族になれば次の日の朝もラクになる
04いい二度寝は「幸福感のある目覚め」の準備になる
05「日内変動」があるから朝から気合を入れる必要はない
06スヌーズ機能は1回限定で活用する
◆第2章まとめ◆「ストレスに負けない」ために気をつけること

第3章 ベッドから出た後の朝1分の習慣
簡単な基本動作がフルパワーで仕事に向かう準備になる

07高めの温度のシャワーを浴び、足首とふくらはぎに冷水をかける
08洗顔は思い切って「冷水」でする
09コップ1杯の水を飲むことで、胃腸に目覚めのサインを送る
10この音が脳の準備運動になる
11スマホによって「つながらない不安」をかきたてない
12「朝にジョギングをしない」選択にもメリットがある!
13鏡の前で“つくり笑顔”をする効果はバカにできない
◆第3章まとめ◆「ストレスに負けない」ために気をつけること

第4章 朝1分でできる朝食の習慣
ストレスを消し、脳を活性化させる「食べ物」「飲み物」「環境づくり」

14朝食を摂るという“当たり前のこと”が、体内時計を調整するカギ
15この〝柑橘系〟果物で、脳が目覚め、心が落ち着く
16「集中力を高める朝食」を意識的に摂る
17朝食中に紙の媒体から情報を得る
18たまには「外食」をするのもひとつの手
19カーテンを閉じた部屋での朝食は、生活リズムを崩す原因になる
20癒やしの物質「セロトニン」が分泌される朝食を摂る
◆第4章まとめ◆「ストレスに負けない」ために気をつけること

第5章 通勤中にできる朝1分の習慣
職場に着くまでにストレスを消し、仕事でスタートダッシュを切る!

21通勤中には「今日やること」をイメージしない
  「帰宅時間」をイメージする
22通勤電車ではここをキープする
23勤電車の中では、ラジオか音楽を聴く
24自動車通勤の人は、週に2、3日「公共交通機関」を使ってみる
25タブレット菓子、ビタミンC飲料などのサプリはマークに注意!
26適度に目薬を使えばストレスが和らぐ
27冷静になって考えてみれば
  「駆け込み乗車」で得られるメリットは少ない
28SNSには能動的に参加しない
◆第5章まとめ◆「ストレスに負けない」ために気をつけること
第5 章
第6章 会社でできる朝1分の習慣
人間関係、仕事の能率、環境……仕事で能力を最大限に発揮するコツ

29「おはようございます」が相手と自分のストレスを消す
30今日使うべき“2つのもの”が机のどこにあるのかを確認する
31ポストイットに“今日、最も大切な仕事”をひとつだけ書く
32「1分間の雑談」で仕事のスタートをスムーズにする
33緑が見える部屋では、作業のパフォーマンスが上がる
◆第6章まとめ◆「ストレスに負けない」ために気をつけること

第7章 良質な睡眠を実現する夜1分の習慣
ストレスフリーで1週間〝息切れしない〟自分をつくる!

34「一晩寝ればなんとかなる」は科学的に証明されている
35午前0時までにベッドに入る
36“便利なものがつくり出すストレス”を遮断する
37夜食、カフェイン、アルコール、タバコ――21時以降のつき合い方
38ベッドの中で〝クヨクヨ〟して眠れないときはこうしよう!
39月曜朝のつらさを軽減するカギは、金曜の夜にある
◆第7章まとめ◆「ストレスに負けない」ために気をつけること

おわりに

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